日本共産党の階級的裏切り 挙国一致非難決議に賛成し 帝国主義の侵略戦争に加担
週刊『前進』04頁(3235号03面04)(2022/03/14)
日本共産党の階級的裏切り
挙国一致非難決議に賛成し
帝国主義の侵略戦争に加担
プーチン・ロシア軍のウクライナ侵略戦争を止め、その世界戦争・核戦争への転化を阻止できるのは、今1万人を超える逮捕者を出しながら非合法の反戦デモに決起しているロシアをはじめ、全世界の労働者階級の国際反戦闘争だけだ。ウクライナ反戦闘争を、戦争の最大の元凶である帝国主義を打倒する闘い、反帝・反スターリン主義世界革命の闘いへと発展させなければならない。
何よりも自国政府・日帝がウクライナ情勢に乗じて中国侵略戦争参戦に向けた改憲と核武装(「核共有」、INF配備)の攻撃をエスカレートさせていることを断じて許してはならない。北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大でプーチン・ロシアを追いつめ、ウクライナをめぐる侵略と戦争の最大の当事者でもある米欧日帝国主義と一緒になって日本共産党が「ロシアのウクライナ侵略」を「非難」し、「制裁」を叫ぶことは、階級性を解体し、祖国防衛主義、防衛力強化、核武装の正当化、帝国主義世界戦争にさおさすものである。ウクライナ侵略戦争―世界戦争・核戦争を準備してきた最大の当事者こそアメリカ帝国主義であること、米欧日帝国主義の「ウクライナ侵略弾劾」の反階級性、反人民性、反革命性を徹底的に暴露し弾劾しなければならない。
日帝の戦争政策への批判は皆無
日帝は、ウクライナ情勢をテコにして中国侵略戦争に一気に進もうとしている。3月1日衆議院、2日参議院の本会議で採択された「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」はそのためのものだ。日本共産党は、2月1日の衆議院における中国非難決議に賛成したのに続き、この決議に賛成した。これは第1次世界大戦の際、1914年8月4日、ドイツ国会で戦時公債に賛成して戦争突入を支持したドイツ社会民主党の裏切りに比すべき階級的裏切りである。決議は「国際社会とも連携し、制裁を含め、事態に迅速かつ厳格な対応を」と、米帝やNATOと共に戦争行為を宣言するものだ。日共は杉並区など全国の自治体の議会で同様の決議への全会一致を進めている。まさに帝国主義戦争翼賛運動だ。「敵基地攻撃能力の保有」を掲げて軍備増強を図り、沖縄基地を強化し、南西諸島へのミサイル配備を推進する政府と一緒に「ウクライナ及びウクライナ国民と共にある」などと言うのは、絶対に許せない犯罪的行為だ。
「経済制裁」という形で現にウクライナでの戦争に参戦しようとしている岸田政権に対する支持と翼賛を表明した日共は、階級性を解体し、祖国防衛主義、防衛力強化、帝国主義世界戦争に加担する道を突進しているのである。
帝国主義と共に排外主義あおる
世界情勢の基軸には米帝の危機、米中対立の非和解性がある。帝国主義の根底的危機があって、そこから世界戦争に向かっているのである。その中でウクライナ情勢もある。米帝は、中国侵略戦争に踏み込むためにこそロシアをおびき出し、ウクライナを戦場としてプーチンをたたこうとしているのだ。これまでウクライナに武器を大量に運び込んでウクライナ軍を訓練し、戦争に備えていたのは米帝でありNATOだ。米大統領バイデンが一般教書演説で「プーチン氏は間違っていた。われわれは準備を整えていた」と言っている通り、まさに米帝の世界戦争計画の発動としてウクライナ情勢がある。何よりも米帝は、中国侵略戦争のために何が必要なのかという観点から戦略的に態勢を整えてきたのである。
プーチンを断罪する「正義」の顔をして登場する帝国主義がやってきたことは何か。米帝の20年に及ぶアフガニスタン、イラク侵略戦争を見れば明らかだ。
われわれは、中国侵略戦争—世界戦争・核戦争に突き進む帝国主義を打倒しなければならない。世界戦争情勢とは、まさに世界革命によって帝国主義を打倒する情勢である。この中で日本共産党は、革命を圧殺するために「国際社会との団結」や「国連憲章」を持ち出し、帝国主義の国際秩序を守ろうとしている。
日本共産党は、2020年第28回党大会での綱領改定で、それまでの「アメリカの世界支配を許さず」という表現を削除し、「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず、平和の国際秩序を築く」という表現に変えた。これは、まさにロシアや中国との対立を想定して、帝国主義の側に立つという日共のスタンスの変更を示すものだった。とりわけ中国に対しては、それまでの「社会主義をめざす国」という位置づけを完全に放棄し、「人権抑圧国」として非難し、帝国主義と一緒になって排外主義宣伝を行うに至っている。米日帝の中国侵略戦争攻撃の強まりについて日共が何一つ言及しないのは、それを容認し支持しているからだ。
3月3日、杉並区議会で「ロシア連邦によるウクライナ侵略抗議決議」に洞口朋子議員がただ一人階級的立場を貫き、反対した(記事4面)。まさに日共反革命の対極にある存在と闘いだ。洞口区議に続こう。