全世界の反戦闘争と連帯を 帝国主義こそ世界戦争の元凶 日帝の改憲・核武装を許すな

週刊『前進』04頁(3235号01面01)(2022/03/14)


全世界の反戦闘争と連帯を
 帝国主義こそ世界戦争の元凶
 日帝の改憲・核武装を許すな


 ロシア軍の2・24ウクライナ侵攻をもって始まった人民虐殺の侵略戦争と世界戦争・核戦争の危機に対し、世界中で巨大な反戦デモが広がっている。日本でも各地でのデモや街頭宣伝、3・8国際婦人デー闘争、広島の被爆者と被爆2世・3世の緊急声明が出され、さらに3・11反原発福島行動が闘われた(詳報次号)。こうした激動情勢のただ中で、革共同は第8回全国大会を開催し、この情勢を反帝国主義・反スターリン主義世界革命へと転じるために全力で闘うことを決定した(2面に開催報告)。ロシア、ウクライナ、そして全世界の労働者の反戦闘争と連帯し、改憲と核武装化を狙う岸田政権打倒へ総決起しよう。

ウクライナ反戦のうねり

 ロシア・プーチンによるウクライナ侵略戦争を絶対に許すことはできない。侵攻開始から2週間でロシア、ウクライナ双方の兵士に多数の犠牲者が出るとともに、数千人もの民間人の虐殺が報じられている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表によると、3月6日までにウクライナから避難した人は173万人を超えた。さらにロシア軍による原発施設への攻撃は、チェルノブイリ原発事故の被害に苦しむウクライナ人民にさらなる被曝を強いるものだ。
 一方、ロシア国内における反戦デモが日ごとに拡大している。6日には60以上の都市でデモが闘われ、この日だけで5千人以上が拘束された。懲役刑の脅しや警察の暴力に屈せず闘われる反戦デモは、ロシア軍の士気を低下させ、不正義の戦争に動員された兵士の中から戦闘をやめて投降する者が続出している。
 ウクライナへの侵略戦争を止め、その世界戦争・核戦争への転化を阻止できるのは、労働者階級の国際反戦闘争だけだ。第1次世界大戦を終結へと導いた1917年ロシア革命をいまこそよみがえらせよう。ロシアの労働者階級人民と固く団結し、プーチン独裁体制打倒の第二革命をともに闘いとろう。
 ウクライナ侵略戦争をもたらした最大の元凶であり、世界戦争・核戦争を準備してきた張本人はアメリカ帝国主義である。バイデンは、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟がプーチン体制崩壊の最後の引き金になることを十分承知した上で、ロシアによる「ウクライナ非加盟・中立化」の要求を拒絶し、プーチンをウクライナ侵略戦争へと引きずりこんだ。米帝はあらかじめウクライナへの相当な軍事支援を行って、戦争を準備してきた。さらに石油禁輸など経済制裁を強めている。
 バイデンの狙いは、中国侵略戦争に向けて、プーチンを国際的に孤立させて中ロの連携を粉砕することにある。そもそもバイデンは「ロシアが数日後にウクライナに侵攻する」と言いながら、2月13〜18日に沖縄で中国侵略戦争を想定した軍事演習を強行した。沖縄県内の複数の米軍施設を離島に見立て、遠征前方基地(EAB)を設置して中国軍に対するゲリラ攻撃をしかける訓練で、海兵隊を7500人も参加させる異例の大規模演習となった。海上には原子力空母「エイブラハム・リンカーン」を展開させ、航空自衛隊の戦闘機も参加するなど、米軍と自衛隊による中国本土への侵攻を想定した本格的な訓練となった。さらに、ロシア軍のウクライナ侵攻後の3月1日には、マレン元米統合参謀本部議長ら超党派の代表団が台湾を訪問し、蔡英文総統や国防相らと会談した。
 米帝は、ウクライナ戦争の泥沼化でロシア・プーチンを追い詰めながら、中国侵略戦争に向けた準備を進めているのだ。

米帝の中国侵略戦争策動

 バイデンは1日の一般教書演説で、「プーチンは暴力と混沌(こんとん)を解き放った」と断罪し、ロシア・プーチンとの対決を「民主主義と専制主義の戦い」と表現した。だが、これまで「暴力と混沌」に満ち満ちた残虐な侵略戦争を繰り返してきた米帝をはじめとした帝国主義に、プーチンを非難する資格はまったくない。
 ウクライナをめぐって起きているのは「民主主義と専制主義の戦い」では断じてない。帝国主義とスターリン主義のそれぞれの体制的延命をかけた争闘戦が、ついに現実の戦争となって火を噴いたのだ。〈コロナ×大恐慌〉は新自由主義を大崩壊させ、米帝をはじめ帝国主義諸国と残存スターリン主義・中国、旧スターリン主義・ロシアの政治的、経済的、体制的危機を激しく促進している。何より基軸国・米帝の没落が戦後世界体制の最後的崩壊をもたらしている。そうした中で、米帝は基軸国としての存亡をかけて中国侵略戦争を決断し、その準備を全力で進めているのだ。ロシア・プーチンをウクライナでの戦争に引きずり込んだのもその一環にほかならない。
 世界戦争・核戦争を阻止し、全世界で一斉に開始された反戦闘争を反帝国主義・反スターリン主義世界革命へと発展させよう。日本で求められているのは、岸田政権のウクライナ戦争への加担、中国侵略戦争に向けた改憲・核武装を絶対に許さず闘うことだ。
 日本帝国主義・岸田政権は、中国を念頭に「アジアを含む他の地域で同様の行為を抑制することにつながる」としてロシアへの追加制裁を発表。さらに8日の国家安全保障会議(NSC)では、ウクライナに自衛隊の防弾チョッキや防寒服などを供与することを決定、そのために「防衛装備品移転三原則」の運用指針を改定し、戦後初となる交戦中の国への武器輸出に踏み切った。これを受け、自民党内からは早くも「台湾有事が起きれば、弾薬も送るべきだ」といった声も上がっているという(3月9日付東京新聞)。
 ウクライナでの戦争に乗じて、中国侵略戦争に向けた改憲策動を一気に加速させようとする日帝・岸田を許すことはできない。

動労千葉の決起に続こう

 この間、衆議院憲法審査会が毎週開催され、「日本国内に米国の核兵器を配備し共同運用する『核共有』政策、それに伴う非核三原則に関する議論も排除しない」などといった議論が平然と行われている。「台湾有事は日本有事だ」として台湾海峡への軍事介入を要求する安倍晋三や麻生太郎らの主張は、「安全の確保」「自国民保護」などを口実にウクライナを侵攻したプーチンと何が違うのか。この戦争に乗じて改憲と大軍拡、核武装化をあおる一切の策動に、労働者階級の怒りの反撃をたたきつけなければならない。
 動労千葉は3月11日から「22春闘勝利! 3月ダイ改阻止!」を掲げて48時間ストライキに立ち上がるとともに、動労千葉国際連帯委員会との連名で「ウクライナ軍事侵攻を直ちに停止せよ! 世界戦争・核戦争への拡大を絶対に阻止しよう!」と題する声明を7日付で全世界の労働者に発信した。声明は、新自由主義のもとで各国の資本や政府が労働者に対して仕掛けてきた民営化や非正規職化などの「内なる階級戦争」と「外への侵略戦争」は一体の攻撃だと訴え、「階級的労働運動の復権に向け闘うと共に、自国政府の戦争への突進を絶対に阻止しよう」と呼びかけている。
 戦後日本で改憲を止めてきたのは、国鉄闘争をはじめとした労働運動の力だ。戦争反対の闘いとともに、ますます絶望的に凶暴化する新自由主義の攻撃、賃下げ、合理化、雇い止め、労働組合破壊攻撃に立ち向かい、闘う労働運動をよみがえらせよう。
 ウクライナ反戦闘争を拡大し、改憲と中国侵略戦争を阻止する階級的決起をつくりだそう。沖縄のミサイル基地化を阻止する3・21〜22沖縄現地闘争を闘い、三里塚3・27芝山現地闘争に総決起しよう。

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