「11月労働者集会」25年 3労組共同アピール (全文)
週刊『前進』04頁(3232号02面01)(2022/02/21)
「11月労働者集会」25年
3労組共同アピール (全文)
(写真 動労千葉の渡辺剛史書記長が3労組共同アピールを読み上げた【2月13日 東京・墨田区】)
私たち3労組が、「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」と呼びかけて、初めて日比谷野外音楽堂で11月労働者集会を開催したのは1998年のことでした。それ以来、全国の仲間たちに支えられて一度も欠かすことなく開かれてきた11月集会が今年25年を迎えます。
今、関西地区生コン支部は労働組合活動を犯罪とし、89名もの組合員らを不当逮捕する戦後最大の大弾圧の渦中にあり、またJRの職場では「労組なき社会」をつくろうとする激しい攻撃が進んでいます。それでも私たちの闘う意志は少しも揺らいでいません。また11月集会は、イラク戦争をきっかけに、韓国・民主労総ソウル地域本部や鉄道労組ソウル地方本部、アメリカ、ドイツ、ブラジル、トルコ、イタリア、中国、台湾、フィリピン、ミャンマー等の労働者との画期的な国際連帯闘争、共同行動へと発展しました。
それは〝蟷螂(とうろう)の斧〟のごとき、小さな労働組合の大きな挑戦でした。しかし、労働運動がとめどなく後退する困難な状況下で、「労働運動の変革」という大テーマを掲げ、25年間継続してきた蓄積はけっして小さくはありません。
時代は大きな岐路に立っています。あらためて全国の仲間たち、全世界の仲間たちにアピールを発し、労働運動再生に向けた闘いを新たな段階に進めたいと決意しました。
11月集会は、国鉄分割・民営化攻撃によって日本に導入された新自由主義が、社会全体をのみ込もうとしている渦中で始まりました。それから25年、労働運動を破壊し、社会を蝕(むしば)んで吹き荒れた新自由主義攻撃は、自らが生み出した矛盾によって崩壊しようとしています。すべてが限度と限界をこえ、怒りと悲鳴が社会の隅々に満ちています。出口を失った危機が戦争を生み出そうとしています。
私たちは訴えます。
第一に、私たちは関生支部への大弾圧、政府・JR資本による「労組なき社会」化攻撃を粉砕するために全力を尽くして闘っています。それは労働者の権利・労働運動の未来をかけた闘いです。それは「戦争のできる国」をつくるための労組破壊攻撃です。連合は存立基盤を失って危機を深め、自民党に急接近するなど、ナショナルセンターとしての実質を放棄しようとしています。労働者自身の手で労働運動を再建する時がきました。闘う労働組合を甦(よみがえ)らせるためにも、私たちは必ず関生弾圧を粉砕します。この闘いにぜひともご支援をお願いします。
第二に、新自由主義を終わらせなければなりません。日本の賃金水準は先進国中最低レベルに落ち込み、貧困が社会に蔓延(まんえん)しています。激しいインフレが始まりました。それが労働者の生活に、とくに非正規職、女性、子どもに悲劇的な結果をもたらすことは明らかです。「同一労働同一賃金」など真っ赤なウソだったこと、最低賃金に同一化する総非正規職化攻撃だったことがあらわになっています。民営化、外注化、非正規職化、労働柔軟化・融合化が嵐のように進められています。ズタズタに引き裂かれ破壊された雇用や権利、医療、教育、地球環境、社会のすべてをつくり直さなければなりません。それができるのは労働者の団結した力だけです。労働運動を刷新しなければなりません。
第三に、改憲と戦争を止めるために力を合わせて立ち上がることを訴えます。それは労働組合の最も大事な任務です。規制を解き放たれた資本の暴走は世界中で数十億人にのぼる飢餓を生み出し、国家主義と結びついて民主主義的なものをことごとく破壊し、中東では20年に及ぶ戦争を生み出しました。そして今、米日政府は東アジアにおいて、「台湾有事」を焦点とした中国侵略戦争の深刻な危機をつくり出しています。岸田政権は「敵基地攻撃能力の確保」を掲げて空前の大軍拡を強行し、沖縄―南西諸島全体の出撃基地化が急速に進んでいます。今年5月、沖縄は「復帰50年」を迎えます。しかしその「祝賀」にぬり隠されて沖縄は再び戦争にのみ込まれようとしているのです。
改憲攻撃が切迫しています。憲法審査会を毎週開催することが与野党で合意され、自民党本部と全県連に「憲法改正実現本部」が設置され、5月連休前までに全県で「憲法改正大会」が開かれようとしています。今年私たちは、沖縄・改憲をめぐって眦(まなじり)を決して闘いに立ち上がらなければなりません。「外への侵略戦争」と「内への階級戦争」は一つの攻撃です。全国の仲間たちに訴えます。あらゆる職場・地域から草の根の闘いをつくり出そう。全世界の仲間たちに訴えます。東アジアにおける戦争を止めるために、私たちに連帯の力を貸して下さい。
第四に、労働運動の不可欠の課題として、私たちは労働者の国際連帯闘争のさらなる前進のために闘います。11月集会は、民主労総ソウル地域本部と共に「東京―ソウル国際共同行動」として発展し、今日に至っています。全世界の労働者が燎原(りょうげん)の炎のように新自由主義への反撃を開始しています。アメリカでは社会の隅々で新労組が結成され、ストライキが激発し、韓国では民主労総が社会の変革をめざしてゼネストに立ち上がりました。ミャンマーでは国軍クーデターに対する命がけの抵抗が続いています。私たちも同じ時代を生きています。
私たちは11月6日、東京・日比谷野外音楽堂で「労働者の団結した力で新自由主義を終わらせよう! 闘う労働組合を甦らせよう! 改憲・戦争阻止!1万人大行進」を呼びかけます。ぜひとも多くの皆様の賛同と参加をお願いします。
全国各地に実行委員会、賛同人・賛同団体会議を立ち上げて下さい。共に討議し、様々な行動を組織し、変革に向けた計画をつくりあげたいのです。変革は、突然奇跡のように起こるものではなく、時には何世代にもわたる努力によって起きるものです。私たちはその新たな一歩を踏み出します。多くの仲間たちがこの闘いに加わって下さることを願っています。これまでなら不可能だと思われたことも可能性を帯びて動きだす時代です。労働運動の再生は、この時代に求められている最先端の変革です。私たちこそ社会の主人公です。共に闘いましょう。
2022年2月13日
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合港合同
国鉄千葉動力車労働組合