3労組アピールに応え全国で 改憲・戦争阻止闘争の大発展を 全国から3・11福島へ!

週刊『前進』04頁(3232号01面02)(2022/02/21)


3労組アピールに応え全国で
 改憲・戦争阻止闘争の大発展を
 全国から3・11福島へ!


 2・13集会で発表された関生支部、港合同、動労千葉による「11月労働者集会」25年3労組共同アピールは、「改憲と戦争を止めるために力を合わせて立ち上がること......それは労働組合の最も大事な任務です」と訴え、全世界の労働組合に「東アジアにおける戦争を止めるために連帯の力を」と呼びかけた。ロシア・ウクライナ国境で一触即発の状態が続き、これと連動して米軍・自衛隊による中国侵略戦争に向けた軍事演習が激化する中で、戦争を阻止する力は労働者の団結した闘いと国際連帯の中にあることを鮮明にさせた。3労組アピールを武器に、闘う労働組合を全産別・全職場によみがえらせよう。3・11福島に結集しよう。JRダイヤ改定阻止を最大の焦点とする22春闘決戦に勝利しよう。

激化するウクライナ危機

 2月10日、ウクライナ軍がNATO(北大西洋条約機構)から提供された無人機や対戦車ミサイルを用いて大規模な軍事演習を開始し、ロシア軍13万人もベラルーシと黒海でベラルーシ軍との合同軍事演習を始めたことで、ウクライナをめぐる戦争危機は極限的な緊張を迎えた。15日にはロシア軍の一部が基地に帰還し始めたと報じられているが、仮に一時的な「緊張緩和」が図られたとしても、ウクライナ危機をもたらした根本原因が除去されたわけではない。
 日本では、あたかもロシアが一方的に戦争危機を生み出しているかのように事態を切り取った報道がされているが、そもそも今日のウクライナ危機の歴史的原因は、1990年代以来の米欧帝国主義による東欧勢力圏化とNATO拡大にある。この上、ウクライナのNATO加盟は、ロシアにとってはのど元に匕首(あいくち)を突きつけられるも同然であり、大ロシア的愛国主義・排外主義を鼓吹することで延命してきたプーチン政権は絶対にこれを容認できない。他方で、米バイデン政権は昨年夏のアフガニスタンからの撤退やインフレ下で巻き起こる米国内のストライキの嵐に追いつめられ、内外の求心力を維持するためにも引き下がれない。
 NATO加盟国同士の争闘戦も激化している。特にドイツ帝国主義にとって、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の確保は死活的であり、これに反対する米帝と独帝との対立は激しい。もはや米帝には欧州諸国を「結束」させる力はない。米帝を基軸国とする戦後世界体制の最後的崩壊が、領土や勢力圏をめぐる再分割戦を激化させ、世界戦争への危機を生み出しているのである。
 重大なことは、こうした情勢を背景にして、日本帝国主義・岸田政権の改憲・戦争国家化に向けた動きが急加速していることだ。防衛相・岸信夫は16日の衆院予算委員会分科会で、敵基地攻撃能力の保有をめぐり「相手国の領空内にわが国の戦闘機が入って爆弾を落とすことも選択肢として排除しないか」との質問に「排除しない」と答えた。自衛隊が他国を空爆することすら辞さないと公然と宣言したのだ。9条改憲を待たずなし崩しに戦争国家化に踏み込む岸田政権を、労働者階級の決起で今すぐ打倒しなければならない。

労働運動は大流動情勢に

 ウクライナ危機と連動しながら、米日帝国主義は中国侵略戦争に向けた軍事演習を1~2月にも連続的に強行している。この情勢と対決する労働者・労働組合の総決起集会として、国鉄分割・民営化で不当解雇から35年、臨調・行革攻撃40年の2・13労働者集会がかちとられた。動労千葉の関道利委員長は基調報告で、22年の課題の柱として「『復帰』50年の安保・沖縄闘争と、決戦局面を迎えた改憲・戦争阻止闘争の本格的な発展をかちとること」を訴えた。この渾身(こんしん)の訴えに応え、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を闘う階級的労働運動をあらゆる職場につくりだそう。
 11月労働者集会を呼びかける3労組は、新自由主義に対して不屈に立ち向かい、何よりも戦争に反対して実力で闘ってきた。3労組が先頭に立つ全国労組交流センター運動の真価を今こそ発揮する時だ。あらゆる産別・職場・地区で徹底的に議論し、改憲・戦争阻止の闘いを組織しよう。
 改憲攻撃も急加速している。国会の憲法審査会は、立憲民主党が予算審議中の開催を容認したのを機に、与党や国民民主党、日本維新の会などが要求してきた「毎週開催」に向けて動き出している。自民党の「憲法改正実現本部」の古屋圭司本部長は「5月連休までに全都道府県で最低1回は集会を」と主張している。他方、連合は芳野友子会長のもとで自民党への接近を強め、傘下労組の「総改憲勢力化」を進めようとしているが、自治労や日教組をはじめ現場組合員との矛盾は一層激化している。始まっているのは連合の崩壊と労働運動の大流動だ。
 「3労組共同アピール」を全国の労働組合に広げ、連合を内外から打倒する労働運動潮流をつくり出そう。国鉄1047名解雇撤回署名を職場・地域で広げよう。改憲に突き進む岸田政権への怒り、戦争の切迫に対する危機感、そして破産した「野党共闘」に代わる新たな闘いの方針を求める声は広範に渦巻いている。改憲・戦争阻止!大行進運動を拡大し、十数万人が国会を包囲した2015年の安保戦争法反対闘争を超える怒りの大闘争を組織しよう。中距離核ミサイル(INF)配備阻止の署名を全国で拡大しよう。南西諸島を再び「戦場化」する日米共同作戦計画を弾劾し、「復帰」50年5・15沖縄闘争に攻め上ろう。

動労千葉先頭に22春闘へ

 福島原発事故から11年を迎える3・11福島の闘いは、核戦争危機下での反原発、反戦・反核闘争として決定的な闘いとなった。岸田政権は1月、核燃サイクルの核心をなす高速炉の共同研究を進めることで米政府と合意したと発表し、原子力潜水艦の保有や核武装化に向けて動き出している。岸田政権による福島第一原発放射能汚染水の放出は、日帝の核・原発政策推進のために避けて通れない死活的課題としてある。だが、原発事故以来の福島の怒りと闘いは国家権力の全体重をかけた圧殺攻撃を打ち破り、新たな決起が広がっている。内部被曝を認めさせた広島の「黒い雨」訴訟の勝利に続き、福島原発事故当時、幼稚園生から高校生だった青年6人が、被曝による甲状腺がん発症の賠償を求め裁判闘争を開始した。「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・チェルノブイリ・フクシマを繰り返すな!」を掲げ、全国から3・11に大結集しよう。
 動労千葉は3・12ダイ改阻止へストライキで闘うことを宣言した。新自由主義の大崩壊は、あらゆる職場で矛盾を爆発させ、労働者の怒りと闘いの機運を生み出している。昨年の11・7労働者集会で提起された「労働組合の刷新」をめざして、動労千葉を先頭に22春闘に決起しよう。
 2~3の月都議会では、「都立病院条例」廃止などの都立病院独立行政法人化に向けた7議案の採決が策動されている。公的医療破壊と戦時医療への転換、都労連など東京都の労働組合解体攻撃に、医療福祉、自治体などの現場から反撃しよう。戦争情勢下で激化する差別排外主義と対決し、国軍の人民虐殺に抗議して闘うミャンマー人民との連帯闘争をさらに発展させよう。在日・滞日外国人労働者と団結して闘おう。学生・青年・女性を先頭に、3・8国際婦人デー闘争を闘おう。2~3月の激闘の中で、党建設の前進をかちとろう。

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