戦争を阻止する労働運動を 解雇撤回・ダイ改阻止ストへ 2・13集会 11月へ3労組がアピール発出

週刊『前進』04頁(3232号01面01)(2022/02/21)


戦争を阻止する労働運動を
 解雇撤回・ダイ改阻止ストへ
 2・13集会 11月へ3労組がアピール発出

(写真 関委員長の「すべての闘いを25周年の11月労働者集会へ」との訴えに会場が聞き入る【2月13日 東京都墨田区】)


 国鉄闘争全国運動は2月13日、東京都墨田区の曳舟文化センターで労働者集会を開き、450人が参加した。集会は国鉄1047名解雇撤回闘争に勝利し、JR3月ダイヤ改定と対決する闘争態勢を築いた。この集会で全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組は、25回目となる今年の11月労働者集会を労働運動変革の歴史的転機にするためのアピールを発した。新自由主義を打倒する階級的労働運動を構築し、改憲・戦争を阻止する大決戦が、この集会から始まった。(関連記事2面)

新自由主義は崩壊

 集会は「国鉄分割・民営化で不当解雇から35年 臨調行革攻撃40年」をタイトルに掲げた。1981年の第2次臨時行政調査会の設置と87年の国鉄分割・民営化で、日本での新自由主義攻撃は本格的に始まった。その新自由主義は、社会を破壊しつくした末、自らの生み出した矛盾により大崩壊しつつある。この情勢は戦争を急速に引き寄せている。集会は、これに立ち向かう熱意にあふれた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが開会のあいさつを行い、3労組の運動は「労組なき社会」をめざす攻撃に着実に反撃してきたと総括し、「私たちの運動は社会を労働者の手に取り戻すきっかけをつかんできた。この運動に自信を持とう」と呼びかけた。
 連帯あいさつで改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人の森川文人弁護士が、排外主義的ナショナリズムの激化に危機感を表し、国家権力との非和解的な対決となることを見据えて反戦闘争を貫こうと強調した。
 動労千葉の関道利委員長が基調報告に立った。関委員長は、国鉄分割・民営化は崩壊したと述べ、その危機を突破するためにたくらまれているJR3月ダイヤ改定での「業務融合化」に対し、動労千葉はストライキを構えて反撃すると宣言した。また、「復帰」50年の沖縄闘争と改憲絶対阻止の決戦に立ち、国鉄闘争と関西生コン弾圧粉砕を軸に労働運動を再生させ、それらすべてを25周年を迎える11月労働者集会に集約するというこの1年の大方針を打ち出した。

JR復帰へ正念場

 正念場に入った1047名解雇撤回闘争勝利へ、動労千葉の中村仁副委員長が報告に立った。中村副委員長は解雇と闘ってきた自己史を語り、全労働者の未来のためにも国鉄分割・民営化に決着をつけると熱く語った。
 動労総連合1047協議会の羽廣憲さんと小玉忠憲さんが、「35年前の解雇通告は絶対に忘れることができない」と述べ、JR復帰まで闘いぬくと表明した。
 動労千葉弁護団の葉山岳夫弁護士が解雇撤回裁判の現局面について「結審もありうる状況」と警鐘を鳴らした。中央労働委員会が「30年以上も前の解雇は審理の対象ではない」と言い張る反動の壁を打ち破るために、裁判傍聴と裁判所あての署名の拡大を訴えた。野村修一、石田亮、藤田正人の各弁護士も「動労千葉組合員を解雇するための不採用基準は不当労働行為と最高裁も認めた。その不当労働行為を誰がしたのか。JR設立委員長の斎藤英四郎だ。この事実からJRを逃がすな」と声を強めた。
 関西生コン支部の武谷新吾書記次長のメッセージを関生支援東京の会の吉本伸幸事務局長が読み上げた。武谷さんは、反撃に転じた反弾圧闘争への自信と、それを切り開いた3労組共闘への確信を示した。
 在日ビルマ市民労働組合が、クーデターを強行した国軍による人民虐殺を止めるため決然と闘うと表明、日本政府は国軍支援をやめろと声を強めた。参加者は揺るぎない連帯を誓い熱い拍手で応えた。日本機械工業労組の山口弘宣委員長が、ミャンマー人民との連帯は労働組合の責務であり、その闘いは日本の労働運動も変革すると訴えた。
 25周年を迎える11月労働者集会へ、3労組が発したアピールを動労千葉の渡辺剛史書記長が読み上げた。

業務融合化粉砕へ

 ダイヤ改定阻止へJRの現場からの発言が続いた。動労千葉書記次長で木更津支部所属の佐野正幸さんは「業務融合化」のための木更津統括センター設置に対し、ストを構え絶対反対で闘うと表明した。
 津田沼支部の相馬正利支部長は、CTS(千葉鉄道サービス)津田沼事業所で職場代表選に勝利して以来の闘いを報告、今年は自身が職場代表選に立ち組織拡大へ闘う決意を示した。
 幕張支部所属の北村武執行委員は、CTSの労働者の低賃金への怒りはかつてなく高まっていると述べ、22春闘を本格的に闘って組織拡大に進むと表明した。 動労水戸の照沼靖功さんは、ダイ改で常磐線の昼間の普通電車は土浦止まりになるが、その狙いはワンマン化だと暴露、資本の攻撃を分析し反撃することが労働組合の責務だと訴えた。
 郵政労働者が「郵政民営化は完全に失敗した」と喝破(かっぱ)、3万5千人削減の大合理化に全力で立ち向かうと表明した。医療労働者は、パワハラ解雇を撤回させた闘いで労組への期待が高まる中、多数派に飛躍する挑戦に打って出ると熱意をほとばしらせた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の金元重さんが集会をまとめ、1047名解雇撤回闘争について「現状をきちんと認識すれば、何が課題で署名にどんな意味があるのかを自ら語りたくなるはずだ。そういう運動はできると実感した」と述べ、国鉄闘争の展望を示した。
 同日には北海道札幌市でも国鉄集会が開かれた(記事3面)。

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