特区連賃金闘争の正念場 定年延長を機に3割賃下げ 未来奪う「奴隷契約」拒否を

週刊『前進』04頁(3229号02面03)(2022/01/31)


特区連賃金闘争の正念場
 定年延長を機に3割賃下げ
 未来奪う「奴隷契約」拒否を


 定年延長に乗じた60歳超職員の3割賃下げは、未来を奪う「奴隷契約」だ。絶対に認められない!
 現場の怒りが噴出し、東京・特区連(特別区職員労働組合連合会、4万人)と東京清掃労組(4500人)の賃金闘争が越年し、2・8ストに向かって決起集会が続いている。1月21日、追いつめられた区長会は特区連・東京清掃労組との団体交渉で、なんとか「今年度内をめどに解決を」と言い出した。だが妥協の余地などない。定年を延長して働かせるなら賃金もそのままにすべきだ。

再任用や民間より下がり生活を破壊

 区長会の提案は、2023年度から始まる定年延長(60歳から65歳へ1年おきに1歳ずつ段階的に引き上げる)に乗じて、60歳超の職員の基本給を一気に3割引き下げる大攻撃だ。
 特区連の試算では、現行の定年後再任用の賃金よりも下がる職員が現業職の78%、行政職の23%に及ぶ。同年齢の民間の賃金水準と比べても低すぎる。
 現状は退職金を得て一定の蓄えがある中での再任用だ。それを今後は退職金支給を遅らせた上に、さらに低賃金にするなら生活設計も成り立たなくなる。そこに何の正当性もない。

全世代・全職員の賃金破壊の始まり

 攻撃は一過性=一回限りではない。60歳超3割賃下げの後には全世代・全職員の賃金破壊が続く。「現給保障」「激変緩和措置」は通用しない。だから今、労働組合の力を振り絞って止めることが必要なのだ。
 昨秋、東京都人事委員会は、「(65歳への)定年引き上げ完成後、60歳前後での給与水準が連続的になるように給与制度を設計する必要がある」と勧告した。すでにこれまでの賃金制度改悪で、区職員は50歳で定期昇給が止まる。その賃金を60歳超と「連続的になるように」、まずは3割減らし、さらに全世代に広げることが狙われている。
 同時に、自治体業務の大半が最低賃金の会計年度任用職員や民間の非正規職、「個人請負」とされるシルバー人材センターの高齢者に置き換えられつつある。
 コロナ危機は公立事業の重要性を突きつけた。全世代・全職員への賃金・雇用破壊を許さず、民営化阻止、非正規職撤廃・大幅賃上げへ闘おう。

闘う団結を発揮し22春闘の先頭に!

 自治体労働者の賃金破壊、コロナ危機とデジタル化をも水路とする民営化・総非正規職化は、改憲・戦争と一体の団結破壊だ。労働組合の真価が問われる。逆に全労働者の利害を貫いて闘うことで労働組合の再生もかちとれる。
 22春闘は、新自由主義の大崩壊と〈コロナ×大恐慌×戦争〉情勢下の賃金と「労組なき社会」化をめぐる大攻防となった。中国侵略戦争阻止の反戦政治闘争を全力で闘おう。2・13国鉄集会の成功をかちとり、特区連賃闘を闘いぬこう。
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