1・17国会行動の基調報告(要旨)

週刊『前進』04頁(3228号02面04)(2022/01/24)


1・17国会行動の基調報告(要旨)

(写真 1月17日、国会前でアピール)


 1月17日の国会開会日行動(記事1面)で、改憲・戦争阻止!大行進事務局から提起された基調報告の要旨を紹介します。(編集局)

■本日を闘いの出発点に
 昨年4月の日米共同声明を転換点にして、米日両政府が対中国の侵略戦争を決断し、激しく動き出しています。岸田首相は年頭所感で「憲法改正は本年の大きなテーマだ」と宣言し、6日の日豪首脳会談で共同訓練拡大への円滑化協定に署名。7日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、南西諸島を戦場化する共同作戦計画の策定、日本の敵基地攻撃能力保有、極超音速兵器の共同研究などで合意しました。さらにコロナ・オミクロン株の米軍基地からの感染拡大は、労働者人民の命も生活も破壊する基地・軍隊の本質を突き出しました。基地の即時閉鎖、軍事演習の中止以外に解決策はありません。
 本日を出発点に、改憲・戦争阻止の闘い、最前線基地化と対決する沖縄闘争に立ち上がりましょう。
■切迫する中国侵略戦争
 いま目の前に迫る戦争が、米日による中国侵略戦争であることをはっきりさせなければなりません。
 第一に、起きていることの核心は新自由主義の大崩壊―戦後世界体制の崩壊であり、基軸国・米国の世界支配の破産です。①20年にわたるアフガニスタン侵略戦争とイラク侵略戦争での敗北。②2008年リーマン・ショック以来の大恐慌情勢が、コロナ危機としてその矛盾を全面的に爆発させたこと。③米国内の支配が崩壊し、階級的潮流と極右勢力との激突が進んでいること。こうした危機を最大の動因として、米バイデン政権は中国侵略戦争に突き進んでいるのです。
 第二に、米国自身が台湾問題に関して1970年代以来の方針を転換したことが、情勢を緊迫させています。そもそも米国は「台湾は中国の一部分」「米国政府はこの立場に異論を唱えない」と確認した上で中国と国交を回復しましたが、中国が「大国化」した今、それを一方的にひっくり返して軍事介入=戦争に乗り出そうとしているのです。「日本防衛=台湾防衛」という論理で軍事力強化を進める日本政府も同じです。
 第三に、圧倒的軍事力をもって戦争重圧をかけ、全面的戦争に向けた作戦を構えているのは米日の側だということです。南西諸島に攻撃拠点を置く日米共同作戦計画の策定、第1列島線への中距離核ミサイル大量配備も狙われています。
 いま求められているのは、戦争にしか延命の道を見出せなくなった新自由主義を打倒する立場です。
■改憲阻止・岸田打倒へ
 今通常国会と22年の前半は改憲・戦争をめぐる大決戦です。改憲阻止・岸田政権打倒の怒りの声と闘いを国会にたたきつけましょう!
 「任期中の改憲」を掲げる岸田は、自民党憲法改正実現本部の総会で「党の総力を挙げた取り組み」を訴えました。憲法審査会の毎週開催も与野党から提案されています。「7月参院選での国民投票実施」を叫ぶ日本維新の会や国民民主党が改憲推進勢力として前面に出てきています。
 22年度防衛予算案は過去最大の5兆4005億円。防衛省は21年度補正予算と一体化した「16カ月予算」としており、合計で6兆1744億円と初めて6兆円を超えました。医療・雇用・生活の破壊、格差・貧困の対極での大軍拡を絶対に許さない! 防衛費をすべて医療や生活に回せ!
 さらに岸田政権は敵基地攻撃能力の保有を明言し、2プラス2では極超音速兵器の共同研究に合意しました。「極超音速ミサイルは長射程化が可能で、敵基地攻撃能力への転用も視野に入る」(1月8日付毎日新聞)と報じられています。そして今年中の国家安全保障戦略の改定が狙われています。米国の国家安保戦略などと体系的一体化を図る案も出ています。本格的な戦争国家への転換のための国家安保戦略改定を粉砕しましょう。
 さらに「安保上の懸念」と称して大学・企業などの全面的な監視・統制・弾圧を狙う経済安全保障関連法案を阻止しましょう。
 昨年怒りの声で廃案になった入管法改悪案について、古川禎久法相は「送還忌避・長期収容の問題は、早期に解決すべき喫緊の課題」と述べ、あくまでも成立させる構えです。絶対に許すことはできません。入管法を粉砕し、入管体制を解体しましょう。
■沖縄をめぐる大決戦に
 今年は沖縄をめぐる大決戦です。沖縄は中国侵略戦争の最前線と位置づけられ、訓練の激化で日常が「戦場化」しています。岸田政権は、国家暴力を総動員して辺野古新基地建設を推進し、沖縄の怒りを圧殺して出撃拠点・ミサイル基地化しようとしています。さらに「怒りと闘いの日」としての5・15を解体するための「復帰50年」式典を画策しています。岸田への怒りに燃え、不屈に闘う沖縄県民とともに、5・15を中国侵略戦争阻止、安保粉砕・全基地撤去の大闘争に押し上げましょう。
■労働者の力で戦争阻止
 労働者の団結こそ戦争を止める力です。関生弾圧粉砕の闘い、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利を切り開きましょう。国軍クーデターと闘うミャンマー人民と連帯し、1・29ミャンマー連帯集会に集まりましょう。改憲・戦争阻止!大行進を全国に広げ、国会前・都心を揺るがす中国侵略戦争絶対阻止の巨大な反戦闘争をつくり出しましょう!

このエントリーをはてなブックマークに追加