五輪反対デモおとしめる報道 全学連がNHKに抗議
週刊『前進』04頁(3227号04面04)(2022/01/17)
五輪反対デモおとしめる報道
全学連がNHKに抗議
全学連は1月6日、「NHK東京五輪報道に対する抗議声明」を発表し、五輪反対デモをおとしめることを意図したNHKのデマ報道に断固として抗議しました。
昨年12月26日に放送された「河瀬直美が見つめた東京五輪」なるドキュメンタリー番組(河瀬は国際オリンピック委員会が制作する東京大会公式記録映画の総監督)中の匿名の男性がインタビューを受けるシーンで、番組を制作したNHK大阪放送局は、男性が実際にそうした発言をしていないにもかかわらず「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」などと事実と異なるテロップを付けました。
昨年の7・23五輪開会式粉砕闘争を闘った全学連をはじめ五輪反対運動に取り組んできた団体が、この悪質で意図的なデマ報道に一斉に抗議しました。
これに対してNHKは、1月9日に「事実の確認が不十分だった」などとテロップがうそだったことを認めました。しかし、このようなデマ報道に至る経緯や責任者については何一つ明らかにしていません。
そもそも「デモに日当が出ている」というのは、昔から闘う人々を誹謗(ひぼう)中傷するために用いられる、使い古されたつまらないデマ宣伝です。労働者階級人民の社会変革に向けた自己解放的な情熱などまったく理解できず、「カネの力」で人を意のままに操作できると考える、ブルジョアジーのゆがんだ人間観を反映しているだけです。それは労働者階級人民の闘いに対する恐怖の表れでもあります。
支配階級は中国侵略戦争のための体制づくりを急ピッチで進めていく中で、戦時型のメディア統制を狙っています。公共放送であるNHKが権力のデマ宣伝に加担したのは決定的な事態です。こうしたデマ宣伝を許さず弾劾し撤回させていくこと自体、戦争を阻止する闘いの重要な一環です。マスコミ労働者の「真実を報道させろ!」という怒りと結びつき、中国侵略戦争を阻止する大運動をつくり出しましょう!
(全学連・T)