汚染水海洋放出 絶対阻もう
　福島圧殺をうち破り３・１１へ

　岸田政権は昨年末の12月28日、福島第一原発で発生し続けている放射能汚染水の海洋放出について行動計画を正式決定した。政府と東京電力は来年春にも放出を狙っている。断じて許せない。福島の漁民・労働者民衆とともに、全国で怒りの声をあげ闘いを組織し、絶対に阻止しよう。

２３年春の強行を断じて許さない

　昨年４月13日の政府（菅政権）の海洋放出決定に福島の漁民・労働者民衆の怒りは大爆発した。この日、福島県庁を訪れた梶山弘志・経済産業相（当時）に対して県内全域から駆け付けた80人を超える人たちが「海洋放出絶対反対！」「漁業を守れ！」とシュプレヒコールをたたきつけた。福島と連帯し首相官邸前でも３２０人が「決定弾劾」の緊急抗議行動を行った。また同日、野崎哲・福島県漁連会長は「海洋放出に反対する」と表明し、岸宏・全漁連会長も「容認できない」と声明を発した。
　福島では「放出決定」への怒りが日を追うごとに燃え広がっている。農協や森林組合、生協など多くの団体が「反対」を表明し、南相馬市・浪江町・郡山市など７割の自治体が「反対」や「慎重な対応」を求める決議をあげている。「放出反対」の署名活動、スタンディング、経産省や東電、県への申し入れなど様々な行動が取り組まれている。政府と東電はこの福島の民衆の必死の思いを踏みにじり、放出に向けた動きを進めているのだ。こんな暴挙は断じて許せない。

「黒い雨」に続き内部被曝告発を

　政府や東電はマスコミを使い「トリチウムは安全」と繰り返しているが、とんでもないうそだ。トリチウムは極めて危険な放射性物質だ。さらに汚染水にはトリチウム以外の放射性物質も多く含まれている。これ以上、海と大地を汚染させることは許されない。
　福島は今も浜通りを中心に高濃度の放射能で汚染され、政府はそこに住民を帰還させ被曝させている。一方で、県の発表だけでも約３万５千人がそれを拒否して現在も避難を続けている。甲状腺がんないしその疑いの患者は、「県民健康調査」検討委員会が昨年10月15日に発表しただけでも２６６人となり、検討委の調査外で判明した患者も加えると、少なくとも２９０人に上る。甲状腺がんを発症した青年が被曝隠しの検査縮小に抗議の声を上げている。「黒い雨」訴訟の勝利に続いて、内部被曝を徹底的に告発していく時だ。

福島の怒りと共に全国で闘おう

　福島では「もう我慢できない」と積もり積もった怒りが噴出しつつある。原発の再稼働や改憲と中国侵略戦争の切迫への危機感とも重なり、巨大な怒りの炎が燃え上がることは必至だ。
　海洋放出は福島の怒りにおびえ、その圧殺を狙う攻撃だ。日帝が、沖縄で辺野古の埋め立てが絶望的であるにもかかわらず、労働者民衆の基地と戦争への怒りを潰し、沖縄を永久核基地化するためにあくまで埋め立ての強行を狙うのと同じだ。しかし、沖縄と同じく福島の怒りを抑えることはできない。憤激と闘いはさらに大きくなっていく。
　福島の人々と心をひとつにし、直ちに全国で汚染水放出阻止の闘いを巻き起こそう。今年の３・11を「海洋放出絶対阻止！」の怒りの日にしよう。福島の漁民・労働者民衆と固く団結し、労働組合を先頭に全力で闘いぬこう。