米日帝の中国侵略戦争阻止 階級的労働運動の飛躍かちとり新自由主義の大崩壊を革命へ! 改憲阻止・岸田打倒、5・15沖縄闘争へ

週刊『前進』08頁(3225号05面01)(2022/01/01)


米日帝の中国侵略戦争阻止
 階級的労働運動の飛躍かちとり新自由主義の大崩壊を革命へ!
 改憲阻止・岸田打倒、5・15沖縄闘争へ

(写真 11・7労働者集会の熱気をみなぎらせ、全学連と改憲・戦争阻止!大行進が肩を並べて銀座デモ)


 新型コロナウイルスの発生から2年をへて〈コロナ×大恐慌〉情勢はますます激化し、今や新自由主義が大崩壊を開始した。第2次世界大戦後に成立した帝国主義とスターリン主義の世界体制は最後的崩壊に至り、その全矛盾を米日帝国主義による中国侵略戦争―核戦争・世界戦争という形で爆発させようとしている。だが同時にこの情勢は、新自由主義を打倒し資本主義そのものを終わらせる、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への労働者階級の根源的決起を生み出さずにはおかない。米日帝の中国侵略戦争を絶対に阻止し、命脈の尽き果てた資本主義の支配から全人間を解放するプロレタリア世界革命への道を切り開こう。革共同は2022年の冒頭にあたり、この歴史的決戦に踏み出すことを決意する。

―Ⅰ―国鉄・関生決戦軸に全産別でかちとった11・7集会の地平

 革共同は2021年、新自由主義の大崩壊を革命に転化するため、党と労働運動の変革をかけて闘いぬいた。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組などが呼びかけた11・7全国労働者総決起集会に、コロナ禍のもとで前年を上回る2150人が結集したことは、国鉄・関生決戦を軸に全国のあらゆる産別・職場で階級的労働運動の実践に挑戦し、奮闘しぬいた成果だ。22年決戦を迎えるにあたり、まずもってこの地平をしっかりと確認したい。

新自由主義は倒せる

 11・7集会への過程は、危機にかられた日帝の労働組合つぶしの攻撃と全面的に対決し、資本・権力との非和解的な闘いの中から階級的労働運動をよみがえらせるために徹底的に意識的に闘いぬかれた。
 全国で関生支部弾圧粉砕の大衆的反撃が組織された。7月の国鉄闘争全国集会では、医療など全国の職場から「新自由主義は打倒できる」という闘いの熱と実感が共有された。この階級的労働運動と青年・学生の怒りが一つになって、7月23日の東京五輪開会式粉砕渋谷デモと国立競技場に迫る全学連の実力闘争がかちとられた。
 10月総選挙では、立憲民主党や日本共産党を軸とする「野党共闘」が、岸田・自民党の改憲・戦争・大軍拡と新自由主義攻撃に対して何ら対決できず、青年世代をはじめとした労働者階級人民から決定的に見放されて惨敗した。こうした中で、11・7集会を呼びかけた3労組は「労働組合の団結こそ戦争を止め、社会を変える力だ」と訴え、これに応えて全国の職場・地域・街頭、さらにはSNSなどを通じて11・7集会への組織戦が白熱的に取り組まれた。この結集運動自身が新自由主義の分断をうち破り、階級的団結を取り戻していく闘いとなった。
 24年にわたり11月労働者集会を開催してきた3労組共闘は、日本における新自由主義の出発点となった国鉄分割・民営化攻撃と非妥協的に闘い抜いてきた唯一の勢力である。だからこそ、新自由主義と必死に闘う人々が戦列に加わり、コロナ禍でさらに国際連帯が広がっているのである。労働者階級の未来をかけた大党派闘争として、11・7集会がかちと●第1節 労組破壊に反撃開始
 11・7集会に向かう過程を先頭で切り開いたのは、国鉄闘争と関生弾圧粉砕の闘いだった。
 国鉄1047名解雇撤回闘争では、JR東日本の訴訟参加を東京地裁に決定させ、JR設立委員会による不当労働行為という核心問題をついに争点に押し上げた。JR職場をめぐっては、運転士などの職名を廃止し、駅や運輸区などの職場の区別も廃止して「融合化」するという大合理化が始まる中、動労千葉は9月の定期大会で新執行部体制を確立し、職場に団結と反撃を組織し、組合の組織拡大をかちとっている。
 関生支部に対する延べ89人の逮捕、71人の起訴という戦後最大の労働組合弾圧は、まったく正当な組合活動を「犯罪」とみなす戦時下弾圧そのものであり、労働基本権を破壊する改憲攻撃だ。だが3労組共闘と全国労組交流センターを軸に、階級的労働運動を闘う全党、全人民が反撃に立ったことで、今や力関係は確実に逆転しつつある。関生支部と関西労組交流センターとの共同闘争で、労働現場に労働組合をよみがえらせる闘いが拡大している。
 新自由主義の大崩壊は、連合支配の崩壊をももたらしている。連合の主軸だったトヨタ労組がベアゼロや定期昇給放棄を提案し、衆院選では自民党にすり寄るために組織内候補を取り下げた。連合はすでに急速に求心力を失い、危機と崩壊に直面している。資本家階級と労働者階級の非和解性を明確にし、資本家階級の支配の打倒をめざして闘う階級的労働運動が真価を発揮する時だ。

医療労働者が先頭に

 すでにこの闘いは着実に前進している。昨年、菅前政権の「自宅療養」と称する棄民政策でピーク時には13万人ものコロナ患者が入院もできず放置される中で、医療・福祉労働者は怒りの先頭に立ち職場・地域で闘いぬいた。東京では2月から都立・公社病院の独立行政法人化反対の集会とデモを組織した。5・1メーデー、10・23都立病院つぶすな集会から都議会での定款採択反対を訴えて闘う中で、医療破壊と闘う新たな運動も組織された。
 自治体では保健所の極限的な現実への怒りの反撃など、コロナ下で強行される民営化・外注化と対決し、会計年度任用職員制度粉砕・非正規職撤廃の闘いを全国で組織している。郵政での3万5千人削減、土曜休配・翌日配達体制廃止などの大合理化は郵政民営化の大破綻だ。スキル評価制度への非正規職労働者の反撃など、現場の怒りが全国で広がっている。教育労働者はオンライン教育や東京五輪・パラリンピック学校観戦動員など、コロナ下での改憲・戦争攻撃をはね返し勝利してきた。緊急事態宣言下でのタクシー労働者の生きぬくためのストライキ、労働組合つぶしと賃下げをストライキで粉砕した民間労組、合同・一般労組全国協の解雇撤回の闘いなど、全国の職場で闘いが大きく前進した。

実力で菅政権を打倒

 昨年4月の日米首脳会談をへて採択された共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性」に言及し、「日本は自らの防衛力を強化することを決意した」と明記したことで、米日帝の中国侵略戦争への動きは一線を越えて激化した。これに対し、5月沖縄闘争、8月広島・長崎反戦反核闘争をはじめ全国で中国侵略戦争阻止の反戦闘争が闘いぬかれた。改憲国民投票法、重要土地調査規制法、デジタル独裁法などの戦争立法に対し、連日の国会闘争が闘われた。名古屋入管によるスリランカ人女性ウィシュマさんの虐殺に抗議する多くの人々が国会前に駆けつけ、改悪入管法の成立を阻止した。7・23東京五輪開会式粉砕闘争も、改憲・戦争攻撃との闘いとして貫徹された。
 こうした闘いの高揚とコロナ下での沸き起こる怒りの声で、菅政権は打倒された。だが日帝は、9月自民党総裁選―10月総選挙の過程で反動的巻き返しを狙い、これと並行して「台湾有事」を想定した自衛隊の史上空前の大軍事演習を行い、日米共同演習を激化させた。「野党共闘」がこれにまったく立ち向かえない中で、改憲・戦争阻止!大行進を中心に全国各地で反戦反基地闘争が取り組まれた。赤嶺知晃委員長体制を確立した全学連はその先頭に立ち、11・7労働者集会と一体で11・10―11沖縄闘争、12・7防衛省デモ・抗議行動を牽引(けんいん)した。
 さらに、11・7集会での在日ミャンマー人民の呼びかけに応え、日本ミャンマー協会と首相官邸への12・1抗議行動が闘われた。内部被曝を暴いた広島の「黒い雨」訴訟は福島の怒りとつながり、福島第一原発の汚染水海洋投棄を狙う日帝を追いつめている。三里塚芝山連合空港反対同盟は、10・3全国集会で市東孝雄さんの農地強奪絶対阻止を宣言し、動労千葉と共に中国侵略戦争阻止の先頭で闘っている。
 部落解放闘争、女性解放闘争、障害者解放闘争など、改憲・戦争攻撃下で激化する差別・分断攻撃を労働組合の団結ではね返す闘いが本格的前進を開始した。「沖縄返還協定批准阻止闘争から50年、星野さん大坂さん奥深山さんと団結し、改憲・戦争と闘う11・28全国集会」では、︿中国侵略戦争阻止、沖縄米軍基地撤去=安保粉砕・日帝打倒﹀の大闘争をつくりだすために、星野闘争がその先頭に立つこと、獄中同志の即時奪還へ闘うことが宣言された。

党の再団結と飛躍へ

 革共同は昨年2月に開催した第27回全国委員会総会で、26全総から1年半の前進を総括し、階級的労働運動路線での全党の再団結と強固な一致をかちとった。党の団結と意識性、地区党建設の前進が21年決戦のあらゆる闘いの土台となった。
 だがその一方で、新自由主義の大崩壊と日米帝の中国侵略戦争への踏み出しという情勢への恐怖とたじろぎから、階級的労働運動路線を否定し、レーニン主義的組織原則を破壊する傾向が党内に発生した。これに対し、革共同はコロナ下の階級闘争を党の変革と飛躍をかけて闘う中で、全国単一党として時代認識と階級的労働運動路線での一致を求める党内闘争を非妥協的に推し進めた。今日の〈コロナ×大恐慌〉情勢の激化と米日帝の中国侵略戦争―世界戦争の切迫に対し、何よりも革共同自身の変革と飛躍が求められている。
 革共同は、獄中の大坂正明同志、須賀武敏同志が体現している完全黙秘・非転向を貫き、非合法・非公然の党建設で政治警察との闘いに原則的に勝利してきた。その上に改憲・戦争を阻止する労働者階級の実力闘争が闘われ、新自由主義打倒に燃える青年・学生が続々と合流を開始した。その中から、革命の未来を担うマルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟中核派の若き指導部が次々と生み出されている。この地平こそ、22年決戦勝利の一切の土台をなすものである。

―Ⅱ―反帝反スタ世界革命の勝利へ国際連帯を発展させ闘う時代

⑴戦後世界体制を最終的に解体した新自由主義大崩壊

 新自由主義の大崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊が引き起こす危機と矛盾が、米帝(米日帝)の中国侵略戦争として爆発していく過程が始まっている。それはまさに世界戦争であり、核戦争となる。「まさかそんな戦争は起きないだろう」などという感覚を持ったり、帝国主義ブルジョアジーやスターリン主義者らの「理性」に期待したりするならば、その瞬間にわれわれは決定的敗北を喫し、取り返しのつかない人類的破滅への道に転落する。労働者が生きられなくなろうと、人類生存の土台をなす自然環境が崩壊しようと、放射能で地球が覆われようとも、意に介さず新自由主義を続けてきた帝国主義支配階級だからこそ、平然と核兵器をも使うのである。現に「使える核」と称して小型核兵器の開発や中距離ミサイル配備計画などを進めているのが米帝であり、これに続く日帝などの全帝国主義なのだ。
 帝国主義体制は新自由主義的延命も破産して〈コロナ×大恐慌〉をもたらし、新自由主義の大崩壊まで行き着いた。それが意味するのは「最後の階級社会」としての資本主義の終わりということであり、原始共産制的社会の解体以来、数千年続いてきた私有財産制の終わりということである。この〈新自由主義の大崩壊〉ということのもつ深刻な世界史的・人類史的意味と、そこから不可避となる米日帝の中国侵略戦争の切迫について、党と労働者階級はいかなる幻想も抱かずにこれを見すえなければならない。そしてこの戦争を反帝・反スターリン主義世界革命に転じていく戦略のもとに、2022年決戦を準備しなければならない。

新自由主義とは何か

 1929年大恐慌と30年代階級闘争の敗北から未曽有の虐殺・破壊と核戦争にまで行き着いた第2次世界大戦をへて、帝国主義は(スターリン主義による戦後革命の圧殺という裏切りに助けられて)米帝基軸体制として延命した。だがこの戦後帝国主義は、米帝のベトナム侵略戦争の敗北と74〜75年世界恐慌の爆発を指標とする戦後発展の終焉(しゅうえん)によって、決定的な危機に直面した。そこから米帝を始めとした帝国主義は、新自由主義という絶望的な延命策へとかじを切った。すなわち国家の全体重をかけて労働運動・労働組合を弾圧・解体し変質させることを通じて、資本の価値増殖を阻害する一切の要因を社会から一掃し、資本による無制限の搾取と収奪を実現しようとしたのである。
 新自由主義は、①〈導入期〉=米レーガン政権、英サッチャー政権、日本の中曽根政権に代表される80年代の民営化・規制撤廃と労組破壊の大攻撃、②〈展開期〉=89~91年ソ連・東欧スターリン主義の崩壊によって加速した90年代〜2000年代の全世界的な民営化・外注化・総非正規職化と中国を「世界の工場」としたようなグローバリズムの展開、これと一体での米帝のアフガニスタン・イラク侵略戦争と国内治安弾圧体制の強化をへて、③07年パリバ―08年リーマン・ショックによる世界大恐慌の爆発を決定的契機として〈崩壊期〉に突入した。そして20年には〈コロナ×大恐慌〉が爆発し、21年には基軸国・米帝が、トランプ派による連邦議会議事堂占拠のクーデター未遂やアフガニスタンからの惨憺(さんたん)たる敗走に象徴されるボロボロの姿をあらわにして、新自由主義の大崩壊と言うべき局面に突入したのである。
 いまや「新自由主義の終焉」「新自由主義からの転換」などということを、ブルジョア・マスコミや支配階級自身も言わざるをえなくなっている。だが、この新自由主義の大崩壊は、どこかで止まるものではないし、そこから日帝・岸田が言うような「新しい資本主義」なるものが生まれてくることもない。どこまでいっても新自由主義の絶望的展開を続けるしかないし、現にそうなっているのである。
 都立病院廃止攻撃、JRにおける業務融合とさらなる外注化・分社化、郵政での土曜休配と大合理化、自治体の総非正規職化、そして関生支部弾圧に象徴される「労組なき社会」化攻撃の激化をみても、支配階級が新自由主義を続けるしかないことは明らかだ。だがそれは労働者階級人民の世界史的な総反撃を呼び起こさずにはおかない。とくに19年以降、格差と貧困、人種・民族・国籍・性による差別と抑圧、コロナ、気候危機など新自由主義の破綻による極限的な状況に対し、全世界でデモやストの波が巻き起こっている。
 そもそも世界の労働者階級は、新自由主義に対して無抵抗だったわけではない。韓国では民主労総が結成され、日本でも動労千葉を先頭に国鉄分割・民営化反対闘争が闘われ、1047名解雇撤回闘争という労働者の結集軸が生み出された。そして米帝の01年アフガニスタン侵略戦争、03年イラク侵略戦争への突入から新自由主義が「戦争と民営化」という凶暴な正体をむき出しにする中で、日本の動労千葉、韓国の民主労総ソウル地域本部、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)やUTLA(ロサンゼルス統一教組)を中心に国際連帯闘争が大きく発展し始めた。さらに、今日の新自由主義の大崩壊下で始まった労働者階級の決起の中から、スターリン主義をのりこえるマルクス主義の党と階級的労働運動の発展がかちとられようとしている。革共同はその勝利のために全力で闘わなければならない。

⑵資本主義の終わりを示す〈コロナ×大恐慌〉の深刻化

 20年以来の〈コロナ×大恐慌〉はますます激化している。
 20年3月にパンデミックに至った新型コロナウイルスは、何度かの変異を遂げながら今も世界を覆っている。21年12月までに感染者数の累計は約2億7500万人、死者は530万人を超えた。その一方で、パンデミックは一部の新自由主義資本に途方もない利益をもたらした。コロナ対策の超金融緩和や財政出動はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック=現メタ、アマゾン)などの株価をますますつり上げ、ファイザーなど製薬独占資本はワクチン売り上げの急増で莫大(ばくだい)な利潤を手に入れている。
 世界最大の富と最先端医療技術を集積するアメリカが世界最多の感染者・死者を出し続けているということ、同時にアメリカ医療資本が世界最高の利益をあげているということ----この事実からますます明らかになることは、新型コロナウイルスの拡大は単なる「自然現象」ではなく「社会的現象」であり、階級的な矛盾の現れであるということだ。根本的な解決は、新自由主義を打倒して資本主義そのものを終わらせ、労働者階級の権力=プロレタリア独裁権力をもって、資本家の私有財産となっている社会的生産手段を奪い返す以外にないのである。

大恐慌に出口はない

 他方で大恐慌もいよいよ抜き差しならない情勢に入っている。08年リーマン・ショック後をも上回る巨額の財政支出と超金融緩和の継続という恐慌対策が、一方では物価上昇・インフレ危機をもたらし、他方では超バブル化した株式市場がいつ大暴落するかわからない状況を生み出している。とくに深刻なのは米帝経済だ。リーマン後、連邦準備制度理事会(FRB)はゼロ金利政策に加えて、それまで1兆㌦未満だった米国債などの保有資産を4・5兆㌦まで増やす「量的緩和」に踏み切った。だが、これを放置すればバブルとインフレで経済はパンクする。そこで15年からゼロ金利をやめて徐々に金利を上げ、18年から19年にかけてようやく保有資産を減らして緩和マネーの回収を始めたが、そこにコロナ・パンデミックが襲いかかった。FRBは20年4月からまたもやゼロ金利と資産購入の拡大に転じ、それから1年で資産購入額は実に8・5兆㌦にも達した。
 その結果、米経済には強力なインフレ圧力が発生し、21年11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6・8%という39年ぶりの上昇率となった。この「記録的」インフレを放置すれば金利の急上昇と株価暴落は不可避となる。このためFRBは12月15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で急遽(きゅうきょ)、量的緩和終了の前倒しと22年中の政策金利の3回もの引き上げ方針を示したが、急激な金融引き締めはゼロ金利と大量の資金供給で膨張したバブルを一気に崩壊させかねない。
 日帝や欧州帝、さらに中国スターリン主義も同じような状況にあり、しかも世界経済全体が米帝経済と深々とリンクし、相互依存をかつてなく強めている。コロナ下で増幅されたバブルの崩壊がもたらす大恐慌の最後的爆発を止める手立ては、今やほとんど残されていないのだ。

⑶基軸国・米帝の危機こそ世界を戦争に引き込む震源

 今日の資本主義・帝国主義の危機の深さは、第2次世界大戦をもたらした1929年大恐慌―30年代危機をはるかに超える。そして今、①台湾―インド太平洋地域における米日帝と中国スターリン主義の軍事的対決のエスカレーション、②ロシア軍12万人が集結し一触即発的状態が続くロシア・ウクライナ国境危機、③「イラン核合意」崩壊で深刻化する中東危機が、いずれも世界戦争の火種としてくすぶり続けている。
 世界的規模での戦争の危機は「独裁者の邪悪な意図」から生まれるのではない。第2次大戦の客観的原因が29年世界大恐慌とそれがつくりだした世界危機にあることは、ブルジョアジーも含め誰もが認めるところだ。台湾海峡の軍事的緊張も、帝国主義ブルジョアジーやその軍幹部、御用学者、マスコミ、反動的労組幹部などが言うように「中国・習近平の野望」などというものから起きているのではない。〈コロナ×大恐慌〉情勢と新自由主義の大崩壊の進行、そして何よりも、そのもとでの基軸国・米帝自身の体制崩壊的危機の深刻さが背景にあるのである。

米国内は内乱情勢に

 バイデン政権はその発足から1年近くたっても、「内戦前夜」とまで言われる米国内の階級間、地域間、人種間の分断と対立を何一つ解決することはできなかった。国際政治においても、アフガニスタンからの惨めな敗走で求心力の低下をあらわにしている。こうした中で、一方ではトランプ派極右勢力が巻き返しを狙い、他方では労働者階級が全米を揺るがすストライキに決起している。
 〈コロナ×大恐慌〉情勢のさらなる激化は、アメリカを1930年代以上の革命的危機にたたきこもうとしている。しかもこの時に、中国スターリン主義がアメリカの国内総生産(GDP)の7割を超えるほどの経済大国となり、軍事的にも米帝を脅かすような存在として台頭した。米帝支配階級は、基軸国としての地位を失うかもしれないという恐怖に突き動かされている。
 米帝は没落したとはいえ依然として全世界に最強の軍隊を配置し、宇宙空間・サイバー空間も含めて世界規模での戦争ができる唯一の帝国主義である。逆に「世界のリーダー」としてふるまうことができなくなったら、いよいよ国内を統合する力も失い、帝国主義として終わってしまうのである。だからこそ米帝は、日帝や欧州帝、さらにオーストラリアやインドを引き込み、対中国の侵略戦争政策・世界戦略のもとに総動員して中国との経済・軍事をめぐる「競争」にうち勝ち、基軸国としての地位を死守する以外にないのである。日米安保同盟の中国侵略戦争同盟への大再編、日米豪印4カ国(QUAD=クアッド)による中国包囲、米英豪3カ国の新たな軍事協力枠組みとしての「AUKUS(オーカス)」結成といった動きはその表れであり、同時に米帝が徹底的な中国の弱体化政策へと転換したことを示している。「経済安保」という言葉もかつてのクリントン政権の時とは全く違う概念になった。それは、軍事的対決の観点から中国との経済関係を本格的に見直すということなのだ。
 戦争に向けた米軍の増強もすさまじいスケールで進んでいる。21年12月に上下両院で可決・成立した22会計年度国防予算は約7777億㌦(約88兆円)で、対中国の軍事力強化に向けた「太平洋抑止構想(PDI)」基金には前年度の3倍以上となる71億㌦が計上された。米議会は台湾防衛への支持を表明し、国防総省が新疆ウイグル自治区の強制労働で生産された製品を調達することを禁止する項目を盛り込んだ。
 何より台湾問題に関して米帝が1970年代以来の方針を転換したことが、決定的に情勢を緊迫させている。もともと米帝は、72年2月のニクソン訪中時に交わされた米中共同声明(上海コミュニケ)で「台湾は中国の一部分」と認め、「米国政府はこの立場に異論を唱えない」と約束し、この合意に基づいて79年に米中国交回復に至った。だが、今や米帝はこれを事実上一方的に破棄し、台湾問題を中国の国内問題とは認めず、米帝の判断で台湾海峡への軍事介入=戦争に乗り出す姿勢をあらわにしている。日帝もまた米帝の転換に歩調を合わせ、あたかも台湾と台湾海峡が日本の領土・領海であるかのように「台湾有事は日本有事」(安倍)などと主張し、米軍と一体化して集団的自衛権行使による自衛隊投入を画策しているのである。

⑷闘う中国人民と連帯して中国スタ打倒の第二革命へ

 帝国主義の延命をかけた中国侵略戦争の策動に対して、中国、アメリカ、日本をはじめ全世界の労働者階級が国際的反戦闘争に立ち上がることが求められている。そしてこの中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、反帝・反スターリン主義世界革命の立場を貫くことによってのみ真に発展する。その観点から中国スターリン主義の反人民性、反労働者性、反革命性に関して、階級的視点から明確にさせなければならない。
 今や残存スターリン主義国家・中国は、激しい国内危機と矛盾の爆発に直面している。「社会主義市場経済」と称した急激な「資本主義化」のもと、中国では資本主義国以上に過酷な労働者人民に対する搾取・収奪が続いてきたが、国有企業は依然として経済の中心に残し、政治体制としては共産党の官僚的支配がますます強まっている。このようなあり方はおよそ普遍的体制としては成り立たないし、続くこともできない。
 とりわけ08年リーマン・ショック後の中国政府による4兆元の財政投入が過剰設備、国・地方・民間の過剰債務、不動産バブルをもたらし、その矛盾が恒大危機という形で爆発しようとしている。貧富の差、都市と農村との格差が極端化し、腐敗した共産党官僚と結びついた一握りの超富裕層と数億人のプロレタリアート・農民との対立は、いよいよ非和解化している。またウイグルやチベットなどの少数民族に対する収奪と極限的抑圧・弾圧への怒りと反乱も広がっている。中国の「強み」とされてきた「巨大な人口」も急速な少子高齢化を迎え、経済・社会に重圧を加え始めている。
 中国スターリン主義は、この国内矛盾の爆発が労働者、農民および被抑圧民族の反乱となり、第二革命的情勢をもたらすことを何よりも恐れている。どんなに監視・弾圧の網を張りめぐらせても、それだけで支配を維持することはできない。そのため中国共産党は、習近平体制のもとで「毛沢東主義」的思想教育を強化し、「中華民族主義」的愛国主義を扇動し、「建国100年(2049年)」に向けて経済的にも軍事的にも米帝をしのぐ「社会主義現代化強国」となることを国家目標にして、国内を束ねようとしている。
 「台湾統一の実現」はその国家目標の根幹部にある。そのため中国スターリン主義は台湾問題から逃げることができず、ひたすら強気の態度をとることしかできないのである。

49年中国革命の勝利

 中国と世界のプロレタリアート人民は、自らの解放を成し遂げるために、この中国スターリン主義をどのように批判し、のりこえ、打倒していくべきなのか。
 まずもって、中国革命の出発点が1917年ロシア革命にあることを確認しておくことが重要である。レーニン・ボルシェビキは即時・無条件の民族自決を掲げ、帝国主義の植民地支配下にあった被抑圧民族人民の世界革命への合流を呼びかけた。このロシア革命の巨大なインパクトが、全世界で被抑圧民族人民の決起を呼び覚ました。そしてロシア革命から4年後、共産主義インターナショナル(コミンテルン)結成から2年後の21年に中国共産党が、中国都市部の先進的プロレタリアートと知識階級を結集して結成された。
 晩年のレーニンは、中国やインドという地球人口の多数を占める人民の決起が世界革命の勝利にとって決定的であり、革命的プロレタリアートにとってこの被抑圧民族の信頼をかちとることが極めて重要だと確信していた。だが22年以降、レーニンが病で倒れた頃から、スターリンは直接的にはソ連邦形成に関連して大ロシア(大国)主義的排外主義的な態度をあらわにし始めた。レーニンは、このようなスターリンの態度をプロレタリア国際主義に対する最悪の裏切りとみなし、これと徹底的に闘争すべきことを訴えた。それはロシア革命後の内戦期を勝ちぬいた上で、国内建設と世界革命への前進を同時一体的にかちとるために、党と労働者階級・労働組合の関係そして農民との関係をいかに形成していくかというプロレタリア革命にとっての普遍的な課題と結びついていた。
 だが、レーニンの死(24年1月)後、「一国社会主義」を掲げて台頭したスターリン主義は、ソ連邦を民族抑圧の体制に変え、国際的にも民族解放闘争を世界革命の決定的一環として発展させるのではなく、一国社会主義建設のための帝国主義との取引道具にしていった。このことが創成期にあったプロレタリア世界革命の一環としての民族解放闘争に重大なゆがみと困難をもたらした。
 とくに中国では、上海など沿岸都市部を中心に急速に成長していた共産党に対して、スターリン支配下のコミンテルンによる官僚的で無責任な指導が繰り返された。国民党・蒋介石が起こした27年4・12上海クーデターで労働者党員をはじめとする中国共産党員が無残にも大虐殺されたのは、スターリンがその直前まで中国共産党に対して蒋介石の指導に服従することを強要していたからである。さらにコミンテルンがその「失敗」を覆い隠すため南昌、広州などで無謀極まる「極左的」蜂起を強行させたことで、中国共産党はさらに壊滅的大打撃を受けた。
 だが、中国人民の解放への闘いを押しとどめることは何ものにもできなかった。毛沢東ら生き残った党員は農民を組織し、根拠地をつくり、蒋介石・国民党との革命戦争をゲリラ戦的に継続した。そして日帝の侵略戦争に対する抗日戦争、それに続く蒋介石・国民党軍との内戦に勝利し、49年10月に中華人民共和国を樹立した。中国革命はスターリン主義的歪曲(わいきょく)を受けながらも、中国人民の根源的な革命的解放を求める闘争によって、帝国主義とその手先の反革命軍隊とを打ち負かしたのである。
 中国革命は、帝国主義の植民地支配体制の崩壊を決定的なものにした。中国革命に続き朝鮮、ベトナムをはじめとしたアジア全域で、そして世界各地で帝国主義の支配を覆す民族解放・革命戦争が広がった。日本の戦後革命がこれと結合すれば、世界革命への道が切り開かれる現実性は十分にあった。

スターリン主義の破産

 だが、スターリン主義の決定的影響下で形成された毛沢東ら中国共産党指導部は、中国革命を世界革命戦略に位置づけることなく、帝国主義との「平和共存」と中国一国での「社会主義」建設をめざしていくことになる。そして米帝はソ連・中国の封じ込めと全世界の民族解放闘争の制圧のために日米安保体制を構築し、沖縄を日本本土から分離して巨大な軍事基地とし、さらに台湾、韓国、南ベトナムなどを軍事基地国家としていった。朝鮮戦争(50〜53年)と第1次ベトナム戦争(46〜54年)は、アジアにおける民族解放闘争と戦後革命の闘いをいったん暴力的に封殺した。こうしてアジアにおける戦後体制が形成された。
 この戦後体制を突き破って不屈に闘われたベトナム人民の解放闘争に対し、米帝は65年から本格的にベトナム侵略戦争に乗り出し、その泥沼的敗勢によって米帝基軸の戦後体制は根底的動揺に陥ることになる。ドル危機とも一体で進んだこの60年代後半以降の米帝の急速な没落と戦後体制の根底的動揺に対し、救済の手をさしのべたのが中国スターリン主義だった。中国スターリン主義は、その破産的な「一国社会主義」建設を初めは「大躍進政策」と称する農業集団化と農民からの収奪によって強行しようとしたが、農業の荒廃と大量の餓死者をもたらして失敗に終わった。窮地に陥った毛沢東は「文化大革命」という内乱(奪権闘争)をしかけて権力を死守しようとし、中国国内を一層崩壊的状況に追い込んだ。またソ連との間では、それぞれの「一国社会主義」的利害の衝突から戦争寸前の対立関係にあった。ここで中国スターリン主義と米帝は、72年ニクソン訪中を決定的転換点として「対ソ対決」で結託した。
 毛沢東死後、後に「改革・開放」と呼ばれる市場開放政策を78年に開始した鄧小平は、79年1月の訪米で米中国交回復を実現した。だが急速な「市場経済化」のもとで激化した労働者・農民の困窮とインフレは、ソ連・東欧スターリン主義の崩壊情勢とも連動して学生・労働者の「民主化要求」を伴った内乱的決起をもたらした。中国共産党指導部は89年天安門事件でこれを徹底的に弾圧した。そして米欧日の帝国主義資本は中国の安価な労働力と豊富な資源、巨大な市場を求め、競い合って中国に殺到した。その行き着いた先が今日の中国の「大国化」である。
 このように米帝をはじめとした帝国主義は、中国を取り込むことで新自由主義としての延命を続けてきたのだが、その結果、「資本主義とはまったく異質の巨大国家」を出現させてしまった。それは没落・衰退を深める米帝にとって、もはや「平時の」手段によっては制御も支配もできない存在である。こうして米帝は、中国の現体制を転覆し解体する本格的・全面的な侵略戦争に乗り出す以外になくなったのである。
 この中国侵略戦争を絶対に阻止しなければならない。同時に、中国スターリン主義の危機と矛盾の爆発の中で、中国の労働者・農民の決起が第二革命へ発展していくことも不可避だ。台湾、香港、そして中国本土の闘いと固く連帯し、共に反帝・反スターリン主義世界革命へ進もう。

⑸日帝の生き残りをかけた中国侵略戦争参戦を許すな

 この情勢下で日帝・岸田政権は、改憲・戦争攻撃を一気に「加速」させている。米帝の要求に応える形をとりながら、日帝自身の戦争として中国侵略戦争を戦いぬく体制を急速に構築しようとしているのだ。中国との戦争は「台湾有事」では済まず、国家の存亡をかけた全面的な戦争とならざるをえない。それがどんなに破滅的であろうと、日帝は帝国主義としての存立と生き残りをかけ、この戦争に突き進んでいくしかない。21年4月の日米首脳会談における共同声明で、日帝支配階級はそれを決断し、改憲・大軍拡へと加速度的に動き出したのだ。
 12月に臨時国会で可決された21年度補正予算では、「防衛力強化加速パッケージ」などと称して、まだ国会提出もされていない来年度予算を先取りする形で防衛費の大幅増額が図られ、補正予算としては過去最大の7738億円となった。当初予算の歳出額と合わせて、21年度の防衛予算は初めて6兆円を突破した。22年度はさらに国家安全保障戦略(NSS)の改定と一体で、防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(中期防)の前倒し改定が狙われている。とりわけ重大なことは、「敵基地攻撃能力」の保有を前提化した軍事力の全面的な再編・強化へと動き始めていることだ。相手の防空システムの射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」開発の方針として、陸上自衛隊が保有する地対艦ミサイル(射程200㌔メートル)を射程1000㌔メートル超の新型ミサイルに置き換えることが計画されている。さらに「いずも」型護衛艦2隻の空母への改修が進められ、昨秋には「日米相互運用への発展」も想定して米海兵隊の戦闘機F35Bの発着艦訓練が行われた。
 9〜11月の陸自10万人を動員した大規模演習に続く11月の自衛隊統合演習では、陸海空自衛隊3万人に米軍6千人弱が初参加し、水陸機動団による離島上陸作戦や対艦攻撃訓練、米軍演習場での実弾射撃訓練、民間港湾も軍事使用した輸送訓練などが実施された。陸自と海兵隊が対中国作戦での連携を強化する訓練も強行されている。英空母や独仏の軍艦と自衛隊との共同訓練も日本・アジア周辺海域で立て続けに行われ、クアッドのもとで豪州との事実上の軍事同盟化も進んでいる。
 そして何よりも、沖縄本島をはじめとした南西諸島の軍事拠点化、自衛隊ミサイル部隊や電子戦部隊の配備が次々と進められている。地元住民の体を張った抵抗闘争も不屈に続けられている。南西諸島の軍事拠点化を許さない闘いは、米日帝の中国侵略戦争を阻止する最先端の攻防だ。本土―沖縄が一体となった巨大な反戦反基地闘争をつくり出し、改憲・戦争を狙う岸田政権を絶対に打倒しよう。

―Ⅲ―階級的労働運動路線の基軸に反戦政治闘争をすえて闘おう

⑴革命的情勢の成熟を前に党と階級に求められる飛躍

 前章で確認した通り、まさに史上類例のない世界的危機の中から、米日帝の中国侵略戦争―世界戦争(核戦争)情勢が生まれている。同時に全世界の労働者階級人民は、40年以上続いた新自由主義反革命に対する世界史的反撃に立ち上がり始めている。この第1次、第2次大戦の前後をはるかに超える革命的情勢の急速な成熟に本当に対応しうる闘いと組織をつくり出し、革命に向かっての準備を成し遂げていかなければならない。
 「革命的情勢」と「革命が現に始まっている情勢」とは違う。日和見主義者らはいつでもこれを意図的に混同して、労働者階級の党が、革命的情勢を革命そのものに転化するために行うべき革命的宣伝と革命的大衆的行動の組織化の義務を放棄させようとする。「まだ革命情勢ではない」「時期尚早だ」として合法主義・議会主義、社会改良主義の枠内に是が非でも労働者階級を閉じこめようとする。しかし、われわれが革命の党であるならば、新自由主義の大崩壊と中国侵略戦争の危機という情勢を前にして、次のように言い切らなければならない。
 「革命的な情勢が現にあることは、なんの疑いもありえない。ブルジョアジーとプロレタリアートとの最初の『決』戦が、4年後か、それとも2年後か、それとも10年およびそれ以上の後におこるかどうか、さらに10年後に『第2』の『決』戦がつづいておこるかどうか、われわれは知ることはできない。だがわれわれは、すでに生まれている動揺とすでにはじまっているデモンストレーションを支持することが、いまわれわれの即刻の直接的な義務であることを、かたく知っており、『確実』にそれを断言する」(レーニン全集第21巻)
 われわれは27全総において、階級的労働運動で反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命への道を切り開くという基本路線を確定したが、今やこの階級的労働運動路線の実践的飛躍が求められている。それは階級的労働運動路線の軸に、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を据えきろうということである。本年1・1アピールで最も核心的に提起したいことはこれである。

⑵労働運動と反戦闘争とは本質的にも現実的にも一体

 中国侵略戦争阻止を正面課題とする反戦闘争は、11・7集会の基調報告で提起された通り、「階級的労働運動の本質的課題」である。
 そもそも階級的労働運動と反戦政治闘争が別個にあるのではない。階級的労働運動とは、資本家階級と労働者階級の非和解性を明確にし、資本家的支配の打倒をめざして闘われる労働運動であって、戦争という労働者階級の生死がかかった最大の政治闘争=権力闘争である反戦闘争は、階級的労働運動の核心的中身そのものである。中野洋同志の著書『新版・甦(よみがえ)る労働組合』の以下の提起は、今こそ強力に再確認されなければならない。
 「労働組合運動とは本来、階級的労働運動であり、否応なしに権力問題を含んでいるわけだ。だから自国政府の侵略戦争はもとより、侵略戦争策動や戦争加担政策などに労働組合はなによりも敏感に対応して、それに対する闘いを展開しなければ、そもそも労働組合運動として成り立たない。そういう方針をはっきりと貫かない限り、戦争に加担する側に労働組合がつかざるをえない。つまり中間の立場はないという意味で、労働運動と反戦闘争は完全に一体のものである」「労働組合の基本的な要求・課題として反戦闘争のスローガンを打ち出すことが必要だ」「労働運動が先頭に立った時に反戦闘争も爆発する。結局、反戦闘争を闘わない限り、必ず政府の戦争政策の先兵に労働者が、あるいは労働組合がなっていかざるを得ない。中間の立場はない」
 中国侵略戦争阻止の反戦闘争を闘わずして階級的労働運動は成り立たない。「国を守るためには、軍拡も安保も基地強化も核抑止力も戦争もやむなし」という支配階級の攻撃に立ち向かえないならば、労働者の階級意識は根本的に解体されてしまう。逆に中国侵略戦争阻止の反戦闘争を闘うことによってこそ、新自由主義を打倒する階級的労働運動を職場からつくりだす闘いは真に発展するのである。
 そもそも新自由主義は、資本の経営危機や国家財政の破綻を叫びながら、「国家・資本が危機なのだから仕方がない」として労働者の解雇、民営化・外注化、地方の切り捨て、医療や社会保障の解体などを進めてきた。「資本・国家あっての労働者」という立場の連合や全労連傘下の組合幹部は、全部これに屈してきた。そして今度は「国を守るためには戦争もやむなし」として改憲と大軍拡を容認し、労働者階級人民を戦争に動員しようとしているのだ。
 中国侵略戦争阻止の反戦闘争の革命的推進は「たんなる」反戦闘争とは違う。それは、新自由主義の大崩壊まで行き着き、さらなる極端な新自由主義攻撃と戦争によって延命しようとする資本主義・帝国主義そのものを打倒する革命の問題を含んでいる。60年安保闘争も、70年安保・沖縄闘争も反戦闘争だったが、その核心には日本帝国主義打倒、反帝・反スターリン主義世界革命がはらまれていた。帝国主義の延命のために何十万、何百万、何千万人もの労働者階級人民が犠牲にされるという、この戦争の問題にこそ、帝国主義国家権力と労働者階級との非和解的対立、倒すか倒されるかの権力問題が最も鋭くあらわれるのだ。中国侵略戦争を阻止すること、日米安保同盟を粉砕し沖縄米軍基地を撤去することは、すなわち日帝打倒であり反帝・反スターリン主義世界革命に直結するのである。
 だが、もちろんこのことは、3全総で米ソ核実験反対闘争の総括に関して確認されたように「何も反帝・反スターリン主義を全労働者に強制するということを意味するものではない」(「3全総政治局報告」、本多延嘉著作選第1巻)。そうではなくて、反帝・反スターリン主義の立場に立つ革命的労働者(労働者党員)が、それぞれの職場の具体的状況と労働者の意識をふまえて、米日帝の中国侵略戦争の階級的本質、それとの資本の利害の結びつき、職場で起きている攻撃との結びつき、この戦争に対する連合幹部や日本共産党スターリン主義の態度の反労働者性について、そして中国はじめ全世界の労働者階級と連帯して闘うべきことなどについて、あらゆる機会をとらえて粘り強く説明し、扇動していく(失敗・成功の経験を重ねながら)ことである。そして職場・地域での学習会や集会・デモへの組織化を通して、労働者階級の革命的積極性を大いに成長させることである。そこから最も先進的な部分を新たな組織者として党に獲得していくことだ。
 こうした闘いと組織化が進み始めた時に、階級的労働運動は大いに前進していく。動労千葉も、ベトナム反戦闘争、70年安保・沖縄闘争、三里塚闘争を千葉県反戦青年委員会の中心で闘った中野洋同志を先頭とした青年部によって、戦闘的・階級的労働組合へと急速に変革され成長していった。また2003年のイラク反戦闘争が、11月集会の国際連帯闘争としての飛躍と共に、青年労働者の新たな決起をつくりだし、新生マル青労同結成の出発点となったことも思い起こそう。
 中野同志は、階級的労働運動にとって時代認識がいかに重要であるかをゴリゴリ強調しているが、この「時代認識」とは要するに「戦争と革命の時代」についての認識である。これをいかにして全労働者のものとし、労働者階級を革命の主体として形成するか。それは何よりも、労働者の最も基礎的な大衆的団結体である労働組合の闘いを通して実現されるべきだ。中野同志はこのことを本当に実践してきたのである。
 もちろんこれは、一朝一夕にできることではない。現場組合員と共に資本と闘いながら、意識的に努力していくことが必要である。中野同志はこれをやりぬいて、動労千葉を反戦政治闘争を闘える組合として、さらには国際連帯で闘う組合として形成した。その根底には、労働者の本質的な革命性に対する徹底的なマルクス主義的信頼があった。そして時代認識で武装し、反戦政治闘争で国家権力と常に闘ってきた動労千葉組合員は、資本・国家権力の攻撃がどこから来ているのかをつかみ、敵の本質的弱さを見抜き、労働者階級の究極の勝利を確信して、日常の職場闘争から国家権力の総力を挙げた国鉄分割・民営化攻撃との階級的決戦に至るまでの一切の闘いを団結してやりぬくことができたのだ。

⑶戦争翼賛勢力に転落した全勢力との一大党派闘争へ

 米日帝の中国侵略戦争と改憲情勢は、これまでの社会のあり方、資本と労働者階級の関係、国家権力と全人民との関係を一変させ、労働者階級人民の意識を激変させる。「領土を守れ」「自国の安全を守れ」「日本の危機を救え」という排外主義・祖国防衛主義のイデオロギーは今もあふれかえっているが、いよいよ戦争という時にはまったく違うレベルとなる。「戦争が本当に始まろうとする時には、みんな戦争反対で立ち上がるだろう」と多くの人が思っているが、実際にはそうはならない。
 第1次帝国主義戦争勃発のわずか1年9カ月ほど前の1912年11月、第2インターナショナルのバーゼル大会は「すべての国々の社会主義政党と労働組合は、戦争に反対して闘うことについて完全に意見の一致をみた」とし、「この決定的に重要な瞬間に」「声を発し」「あらゆる形で、あらゆる場所で、意志を宣言し」「抗議の声を力一杯議会でとどろかせ」「一致団結して大衆デモ行進を実施せよ」と確認した(「バーゼル宣言」)。だがこの宣言は、実際に戦争が始まった瞬間に空文と化し、最大勢力のドイツ社会民主党を先頭に「祖国防衛」を掲げて戦争協力に走ったのである。
 そして戦後の日本でも、あらゆる野党や労働組合指導部が「本当に戦争になるときには自分たちも闘う」「教え子を戦場に送らない」「戦争協力はしない」「改憲には反対」などと言ってきた。そして今、本当に自国政府が戦争を始めるという情勢が来た。「台湾有事は日本有事だ」などと言って米帝とともに中国との戦争を構え、沖縄をはじめ日本全土で米軍・自衛隊が大演習を繰り広げ、防衛費2倍化という戦後空前の大軍拡が始まり、「敵基地攻撃能力」の保有を首相が公然と国会で表明するところまできた。この情勢を前にして、「戦争絶対反対」を必死に訴え、職場や街頭で闘いを呼びかける政党や労働組合は、11月集会に結集する勢力を除いては皆無に等しい状況だ。
 社民党は分裂して立民に合流し(レーニンが論文「第2インターナショナルの崩壊」で指摘した「社会民主党の国権的自由主義的な労働者党への転化」だ!)、立民との共闘にしがみつく日本共産党は日帝ブルジョアジーの「同盟者」であることを認めてもらおうと、必死になって「革命などめざしていない」と弁明し、自分たちこそが「国益」「領土」を最先頭で守りぬくのだと全力でアピールしている。今や共産党は「中国による領海侵犯・主権侵害に毅然(きぜん)たる態度を示せ」「北京五輪の外交ボイコットを断行せよ」と、中国排外主義の大宣伝を自民党と競い合っている。
 なぜこうなるのか。第2インター指導部も戦後日本の労働運動指導部も、建前はマルクス主義・社会主義だったが、それを本当に実践しようとはしなかった。合法主義・議会主義にどっぷりとつかり、国家権力が許容する範囲内でしか活動しなかった。だから実際に戦争が切迫し、戦争を阻止して国家権力を打倒する内乱が現実の問題になった瞬間に一斉に裏切った。そして帝国主義国家と一体化し、日和見主義から社会排外主義(口先では社会主義、行動では排外主義)に転落したのだ。
 だがわれわれは、3全総から70年闘争にいたる闘い、これに対する破防法弾圧・カクマル反革命との闘い、80年代の国鉄・三里塚決戦および天皇制反革命との闘い、そして91年5月テーゼ以降の国鉄闘争を軸とした階級的労働運動再生への不屈の闘争の全過程を通して、日和見主義的転向を断固として拒否し、マルクス主義の党、反スターリン主義の党、非合法の党としての本質を貫いてきた。この闘いの最深部に、71年11・14渋谷暴動闘争を最先頭で闘い、44年の非転向獄中闘争を貫いた星野文昭同志の闘いがある。そして46年のでっち上げ指名手配攻撃と闘い、今も非転向の獄中闘争を不屈に貫く大坂正明同志の闘い、爆取でっち上げ弾圧と闘う横浜刑務所在監の須賀武敏同志らの闘いがある。このことを断固として確認しよう。
 米日帝国主義の中国侵略戦争絶対阻止の闘いは、すさまじい排外主義・国家主義との闘いであり、社会排外主義として純化する日共スターリン主義をはじめ全党派との大激突となる。60年にわたって日和見主義と闘い、排外主義と闘い、日帝国家権力打倒へ闘いぬいてきた革共同の本領を今こそ発揮して、中国侵略戦争阻止を軸とする階級的労働運動路線の大飛躍を絶対にかちとろう。

―Ⅳ―職場生産点からの総決起で戦争を止め社会を変えよう

⑴沖縄闘争を闘い、改憲と戦争への突進実力で阻もう

 米日帝の中国侵略戦争阻止の反戦闘争を22年決戦の最大の柱として打ち立て、これを全階級・全人民の闘いにしなければならない。
 第一に、1972年のペテン的返還から50年を迎える5・15沖縄闘争を、〈米日帝の中国侵略戦争阻止、沖縄米軍基地撤去=安保粉砕・日帝打倒〉の大闘争としてかちとろう。
 中国侵略戦争に向けた米海兵隊の新たな作戦構想「遠征前方基地作戦(EABO)」に基づき、南西諸島の戦場化を前提とした米軍・自衛隊の訓練が激増する中、住民の怒りの声はますます拡大し、辺野古、宮古島、八重岳など各地で体を張った抵抗闘争が闘われている。岸田政権が辺野古の工事をあくまで強行するのは、何よりもこの沖縄の闘いを圧殺して中国侵略戦争の最前線基地化を一気に進めるためである。「工事を進めて移設を既成事実化し、沖縄の(反基地の)『戦意』をくじく」(元防衛省幹部)ことに最大の狙いがあるのだ。
 同時に岸田は3月末で期限を迎える沖縄振興策と「安全保障」をリンクさせ、基地の永久的受け入れを迫ろうとしている。それに対して県は、「国への貢献」を強く押し出す形での対応しかできない。5月の復帰50年式典を県と政府の共催とし、首相を呼ぶ方向で調整、沖縄と東京での同時開催も提案した。いま「オール沖縄」は、保守系グループが離脱する中、衆院選では辺野古を争点にすることもできずに惨敗するなど、破産を深めている。日米安保体制を容認した運動の延長では、今日の米日帝の激しい攻撃にもはや立ち向かうことはできない。
 いま必要なのは、米日帝の中国侵略戦争に絶対反対で対決し、基地撤去・安保粉砕を貫き、帝国主義を打倒するまで徹底的・非妥協的に闘いぬくことであり、その立場から本土―沖縄が一体となった巨大な反戦反基地闘争をつくりだすことである。何よりも本土の労働者階級人民が沖縄の現実に怒りを燃やし、猛然と決起することが求められている。「復帰」50年5・15闘争に向け、沖縄現地闘争と全国各地での取り組みを一層強化しよう。学生・青年を先頭に新基地建設阻止の実力闘争を闘おう。宮古島や石垣島での闘いと連帯し、南西諸島ミサイル基地化粉砕へ闘おう。中国侵略戦争情勢は、基地労働者を揺り動かす。今こそ基地労働者の新たな決起をつくりだそう。

「改憲実現」叫ぶ岸田

 第二に、中国侵略戦争に向けた改憲・大軍拡と対決し、改憲阻止・岸田打倒の国会闘争―中央政治闘争の爆発を切り開こう。
 昨年12月21日、自民党の「憲法改正推進本部」を改組した「実現本部」の会合が開かれ、都道府県連ごとに「実現本部」を設置するなどの方針が決定された。ここに岸田が出席し「党の総力を結集し、改憲の実現を」と号令をかけた。「推進本部」時代も含め、党の改憲運動本部に現職首相が出席するのは異例だ。
 改憲とは、9条破壊を核心とした戦争国家への大転換と戦後的統治形態のクーデター的転覆にほかならない。それは核心的には、労働組合を解体して戦後的な階級的力関係を転覆することなくしては成り立たない。だからこそ岸田は、野党の屈服を水路に改憲発議に向けた政治プロセスを進めつつ、「労組なき社会」化攻撃と一体で改憲推進の「国民運動」を組織しようとしているのだ。
 こうした中、連合の芳野友子会長は改憲推進勢力としての国民民主党と立民の合流をさかんに要求し、立民もまた泉健太代表の「提案」型政治なるもので改憲論議への積極的参加を画策している。そして日本共産党は立民にしがみつき、反中国の排外主義キャンペーンを繰り広げながら、あたかも「野党共闘」の推進が改憲を止めるための唯一の選択肢であるかのように触れ回っている。
 労働組合の改憲勢力化をもくろむ連合路線と対決し、「野党共闘」の欺瞞(ぎまん)を暴き、改憲・戦争阻止!大行進運動を先頭に全国各地で闘いを組織しよう。1月の通常国会開会、3〜4月の改憲・沖縄を焦点とした攻防、5〜6月国会終盤から7月参院選の過程が、改憲=戦争をめぐる大激突となる。「安保上の懸念」を理由に企業や大学などあらゆる機関を監視・弾圧・統制する「経済安全保障関連法案」も、今通常国会の一大焦点となる。今こそ国会や都心を揺るがす巨大な闘争を実現しよう。戦後史を画する改憲阻止決戦の巨大な爆発を切り開こう。

INFの配備阻止を

 第三に、中距離核ミサイル(INF)配備阻止の全国的大運動をつくりだそう。
 米軍は今、射程2775㌔以上・極超音速の新型中距離ミサイルを日本列島に大量配備することで、米本土が直接反撃を受けることなく、中国に対して一方的な先制核攻撃を加えることが可能な態勢を構築しようとしている。それは「日本を防衛するための抑止力」などでは断じてなく、むしろ日本を含む東アジアを核戦争の戦場にするものだ。1980年代初頭に欧州の米軍基地への中距離ミサイル配備が計画された際には、全世界で数十万〜百万人規模の巨大な反核運動が爆発した。今日、核戦争の危機は当時の比ではないほど高まっている。今こそ反戦反核闘争の空前の大高揚をかちとろう。8・6ヒロシマ大行動実行委員会が呼びかけるINF配備反対署名運動に全国で取り組もう。
 さらに激化する軍事演習、基地機能強化を許さず、全国各地で反戦反基地闘争を展開しよう。とりわけ自衛隊の侵略軍隊化の中で「軍服を着た労働者」である自衛隊員の苦悩と怒りは渦巻いている。反軍闘争を闘い、階級的労働運動の力で自衛隊員を労働者階級の隊列に獲得しよう。
 第四に、国際連帯闘争の発展をかちとることである。何よりもミャンマー人民との連帯闘争に全力で取り組もう。日本ミャンマー協会をはじめ日帝資本は国軍と結びつき、今も政府開発援助(ODA)を続けている。ミャンマー人民との連帯は、日本の労働者階級自身が侵略国家としての日帝を弾劾し打倒する闘いだ。11・7集会でアピールした在日ビルマ市民労組をはじめとした仲間と共に、2・1クーデター1周年の闘争をかちとろう。ゼネストで闘う韓国・民主労総と連帯して闘おう。

⑵国鉄・関生決戦に勝利し労組交流センターの強化へ

 22年決戦の今一つの柱は、国鉄・関生決戦を軸に全職場で階級的労働運動の大発展をかちとることだ。
 1047名解雇撤回闘争は歴史的な局面を迎えている。動労千葉・動労総連合の34年に及ぶ闘いは、国鉄分割・民営化に反対する組合員をJR不採用とする基準を策定した不当労働行為が、当時のJR設立委員長の指示によって行われたものであることを初めて裁判の争点とさせた。この真実が確定されれば、「JRに法的責任なし」とした国鉄分割・民営化攻撃の根本が覆る。国鉄闘争は間違いなく「勝利まであと一歩」にある。解雇撤回・JR復帰と団交開催を求める署名を全力で集めよう。その力で、「不当解雇から35年、臨調・行革攻撃から40年」を迎え撃つ2・13国鉄集会を大成功させよう。
 同時に、3月ダイヤ改悪との闘いに全力を挙げよう。JR東日本のダイ改は「業務融合化」、山手線も含めたワンマン運転の拡大や大幅な減便、ローカル線の切り捨てなど、鉄道の歴史を画する大合理化攻撃になろうとしている。その背景にあるのが20年に及ぶ外注化の破綻と崩壊だ。JR全社・全系統で鉄道業務の維持に必要な労働者を確保できなくなり、技術継承や安全が根本から崩壊しようとしている。動労千葉・動労総連合は、外注化との闘いを新自由主義打倒の核心課題に位置づけ、3月ダイ改粉砕―22春闘をストライキを含む闘争体制を確立して闘うことを決定した。3月ダイ改粉砕を全労働者の課題として闘い抜こう。
 新自由主義の大崩壊は改憲・戦争情勢を加速させ、労働運動は歴史的な大再編過程に突入した。その最大の焦点が関生弾圧粉砕の闘いだ。昨年10月の大会で新執行部を確立した関生支部は、この間、現場からの組織拡大や高裁での逆転無罪判決をかちとるなど、「戦後最大の労働組合弾圧」を日々打ち破って進んでいる。全国で組織された関生支援の闘いは、連合や全労連というナショナルセンターの枠を超え、労働運動の再生を願う多くの労働者の結集軸となって広がっている。中でも関西労組交流センターと関生支部の共同行動は、生コン職場をはじめ医療や教育、JR、自治体などあらゆる職場に階級的労働運動をよみがえらせる大きな展望を切り開いた。
 こうした中で、全国労組交流センターの闘いがますます決定的になっている。連合の総改憲勢力化を許さず、闘う労働組合の全国ネットワークを発展させよう。関生支部、港合同、動労千葉の3労組と団結し、労組交流センター運動の発展を全党の取り組みとして強化しよう。

闘う組合甦らせよう

 階級的労働運動をつくり出すカギは、動労千葉が確立した反合理化・運転保安闘争路線にある。
 動労千葉の布施宇一顧問は、「動労千葉の組合員が反合・運転保安闘争で示す怒り、資本主義社会の持つ不条理みたいなものに対する怒りは、労働者はみんな持っていると思うんです。平常な時は沈静化しているけれど、地下のマグマみたいにいつも労働者の気持ちの底にある。問題は、それを正しく自覚させ、解放し、労働者の闘いとして組織化していく路線の確立と実践です」(労働者学習センターブックレット『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』)と述べている。必要なのは、職場で起きている事態を徹底して新自由主義の大崩壊(民営化・外注化の破綻)という視点で捉え、誰もが本当は感じている気持ちや怒りに形を与えることであり、「どうやって階級的団結を強化するか」という観点から一切の闘いを組織することだ。
 都立・公社病院の独立行政法人化との闘いは、都立病院条例廃止を粉砕する大決戦に入った。コロナと最前線で闘ってきた1万人にのぼる医療労働者の全員解雇と公務員身分の剝奪(はくだつ)、労働組合の解体を許さず、全労働者の課題として闘おう。郵政は深夜勤制度の廃止が喫緊の攻防だ。翌日配達体制の廃止を皮切りとした3・5万人大合理化との闘いは、郵政民営化を覆し、労働組合をよみがえらせる決定的な闘いとなる。また自治体、学校の現場からの闘いは改憲・戦争阻止の最前線だ。コロナ禍のもと、保育所や保健所、学校現場の非正規職公務員の闘いが前進している。会計年度任用職員制度との闘いを民営化反対の闘いと一体で取り組もう。さらにGIGAスクール構想をはじめコロナを口実とした公教育の解体・民営化が、再びの戦争教育と一体で進められようとする中で、限界をこえた矛盾と労働強化に対する教育労働者の怒りが噴き出している。合同・一般労組でも、職場から集団で労働組合に加入して闘うケースが増えている。
 団結を奪われてきた非正規労働者が、社会変革の主体として登場し始めた。労働組合をよみがえらせる一点に労働者の未来がかかっている。新自由主義を打倒する階級的労働運動を全職場に組織しよう。

⑶3・11福島への大結集を

 原発事故から11年、今年の3・11は、福島第一原発の放射能汚染水海洋放出をめぐって日帝・岸田政権と非和解の激突となる。岸田はこれを「先送りできない課題」とし、23年春の強行をもくろんでいる。また自民党は昨年の衆院選の政権公約で、原発再稼働に加え小型原発の建設や核融合炉の研究・開発まで掲げた。だが福島の闘いの圧殺なしに日帝の核政策・核武装化は貫徹できない。
 福島の怒りは今も燃え続けている。3・11の闘いは、被曝と帰還の強制、常磐線全線開通、「復興五輪」開催など日帝国家権力の総力を挙げた福島圧殺攻撃を10年にわたって実力で打ち破ってきた。この怒りと闘いの中に汚染水海洋放出を阻止する力がある。広島の「黒い雨」裁判では昨年、内部被曝と健康被害の関係を認めさせた。ヒロシマ・ナガサキとフクシマを結ぶ反核・反原発の闘いをさらに強化しよう。さらに、ふくしま共同診療所が汚染水海洋放出絶対反対の闘いの先頭に立っている。全国のさらなる支援で診療所を守り、発展させよう。動労水戸、動労福島を先頭とした常磐線全線開通反対、被曝労働拒否の闘いは、ますます重要になっている。
 汚染水海洋放出反対の闘いは全国の闘いであり国際連帯をかけた闘いだ。NAZENを軸に、全国から汚染水海洋放出絶対反対・再稼働阻止の闘いを巻き起こし、全国・全世界の怒りと闘いを結集させよう。

⑷全ての決戦課題を一つに結び岸田政権を打ち倒そう

決戦に入った三里塚

 三里塚闘争も重大な決戦を迎えている。最高裁は反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判で上告を棄却し、法的には農地強奪の執行がいつでも可能な情勢に入っている。市東さんの農地取り上げの強制執行を絶対に阻止しよう。
 軍事拠点と位置づけられる成田空港を廃港に追い込む闘いは、米日帝の中国侵略戦争が迫る中でいよいよ決定的である。しかも今や国際航空需要は激減し、成田空港の21年度の経常利益は660億円の赤字となることが予想されている。空港機能強化―第3滑走路の建設はもはや「無意味」となった。今こそ軍事空港=成田を廃港に追い込むときだ。

入管法・入管体制粉砕

 名古屋入管でのウィシュマさん虐殺事件は、極悪の入管体制の正体をまざまざと露呈させた。ところが法務省はその真相を押し隠した上、今年の通常国会に入管法改悪案を再提出すると発表した。入管収容所での超長期収容と虐待、医療放棄などを完全に居直り、刑事罰も導入して難民認定申請者・仮放免者の強制送還を狙っているのだ。入管法改悪を絶対に阻止しよう。戦争情勢下で激化する差別・排外主義を打ち破り、在日・滞日外国人労働者と固く団結して入管体制そのものを解体しよう。

差別・分断支配打破へ

 労働者階級への分断攻撃である部落差別と対決し、地区党建設と一体で部落解放闘争を発展させよう。東京高裁による再審請求棄却攻撃を打ち破り、狭山闘争の勝利をかちとろう。全国水平同盟を先頭に、更地化攻撃を粉砕しよう。

女性の決起と結合を

 コロナ下での女性への搾取・抑圧の極限的激化に、職場や大学から怒りの決起が生み出されている。革共同は中央女性解放組織委員会の再建を軸に、新自由主義を打倒して女性を根底的に解放する闘いを組織しよう。3・8国際婦人デー闘争、関西労組交流センターと婦民全国協関西ブロックが呼びかけた「10・24セクハラ・パワハラ解雇をぶっとばせ!集会」など、21年の女性解放闘争が切り開いた地平を前進させよう。
 さらに、障害者解放闘争をはじめとして、あらゆる分断・差別を打ち砕く闘いの大前進を切り開こう。

星野精神引き継いで

 昨年の「沖縄返還協定批准阻止闘争から50年 11・28全国集会」は、70年決戦の階級的正義性を確信し、これを全面的に引き継ぐことを確認した。星野文昭同志や大坂正明同志らの存在を通して、階級闘争における反弾圧闘争・救援運動の決定的な大きさが明確となった。反弾圧闘争は階級的労働運動路線の核心だ。
 星野国賠・再審闘争の勝利へ、星野同志に獄死を強制した国家犯罪、「命を守る責任を放棄した刑務所医療」への怒りを爆発させ、責任を徹底的に追及しよう。獄中44年、革命家としての生を貫いた星野同志の闘いと精神を継承しよう。国家権力の憎しみを一身に引き受けながら不屈に闘う大坂同志を奪還しよう。迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う77歳の須賀武敏同志への拘禁の継続は、憲法が禁じる「拷問及び残虐な刑罰」そのものだ。刑の執行を停止させ即時奪還をかちとろう。

⑸全人民の最先頭で権力と闘う全学連の巨大な隊列を

 赤嶺委員長体制を確立した全学連のもと、中国侵略戦争阻止の安保・沖縄決戦、改憲阻止・岸田打倒の荒々しい学生運動をつくりだそう。
 反戦政治闘争の先頭で闘う学生運動の登場は、階級闘争の決定的転換をもたらす起爆剤となる。それは青年労働者にも波及し、階級的労働運動の大発展へと必ず広がる。日帝の改憲・戦争への動きに鋭く反応し、基地・防衛省・国会などに縦横無尽に闘いを展開しよう。何よりも沖縄闘争の先頭で闘おう。
 それと一体で京都大学処分撤回闘争の前進をかちとろう。警察権力を学内に招き入れ、声を上げる学生を処分する大学当局の姿は、新自由主義大学の極みであり、改憲攻撃としての戦時大学への転換だ。しかし、処分の恫喝を打ち破り闘う学生の存在は、処分すればするほど闘う主体を拡大し、団結を組織する決定的情勢を切り開いた。全国大学に改憲・戦争と闘う拠点を打ち立てよう。

―Ⅴ―レーニン主義党組織原則貫き革命情勢に対応する党建設を

(一)

 最後に、党建設上の当面する重要課題について提起したい。
 一つめは、階級的労働運動路線と地区党建設という問題である。
 そもそも3全総(1962年)路線を原型とし土台とする革共同の階級的労働運動路線とは、労働者階級をプロレタリア革命に向かって本格的に組織し、革命の主体=プロレタリア独裁の担い手として形成していく路線である。それは労働者大衆がいるところ、すなわち職場生産点や労働組合において根気強く活動の場を拡大し、資本とその手先となった反動的指導部、社会民主主義やスターリン主義の支配に対して、われわれの独自の路線をもって大衆的に対決し、独自の闘いを組織し、労働者を革命の側に獲得していくという困難な闘いである(カクマルはこの困難な道を進むことを恐れ、既成の組合の枠内にとどまり、その内部に党のフラクションを「ヌクヌクと」増やしていけばいいと主張して、革共同から逃亡した)。
 中野同志が『新版・甦る労働組合』の中で「党と労働組合はかぎりなく一体であるべきだ」と述べたのはこのような意味においてである。「党と労働組合の一体的建設」という一言で表現したことも、この困難な闘いを実践しようということだった。2010年4・9政治和解後の国鉄1047名闘争の解体的危機と階級的労働運動派の孤立という状況に屈して、「革共同の労働組合」をつくればいいという安易な考えに陥った7回大会路線は、まさにこの「困難」からの逃亡だった。われわれはこのことを26全総、27全総で厳しく総括した。
 そして建設されるべきその党は、3全総でも強く確認されたように「労働組合内部のフラクションの結集体としての党」でも「既成の組合機関を握ってそれを寄せ集めてできあがるというような党」でもない。「まさにプロレタリア独裁を準備していくプロレタリア前衛党の建設という見地にたって、われわれの党建設をすすめていかなければいけない」(「革命的共産主義運動の歴史について」本多著作選第5巻)。そのために〈地区党建設〉という問題が3全総で提起されたのである。すなわち、「それぞれの地区の次元において、はっきりと党の指導者を、労働者自身の党の指導者をつくりあげ、このような指導のもとに、各産別や各単産の代表が結集してきて、そうしてせまい産別的な要求ではなしに、文字どおり党の観点から、プロレタリア独裁を準備する党の観点から、国家権力にたいして政治闘争を革命的にたたかい、政治同盟として、前衛党として組織を強化していく」(同)ということである。
 本多同志は革命党を「共産主義的意識と共産主義的政治を唯一の共同の立脚点とする共産主義者の団結形態」「ただ革命の勝利にのみ未来を見いだす革命家の団結形態」と表現したが、このような党建設の要こそ地区党建設である。産別委員会は、地区党における中央委員会―細胞の不断の一致の形成を土台として、各産別職場における具体的闘争・組織戦術を練り上げ、産別・職場細胞建設を推し進め、地区党建設のさらなる強化・発展をかちとっていく。
 階級的労働運動路線は、職場生産点や労働組合内部において、党が労働者大衆と深く結合し、資本との絶対非和解を貫くマルクス主義の独自の路線をもって闘いを組織し、党と労働組合の「緊密な関係」「相互作用」を通して労働者の革命性、自己解放性をとことん引き出し、その先進部分を職場細胞に組織し、それを土台としてプロレタリア革命=プロレタリア独裁の樹立のために闘う地区党を建設していく路線である。階級的労働運動路線の貫徹と地区党建設はまさしく一つのものである。そしてこのことは、新自由主義の大崩壊のもとでますますそうである。
 さらにこの闘いは、世界革命を裏切り、「労働者階級の解放は労働者階級自身の事業」という労働者階級自己解放の思想と実践としてのマルクス主義を否定してきたスターリン主義を根本からのりこえていく、反スターリン主義の党建設の実践であることを明確にしたい。

(二)

 二つめは、中国侵略戦争情勢においてますます決定的になる党の革命的宣伝・扇動の組織化の問題、非合法組織の問題である。
 レーニンは1922年末、第2インターナショナル崩壊の過程を思い浮かべながら、反戦闘争に関して次のように述べている。
 「戦争の生まれてくる秘密がどんなに大きなものであるか、革命的組織と自称していても、労働者の普通の組織では、実際にさしせまっている戦争に当面しては、どんなに無力なものであるかということ、この実情を......人々に説明しなければならない。......第一に、『祖国擁護』の問題の解明、第二に、それに関連して『敗戦主義』の問題の解明、最後に、戦争反対闘争のただ一つ可能な仕方の解明、すなわち......非合法組織の維持と結成ということ----すべてこうしたことに重きをおかなければならない」
 「おそらく大衆を戦争に引きいれるもっとも主要な手段は、ブルジョア新聞があやつっている詭弁(きべん)であろう。そして、われわれが戦争にたいして無力なことを説明するもっとも主要な事情は、われわれがこれらの詭弁をまえもって検討しないでいること、それにもまして......戦争をゆるさないとか、戦争の罪悪をよく理解しているなどという、やすっぽく高慢で、まったく意味のない空文句でこれらの詭弁をかたづけていることである」(「わがハーグ代表団の任務の問題についての覚え書」、レーニン全集第33巻)
 これはレーニン最晩年の著述の一つだが、実に重みのある提起だ。ここでは改良主義・合法主義の「指導者」らが言う「革命で戦争に『こたえる』」とか「ストライキで戦争に『こたえる』」とかいうことの「見せかけの急進性」を厳しく論破すべきだとも言っている。要するに、レーニンが論文「第2インターナショナルの崩壊」で述べた革命的情勢下における革命党の三つの義務----①革命的情勢が現存することを明らかにし、その広さと深さを説明すること、②プロレタリアートの革命的自覚と革命的決意を呼び覚まし革命的行動に移らせること、③このような方向に向かって活動するために革命的情勢に応ずる組織(非合法組織)をつくりだすこと----を真剣に実践しない日和見主義者らを徹底的に批判したのだ。とりわけ非合法組織の建設を真剣に準備しない限り、迫りくる戦争の前では「労働者の普通の組織」は無力であり、「戦争を許さない」とか「ストライキ・革命で戦争に応えよう」といった言葉も空文句にしかならないのである。
 歴史的に形成され、かちとられてきた階級的力関係において、われわれは「前進」を「合法新聞」として発行し続けている。この有利をとことん生かして、まず少なくとも「数万」規模の労働者、学生、人民大衆と結びつき、影響を与えうる新聞にしていかなければならない。26全総以降、全国委員会・政治局と編集局、出版部との一体性をもって機関紙・誌の変革を進め、さらに印刷局同志の奮闘、地区党―経営局の配布・集金の努力を土台として、機関紙活動は着実に前進してきている。機関紙活動は党と階級・大衆を結合する最も主要な活動である。機関紙を武器にした革命的宣伝・扇動と党への組織化を今こそ推し進めよう。
 党と労働組合をはじめとする無数の合法的大衆組織、労働者人民大衆との緊密な結びつきをつくりだし、それを基礎として、国家権力との死闘に勝ちぬける非合法党(戦争情勢において「本当に」戦争に反対することは内乱であり、非合法となる)を建設しなければならない。

(三)

 三つめは、レーニン主義党組織原則の再確立の問題である。
 われわれは新自由主義の大崩壊と中国侵略戦争情勢を革命に転化すべき巨大な情勢の到来を前にして、26全総以来の党の大変革と実践の前進を土台として、第8回大会で党としてさらに強固な一致と再武装をかちとらなければならない。そのために、日和見主義ともスターリン主義とも決別したレーニン主義的党組織原則の再確立が不可欠である。
 革命的プロレタリアはブルジョアジーとその国家権力に打ち勝つために、強度に密集した戦闘部隊をなして進まねばならないのであり、革命党の組織原則である民主主義的中央集権制を絶えず強めるために闘うことが必要である。これに対し日和見主義者は国家権力との闘いを恐れ、絶えず党を小ブルジョア的、自由主義的、地方分権的、連合党的な組織に変質させようとする。日和見主義者は、資本・国家権力に対するプロレタリアートの不断の闘争において形成される共産主義者の規律を恐れ、プロレタリア的民主主義的中央集権制をブルジョア的形式的民主主義に置き換えようとする。他方、労働者階級の自己解放性を否定するスターリン主義者の党の「規律」は、労働者階級を支配し抑圧するものでしかなく、その「中央集権制」は労働者階級の資本・国家権力に対する闘いを統制し、破壊し、弾圧するものにしかならない。
 われわれは、党とは労働者階級自身の自己解放のための武器であり組織であることを明確にした上で、以下の党組織の基本構成と原則を再確認しなければならない。
 ①党の組織構成上の主要な部分をなすものは中央委員会と細胞(支部)である。中央委員会とは、革共同においては、最高決定機関である全国大会で選出される「全国委員会」のことである。中央委員会は党の活動を全体として総括し、その基本的な方針に基づいて全党を指導することを独自の任務とする。細胞は、党の基礎組織であり、労働者階級の労働の状態、人民大衆の生活の状態に最も密接した形態で、党の一翼として系統的に活動し、労働者階級と人民大衆を党に不断に結びつける役割を果たす。
 ②地方委員会、都道府県委員会、地区委員会や産別委員会、学生組織委員会、さらに入管闘争や部落解放闘争など各戦線の組織委員会は、党中央と基礎組織を結ぶ中間の党指導機関であり、中央委員会の指導のもとに、その所属下の党組織を単一の党の指導系統に集中する。党を種々の傾向の集合体、種々の党組織・党機関の集合体ではなく、あくまでも中央集権的な一個の統一体として建設していかなくてはならない。
 ③党の原則上の問題から闘争戦術や組織戦術の問題まで、われわれは、党内の誤った意見について、それがどんなに小さなことであろうと徹底して討論し、党の統一と団結を絶対的に強めていく方向で解決していかなくてはならない。党内闘争は党の統一と団結を強め、党の活動を活性化していく重大なテコである。

(四)

 四つめは、党建設の闘いの圧倒的重点をさらに青年労働者、学生に置くということである。そのために地区党における青年の組織化、マル青労同建設の指導の強化とともに、学生戦線においては、中央学生組織委員会の指導体制の強化が決定的に求められている。昨年の東京五輪粉砕闘争においても、11・7集会においても、全学連の登場が労働者階級人民を圧倒的に奮い立たせてきたように、中国侵略戦争阻止、安保・沖縄闘争、改憲阻止の反戦政治闘争において、学生戦線の大衆的決起を実現することは、階級闘争全体を大きく揺さぶる力をもっている。
 以上を確認し、米日帝の中国侵略戦争絶対阻止へ、階級的労働運動路線と党の一大飛躍をもって22年決戦に突入しよう。

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