獄中同志の新年アピール

　71年沖縄闘争を故・星野文昭同志と共に闘った大坂正明同志、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う須賀武敏同志の新年アピールです。（編集局）

沖縄と共に戦争阻止を
　東京拘置所在監５年　大坂正明同志

　２０２１年には東拘包囲デモを２回も敢行していただきました。両方とも１５０人にものぼる規模ということで、裁判に向けて大きな励みとなりました。心からの感謝をこめて22年の闘いについて述べます。　早ければこの春にも私の裁判が始まりますが、11月28日の東拘包囲デモと、11・14渋谷闘争50周年全国集会をもって「いよいよか」という新たな決意が湧き起こっています。階級的労働運動の一翼となって、岸田政権の反動的攻撃と対決する裁判として闘い抜きたいと考えています。
　私の裁判は50年前の沖縄返還協定批准阻止闘争をめぐるものですが、検察はただの刑事事件として扱おうとしています。しかし、沖縄の問題がなければこの闘争もなかったのですから、沖縄返還の是非を50年後の今日でも真っ向から問う必要があります。
　50年前の私たちの訴えが正当だったことは、現在の沖縄の状況が証明しています。県民が掲げた基地の島から平和の島への生まれ変わりの願いは打ち砕かれ、今は「離島防衛」「台湾有事」を口実に全島でミサイル基地化、出撃基地化が推し進められ、再び戦争の最前線に立たされようとしているのです。
　１９７２年の沖縄返還後に本土政府と本土資本によって行われた政治・経済攻撃は、まるで植民地に対するかのようでした。本土資本は侵略型経済攻撃で一方的に利益を吸い上げ、県民は搾り取られるばかりです。そうしたことによって全国でワースト１と言われる失業率、貧困率にあえいでいます。
　他方で、その貧困につけいり、「補助金」と引き換えに基地を押しつけるという構図をつくりあげてきました。あるいは本土で反対運動が起こって造れなかった基地を沖縄に持っていくなどということがまかり通ったこともありました。実にあからさまな差別・抑圧政策が行われています。
　自民党が掲げる民主主義は形骸化が進んでいますが、沖縄ではその影も形もありません。選挙で示された結果を「民意」などと言いますが、沖縄の民意はまったく無視されています。
　こうした本土政府・資本による差別・抑圧支配を覆して、あくまで基地のない、平和の島をめざして、本土の労働者民衆と沖縄県民が団結して闘い抜くことが求められています。私の裁判はそのための一つの闘いです。もちろん裁判で問われることは多岐にわたりますから、全ての課題に果敢に挑戦し、星野さんの国賠訴訟と並んで２大裁判闘争に押し立て、理不尽な国家犯罪と闘っていきたいと思っています。
　沖縄闘争を掲げることは、改憲・戦争阻止を掲げるということです。したがってそれは法廷を闘いの場とする階級的労働運動だということでもあります。
　裁判闘争という限定された形態ではありますが、心は常に全国の階級的労働運動とともにあります。不屈に闘い抜きましょう。

世界革命の扉を開こう
　横浜刑務所在監４年　須賀武敏同志

　世界戦争前夜を彷彿（ほうふつ）とさせる緊迫した情勢が訪れています。
　米帝・バイデン政権は、トランプ以上に強硬かつ全面的な中国との対決政策を推進し、世界を二分する米中激突を一気に加速させています。それは各国政府を新たな侵略戦争・世界戦争の準備へと駆り立て、あらゆる物的・人的資源を戦争遂行のために動員し統制する準戦時経済体制への移行に突き進ませています。
　岸田政権はすでに軍事費ＧＤＰ１％から２％への２倍化と、「敵基地攻撃能力」保有を公然と打ち出しました。この大軍拡は、日本がかつて中国侵略戦争―太平洋戦争へと突き進んだ時代と同様に、最後は国家予算の半分を占めるところまで膨張するでしょう。現在すでに〈コロナ×大恐慌〉の中で食うや食わずの、生存ぎりぎりの状況を強いられている労働者人民が、これによってさらに、文字通り生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされていくのは明らかです。
　戦争とは大量の人民の血が流されることです。一握りの支配階級の利害のために労働者人民同士が互いに殺し合わされることです。そのむごさと犯罪性を私たちはかつての戦争でいやというほど経験したのではないでしょうか。
　しかも米帝と日帝は、今度の中国侵略戦争を核戦争としてやろうとしている。ヒロシマ・ナガサキの何十倍もの惨劇を断じて繰り返してはならない！　命をかけても阻止しなければなりません。
　米日帝のこの戦争への突進はしかし、日本と世界の労働者人民の怒りのマグマを解き放ち、戦争阻止の闘いを全世界的、爆発的に噴出させるに違いありません。そして新たな世界革命への扉を決定的に開くものです。
　その最大のかぎは、日本の労働者階級が自国帝国主義打倒の闘いに真っ向から立ち上がることです。
　岸田政権の改憲・戦争攻撃を粉砕し、その軍事的要（かなめ）である沖縄と日本全土の米軍基地撤去・安保粉砕、自衛隊の侵略軍隊化阻止の一大旋風を日本全土に巻き起こしましょう。
　新自由主義と闘ってきた労働組合がその先頭に立つことは、既成勢力の総屈服・総転向を突き破って日本の労働運動を階級的によみがえらせるものに必ずなります。そして70年安保・沖縄決戦がそうであったように、若き青年労働者、学生、女性こそが時代を動かすひのき舞台に主人公として躍り出て、情勢を急展開させましょう。
　私もその一翼を獄中戦線で担い、獄死攻撃を打ち破り、必ず勝利者として皆さんと合流する決意です。