「京大を戦争阻止の砦に」 処分撤回掲げキャンパス集会
週刊『前進』04頁(3224号03面01)(2021/12/20)
「京大を戦争阻止の砦に」
処分撤回掲げキャンパス集会
(写真 処分された学生が集会場を動き回る巨大なみこしの上からアピールし盛り上がった【12月10日 京都大学】)
12月10日正午から京都大学吉田南キャンパス総人広場で、全学処分対策委員会が主催する「京大学生処分撤回・阻止 12月京大緊急集会」が開催された。
本集会には京大生を先頭に全国の学生や労働者・市民が結集し、大学当局・警察権力の弾圧を許さず、新自由主義に立ち向かう戦闘的な団結を示す闘いとなった。昨年11月に行われた京都大学熊野寮自治会の祭企画「時計台占拠」に関わったとして、今年11月24日付で8人の学生が譴責(けんせき)・停学などの処分を受けた中で、それでも萎縮せず学生たちは勇敢に決起した。むしろ処分をばねにしてさらなる決起が勝ち取られた感動的な集会となった。処分するほどに闘う主体が増える京大生の闘いは、新自由主義の崩壊のなかで闘いを求める全国学生の希望の灯そのものだ。
京都大学では2015年反戦バリケードストライキを闘った学生への処分以降、毎年のように学生が処分されてきた。処分対象は拡大し、処分される行為のハードルもどんどん下がっていった。しかしこうした攻撃に対して、京大生は処分撤回闘争を軸に闘う団結を発展・拡大させてきた。本集会はその地平に画期的な一歩を刻んだ集会となった。6人もの処分された学生が発言し、停学となってキャンパスへの入構を禁止された学生たちを多くの学生が団結して守り抜いた。弾圧に来た京大職員は全く手出しできず、学生の団結がこの日キャンパスを「解放区」としたのだ。
集会ではさまざまな立場からの発言があった。京都府職の労働者の発言では、15年の反戦ストを闘って処分された学生が後に京都府職員として働くようになったが、この反戦ストでの処分を理由に解雇された問題で解雇撤回をもぎとった勝利も報告され、労働者・学生が団結して闘い生きていく展望も示された。集会の基調報告を行った京大生は「戦時体制づくりとしての大学改革は抵抗勢力への弾圧を徹底的に行い、学内に独裁体制を敷きます。学問の府としての矜持(きょうじ)を投げ捨て資本に擦り寄る役員会から大学の権力を学生の手に奪い返さなければなりません」と宣言。さらに「コロナ禍でひたすら矛盾を押し付けられてきた学生たちは、いまや物言わぬ奴隷であることを拒否して、激しい弾圧の中で次々に決起しています。学生には大学や社会を変革する力があります。今日ここに集まった京大と全国の仲間の団結した力で反戦バリスト以降の17人の処分を撤回させ、全学自治会を建設しよう」と運動の方向と展望を明らかにした。
最後は集会場を動き回る巨大なみこしの中から処分された学生たちが登場。職員は無力となり、会場は大きく盛り上がった。無期停学処分を受けている京都大学全学自治会同学会委員長の安田淳敏さんは「京大を国際競争と侵略戦争の牙城とするか、それとも戦争阻止と人類解放の砦(とりで)とするか。この闘いに全国・全世界の学生・労働者が注目しています。『自由の学風』は、学籍も国籍も越えた団結によって勝ち取られるものだ」とアピールを行い、勝利感に満ちて集会は貫徹された。