戦争阻止へ力の結集を 宮古島ミサイル搬入を絶対に認めない 寄稿 沖縄民権の会 座覇光子さん

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週刊『前進』04頁(3222号03面02)(2021/12/06)


戦争阻止へ力の結集を
 宮古島ミサイル搬入を絶対に認めない
 寄稿 沖縄民権の会 座覇光子さん

(写真 陸上自衛隊は宮古島「保良訓練場」に地対空・地対艦ミサイルの搬入を強行した。抗議する人々は県警に強制排除された【11月15日付沖縄タイムス】)

 8月31日、平和運動や環境活動に取り組む宮古市民有志は宮古市長を訪ね、住民保護問題などが解決しない間は弾薬搬入を認めないことを求め、要望書を提出した。
 しかし防衛省は住民の反発があることを十分知りながらも、11月14日、地対艦・地対空ミサイルを含む弾薬を本格搬入した。
 戦争はもう宮古から始まっている。「私たちは生きられるのか」との声が聞こえてくるようだ。住民の避難計画などは想定されるはずもなく、ミサイル配備によって全島絶滅の危機さえあり得る。
 住民投票は有権者の4分の1の署名で成立する。石垣の人々は4分の1を超える1万4千筆余りの署名を集めて2018年12月、市長に住民投票条例の制定を請求したが、市議会で否決され、住民投票は実施されなかった。40%の人が実施を希望するのに成立しない状況にもある。
 地対艦・地対空ミサイル、電子戦部隊と今まで以上に武器弾薬と殺りく能力の高い軍事力に圧倒される。

沖縄の地を再び戦場にするな!

 しかしそれより強いのはわれわれ労働者階級なのだ。戦争で他国の労働者を殺りくさせられるのはわれわれ労働者。しかし同時にそれを止める力をわれわれは持っている。
 石垣ではゴルフ場を300億円で売り自衛隊基地建設に加担したり、釣魚台に中国の船が近づくことの見張りに漁師を日当を高くして雇っている。漁師は魚を獲(と)らなくなり、また魚が高値で食べられなくなっているという。
 しかし、沖縄戦を知っている80代の石垣の人々は地道にあきらめず闘っている。苦しい声が電話から聞こえる。辺野古の闘いの現場へ行くと闘う者はすぐ打ち解ける。
 隣の人が話してくれた。がんで余命いくばくもない人が車いすで来られて、「私は沖縄の人がこんなに苦しい思いをしているのに何もして来なかった。何日生きられるかわからないが最後の時まで沖縄の人と一緒に闘いたい」と言っておられたと……。
 「憲法改悪と戦争への道を阻もう!9・26集会」(呼びかけ/改憲・戦争阻止!大行進神奈川)で劇作家の坂手洋二氏は「沖縄問題は沖縄の問題ではなくヤマト、日本の問題だ」と提起した。どれほどこの言葉を待っていたことか!

世界の労働者と共に平和の世を

 私たち沖縄の人間は本土に在っても苦しかった。「被害者意識……」と言われ何を語ればよいのか、あてどなく気持ちが揺らぐ。
 しかし本土の労働者も非正規で働かされ、「生かさず殺さず」、しまいには自殺にまで追い込まれている。なのに平然としている資本家たち! 政治権力者を倒さねば、本土の労働者も沖縄の労働者も解放されない。
 絶え間ない闘いの蓄積によって戦争を阻止して、安心して生きられる平和の世を世界の労働者とともに獲得しよう!
 私たちも宮古市民有志に連帯し、防衛省に抗議を。多くの組合、団体、個人とともに。皆さんのご協力をお願いしたい!
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