情勢塗り替えた教育スト ロサンゼルス統一教組書記長 アーリーン・イノウエさん

週刊『前進』04頁(3221号03面02)(2021/11/29)


情勢塗り替えた教育スト
 ロサンゼルス統一教組書記長 アーリーン・イノウエさん

 コロナのパンデミックにアメリカの医療制度は対応できず、どれほどの命が危険にさらされたかわかりません。人の命よりも利益を優先させているからです。資本主義の経済は不平等であり、新自由主義の政治は国民皆保険を実施せず、当然の人権である住居や仕事、生活に最低限必要なものさえも保障しません。
 現在、平和は危機にひんし、気候危機は日ごとに悪化しています。労働組合は弾圧され破壊攻撃を受けています。悲観的になり、くじけそうになります。でもみなさんは2019年のUTLAのストライキをご存じですよね。このストで公立学校教育に対する理解や関心が変わりました。それが学校の民営化を止める第一歩となったのです。
 ストで培ったパワーを発揮して、今年8月には「バウチャー制度」攻撃にも勝利しました。バウチャーは学校資金を打ち切り、最貧困層の子どもたちに競争を持ち込み、不安定な状態を強いるものです。また私たちは、パンデミックから組合員や生徒の健康と安全を守るため、学区当局との間で詳細な取り決めを結びました。重層的な防疫の実施やワクチン接種の義務化、毎週の無料PCR検査などです。賃金アップやオンライン教育の評価基準などの交渉も可能にしました。
 私たちが学区当局と闘っている時に、街頭では大規模な抗議行動が行われました。ジョージ・フロイド氏殺害のビデオが歴史に残る世界的な運動に発展していったのです。人種差別、警察権力の暴力や不正行為は今まで広く知られていませんでした。人間の尊厳を訴え「生きさせろ」の運動が広がっています。
 私たちに選択の余地はありません。闘い続け、反対し続けるしかないのです。支配階級が、非人道的で壊滅的な状況を私たちに無理強いしているからです。
 この運動で私たちが団結しているから、世界中に連帯の輪が広がっています。私たちはすばらしい。そして、私たちは一つです。がんばって!
(11・7全国労働者集会への連帯メッセージから抜粋)

このエントリーをはてなブックマークに追加