小泉成田市長の証人尋問を行え 三里塚団結街道裁判
週刊『前進』04頁(3219号04面04)(2021/11/15)
小泉成田市長の証人尋問を行え
三里塚団結街道裁判
11月5日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの農地を守る闘いの重要な一環として闘った。
団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は、市東さんにとって自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ、日々の農作業に必要不可欠の道路だった。一般的にも利用者が多い重要な交通路である。この生活道路を成田市は2010年6月、夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、土地を格安で成田空港会社(NAA)に売り飛ばした。そこにNAAは第3誘導路を建設した。この違法性を追及する裁判だ。
開廷早々、弁護団は準備書面30を陳述。新型コロナウイルス感染拡大で航空業界の不況はますます深刻化している。米ユナイテッド航空1万6千人、アメリカン航空1万9千人のリストラ計画が明らかとなり、日本のANAも3500人削減の方針だ。成田空港の20年度通期決算は、800億円超の大赤字だ。航空需要の大半が社会に必要ではなかった。
ところが国は20年度、NAAの空港機能強化策のために4300億円も財政支援した。返済不可能な額であり、無駄になった。団結街道の廃道許可処分は重大な誤りだったのだ。
弁護団は、第3誘導路建設を確認した09年7月29日の4者協議会(国土交通省、千葉県、成田市など空港周辺9市町、NAA)に至る経緯を追及してきた。被告の成田市は、「市とNAAとの間で事前に会議を実施していたはずだが、その回数、日時、場所、出席者、内容などは調べたが不明」と回答。会議記録の隠蔽(いんぺい)にほかならない。弁護団は「反論書」を出し関連文書の提出を要求、市に再度の釈明を求めた。
そして、道路法をも無視して廃道を進めた最高責任者、小泉一成成田市長の証人尋問を改めて求めた。内野裁判長は結論を出さないまま、次回期日を3月8日として閉廷した。
裁判後の報告集会では4年に及ぶ小泉市長の証人調べ要求に応えない裁判所に怒りが集中した。