団結ひろば 投稿コーナー
週刊『前進』04頁(3218号04面04)(2021/11/08)
団結ひろば 投稿コーナー
セクハラ・パワハラ許さない 婦人民主クラブ全国協議会広島支部 保科衣羽
10月24日大阪の「セクハラ・パワハラ解雇をぶっとばせ!集会」に参加しました。今夏の婦民総会で聞いた奈良市従労組の闘争報告に感銘を受け、もっと学びたいと思ったのです。本当に素晴らしい集会でした。職場や労組の仲間と議論を重ねて、セクハラ・パワハラは労組破壊攻撃だと見抜き、分断やしがらみを乗り越えて、民営化を強行する奈良市を相手取って裁判闘争へ決起する過程は、すべての労働者に大きな展望を与えるものでした。当該の皆さんは最後まで職場の仲間との団結を諦めなかったし、改憲・戦争情勢から目をそらしませんでした。この階級性の勝利に大きな感動をおぼえました。
差別の問題と向き合う中で自らもまた差別者として存在していたという自覚が告白されたり、性的な言葉を口にすることに抵抗を感じるのは女性が奪われている現実そのものだから、言葉を取り戻さないといけないんだという議論が報告されました。勝利への鍵を握るのは自己変革。言うのは簡単ですが、人を変えることより自分が変わることのほうが難しいのです。困難を飛躍に変えた仲間に心から拍手を送ります。
教育労働者は、「指導力不足」の教職員を職場復帰させるための「ステップアップ研修」が、実際には解雇のためのパワハラ研修であることを怒りをもって暴露しました。パワハラ被害の当該の生命保険外交員からは、一時期は死を考えたほど苦しんだけれどレイバーユニオンに出会い、被害の告発をして加害者を職場から異動させたという勝利報告がありました。どの報告者にも声をふるわせ目を赤くする場面が何度かあり、私ももらい泣きしながら聞きました。
集会に参加して、構造を見抜くことが重要なのだと理解しました。資本にとって「うまみ」の少ない労働者を解雇したり、職場や組合の団結を破壊したりするために、その片棒かつぎをする役回りとしてセクハラ・パワハラ加害者が存在しているということです。
勝利のためには、敵を見誤らないこと。団結なしの勝利はありえないと肝に銘じること。女性団体は数あれど、こういう階級性を持って性差別問題に取り組んでいけるのが私たち婦民全国協なのだと自信を持ちました。
労働者の生き血吸うAGC 多摩連帯ユニオン書記長 加納敏弘
10月18日付「前進」で報じられた10・8AGC本社闘争に私も参加した。AGCは旧・旭硝子で、戦時中に朝鮮人労働者を強制徴用した三菱系列の会社だ。私は2015年春に、韓国・クミ市の旭硝子工場で働く178人の労働者がメール1本で解雇されたことに怒りを覚え、本社行動にも何回か参加している。本社のある丸の内のビルに、団交申し入れのために入るたびにいつも思うことは、「一体どれだけの労働者の生き血をすすったら、こんな豪華なビルに入れるんだ」ということだ。マルクス『資本論』は、資本を「労働者に取り付き剰余労働を吸い尽くす吸血鬼」と表現しているが、AGCはまさに労働者を低賃金(時給600円!)でこき使い、トイレに行く時間さえも奪い取り、ミスをすれば見せしめにし、揚げ句の果てに解雇した。
旭非正規職支会の闘いは韓国の司法当局を突き動かし、AGC韓国法人元社長・原納猛は労働者派遣法違反で有罪となった。
『資本論』の「労働日」の章には、資本家の剰余価値への渇望のために、児童を含む労働者が悲惨な状況で働かされる様子が描かれている。それは本質的に現在も変わらないし、どこの国も同じだ。正規・非正規を問わず、多くの労働者が食事時間も「かじり取られ」、休憩時間を「盗まれ」、コロナで命までも奪われる。労働者は労働力を商品として売らざるを得ないが、命まで売る覚えはない。労働者は人間だ! 11・7集会で声を上げよう。
「休日の買い上げ」って何? 群馬 名探偵湖南
10月11日付「前進」2面のJR記事に「要員が不足し、休日の買い上げによる出勤の強制」とあります。「休日の買い上げ」ってのがわかりません。会社が休日を労働者からお金で買うってことですか? そゆのを、休日の買い上げって言うんですか? そうだとすれば、1日いくらくらいで買われちゃうんですか? 労働者は休みが無くなるわけですね。
労働者を休ませないのは違反にならないんですか? 「そゆのはダメ」って、なんか憲法にもあったような気がするんですが。
お金払えばいいんですか? 死にますよね。
最近、家族と、「投資」の話になりました。お給料が上がらないから、興味があるみたいな話でしたが、途中解約できないそうで。
「コワイネ〜」って。私はあれこれ言いましたが、他人のお金を搾取するうんぬんよりも、「欲張ると、ろくな結果にならない」と言った方がこたえたようです。「前進」を楽しみにしています。
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編集局から——「休日の買い上げ」とは、賃金支払いを代償に休日の出勤をその日になって求めること。建前上は本人同意が必要ですが実際は強制で、労基法違反も起こりえます。労働者がしっかり休めてこそ、安全は保てます。労働者の権利を守る闘う労働組合が必要です。
映画「サマー・オブ・ソウル」 東京 田宮龍一
ウッドストックと同じ1969年夏、黒人を中心としたもう一つの巨大音楽イベント「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」がニューヨークで開かれていた。それを撮影したフィルム47巻は50年以上日の目を見ずに地下室にしまわれていたが、ついに映画となって今夏公開された。「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」だ。いささか時期遅れとなる紹介だが、革命と音楽が大好きでBLM運動に共感を覚える人は絶対に見た方がいい。出演者はB・B・キング、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、スティービー・ワンダー(10代!)、マヘリア・ジャクソンなど超ド級の顔ぶれで、聴衆と一体化した熱演を繰り広げる。中でもニーナ・シモン(写真)の存在感は圧倒的で、「アフリカの女王様が現れたようだった」との映画内での表現がまさに的中している(君主制の是非はともかくとして)。彼女のパフォーマンスは、黒人同胞の尊厳回復と決起を促す扇動であった。
ベトナム戦争、キング牧師暗殺などの時代背景を織り込みつつ、人種差別の激化に立ち向かう黒人社会の熱気と躍動が、この映画に記録されている。半世紀が過ぎ、BLMが爆発する現在に、この夢のような貴重な映像が発掘されたのは偶然とは思えない。
しかし2時間に閉じ込めるのは窮屈すぎた。今後、十分な長さのDVD化を期待する。全国で終映間近。