やぐらは市東さん守る盾 三里塚新やぐら控訴審 反対同盟が意見陳述

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週刊『前進』04頁(3217号04面01)(2021/11/01)


やぐらは市東さん守る盾
 三里塚新やぐら控訴審 反対同盟が意見陳述

(写真 新やぐら控訴審第1回期日に先立ち、日比谷公園から反対同盟を先頭にデモに出発。「空港拡張をやめろ」「農地を奪うな」の声を霞が関一帯に響かせた【10月20日】)

 10月20日、東京高裁第2民事部(渡部勇次裁判長)で新やぐら裁判控訴審の第1回が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民が天神峰・市東孝雄さんの農地を実力で守る決意で闘った。
 昼前、日比谷公園霞門でデモ前の打ち合わせを行い、反対同盟・東峰の萩原富夫さんが「やぐらと看板は私たちの闘いのシンボルであり、市東さんの生活と農業を守る盾だ。農地を奪って空港を拡張するなど許さない」と力を込めた。
 動労千葉の中村仁副委員長は、韓国民主労総の10・20ゼネストとの連帯、11・7全国労働者集会への大結集を呼びかけた。
 反対同盟の太郎良陽一さんの音頭でシュプレヒコールを上げた後、デモに出て「農地死守」の叫びを関が関にとどろかせた。

「抵抗の哲学」

 新やぐら裁判は、市東さんの天神峰農地に建つ監視やぐらや看板など四つの物件(反対同盟所有)について、成田空港会社(NAA)が「収去と土地明け渡し」を求めて提訴したものだ。千葉地裁は昨年8月、NAAの主張を認めた不当判決を出した。反対同盟は控訴した。NAAは今年5月、仮執行宣言を求め「附帯控訴」を行っている。
 最初に萩原さんが反対同盟を代表して意見陳述に立った。まず1966年の閣議決定以来の国家暴力を使った空港建設を弾劾し、「農地死守」「実力闘争」の原則は政府・空港公団の暴力的手法に対する「抵抗の哲学だ」と語った。さらに、二酸化炭素の大量排出で地球温暖化を促進し、無用な第3滑走路建設と24時間運用で農業と環境を破壊し騒音被害を拡大する空港建設をやめろと迫った。そして「反対同盟の看板とやぐらは政府・NAAを告発し、市東さんの人権と生活を守る盾であり、農地と一体だ。だから絶対に撤去できない」と締めくくった。
 続いて反対同盟顧問弁護団が400㌻を超す控訴理由書と補充書の要旨を陳述した。市東さんの天神峰耕作地についてNAAは「所有権を取得した」と言い張り、その一角に建つやぐら・看板を取り除けと迫っているが、その「所有権取得」は無効だ。耕作者である市東家に無断・秘密で旧地主から底地を買収し、このことを15年間隠してきた。農地法違反だ。その上で千葉地裁は不当にもやぐら・看板の収去を認めた。原判決を取り消せ!
 被控訴人NAAの代理人は弁護団の迫力に圧倒されうつむくばかりだ。NAAが7月に出した「反論」は項目一覧表にすぎない。弁護団はこれを徹底批判する準備書面を提出し、追及を緩めないことを明言した。
 渡部裁判長は終始無表情で、「今後の進め方は協議して決めたい」と言い、閉廷を宣し出て行った。次回は来年1月19日(東京高裁、午前10時30分開廷)。
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