公務員秋闘を闘い11・7へ コロナ下の一時金大幅カット、 60歳超の賃金3割削減阻止を

週刊『前進』04頁(3217号02面02)(2021/11/01)


公務員秋闘を闘い11・7へ
 コロナ下の一時金大幅カット、
 60歳超の賃金3割削減阻止を


 コロナ下の公務員秋闘が重大な決戦に入った。各地の人事委員会は昨年以上の4万円超〜5万9千円の一時金カットを勧告し、定年引き上げに乗じた60歳超の基本給3割削減、人事評価による分断強化と将来の全世代への賃金破壊に言及した。渦巻く現場の怒りを組織して闘い、11・7集会に大結集しよう。

5万9千円賃下げ勧告に怒りが噴出

 東京・特区連(特別区職員労働組合連合会、4万人)の各区職の現場では、昨年の3倍となる平均5万9千円の一時金カット勧告への怒りが噴出している。
 今年の民間労働者の平均賃上げ率は1・78%(連合調査)であり、コロナ下でも労働組合の奮闘で賃上げを勝ち取っている。しかし各地の人事委員会は公務員の基本給据え置きと一時金大削減を勧告した。
 青年労働者は時給換算で最低賃金以下の初任給に諸手当を加えることでなんとか生活しており、薄給ゆえに退職を余儀なくされる労働者も多い。そうした水準の基本給を上げるどころか一時金を削るというのだ。会計年度任用職員や60歳定年後の再任用職員など全体の4割に迫る非正規職も最低賃金水準である。非正規職を含む全労働者の賃下げは生活破壊そのものだ。

始まった全世代の賃金破壊との闘い

 加えて60歳超の基本給3割削減は、全世代への大幅賃下げ・賃金破壊攻撃の本格的な始まりだ。
 6月成立の改悪地方公務員法は65歳までの定年引き上げと一体で60歳超の賃金3割削減、「賃金カーブのフラット化」=40~50代からの昇給抑制を求めた。少ない人件費で5年分長く働かせようとする極悪法だ。
 現行の再任用職員は職場の人員不足の中で経験を生かして同じ仕事を続けながら賃金は定年前の6割に下げられている。改悪地公法は「再任用の賃金と比べれば7割にとどまるのだから労働条件は改善する」との触れ込みだった。しかし実際には基本給3割削減で、現業職の78%、行政職の23%の賃金が再任用を下回ることになる(特区連の試算)。大幅賃上げと非正規職撤廃こそ必要だ。
 さらに都人勧は「定年引き上げ完成後、60歳前後での給与水準が連続的になるように(新たな)給与制度を設計する必要がある」と明記。改悪地公法をさらに進め、「3割削減」を新たな基準に、全世代の賃金をそれ以下に引き下げる意図を露骨に示した。丸ごと民営化・総非正規職化と一体で、正規職も例外なく賃金の3割削減から最低賃金水準へとたたき込むことが狙われているのだ。

労働者分断許さず闘う団結の再生を

 日帝・政府の意を体現して人勧は「能力・業績を反映した給与制度の更なる進展」を求めた。人事評価制度による労働者分断は、保健・医療など公的業務の破綻を一層深刻化させる。コロナ感染拡大をも逆手にとって都立病院の独立行政法人化=民営化を進め、戦時医療への転換と労組破壊を狙う岸田政権・小池都政の改憲・戦争攻撃と一体だ。
 労働者・労働組合が総反撃に立つ時が来た。都労連(東京都労働組合連合会、3万6千人)は「現場に精通した(コロナ下での)職員の奮闘が都民の命と暮らしを守る都政の根幹」であり「全ての職員の思いを踏みにじる不当勧告」に対し組織の総力を挙げて闘う決意を表明した。特区連と東京清掃労組、都労連の労働者は11月中旬を闘いの山場に、コロナ下の困難を乗り越えて職場討議と宣伝行動、決起集会を重ねている。絶対反対で闘おう。
 2018年秋、大幅賃下げを現場の怒りとストライキの力で粉砕した特区連・東京清掃労組の闘いをよみがえらせよう。階級的労働運動の飛躍をかけて11・7労働者集会に大結集し、21秋闘を闘いぬこう。
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