改憲阻止へ全学連が新体制 沖縄を中国侵略拠点にさせない 赤嶺新委員長の就任あいさつ

週刊『前進』04頁(3216号03面01)(2021/10/25)


改憲阻止へ全学連が新体制
 沖縄を中国侵略拠点にさせない
 赤嶺新委員長の就任あいさつ

(写真 「沖縄を先頭に改憲・戦争絶対反対の闘いをつくろう」赤嶺知晃新委員長が決意表明【10月17日】)


 沖縄から全学連委員長が出るのは初めてのこと。なぜ僕が委員長になろうと思ったか。いま沖縄で基地強化や自衛隊の配備が次々と進められ、沖縄が中国侵略戦争の出撃拠点になろうとしている。これを止めるためだ。沖縄を先頭に改憲・戦争絶対反対の闘いを全力でつくりたい。
 岸田政権は安倍・菅を引き継いで改憲と戦争に突き進んでいる。これは7・23五輪粉砕闘争や動労千葉、関西生コンをはじめとした労働者・学生の闘いが彼らを追いつめているからに他ならない。戦争は彼らが強いから行われるのではない。逆に弱さの表れだ。2016年は韓国のパククネ政権と安倍政権が手を組みGSOMIA(軍事情報包括保護協定)などを締結し、日米韓で朝鮮侵略戦争を狙っていた。それに対して韓国の労働者民衆はろうそく革命でパククネ政権を打倒し、戦争を実際に阻止した。戦争は単に支配者の策略や温情で止まるのではなく、労働者が止めてきた。そういう闘いをつくり出していこう。
 議論の中で「軍備増強と実際の戦争には開きがある」「戦争はいつ起こるのか」という意見があった。僕らはいつ戦争が起こるか予想する立場ではない。沖縄における米軍の事故や殺人などの米兵犯罪に示されているように、戦争準備でも労働者は殺されている。五輪強行でも医療や感染対策がないがしろにされ、救えた命が救えなかった。戦争準備そのものを許さない闘いこそ重要だ。
 今大会で京大生が確認したように、京大闘争は改憲・戦争をめぐる問題と一体であり、全人民の闘いだ。岸田政権は大学改革を国策の柱に据えている。大学が階級決戦の主戦場になろうとしている。改憲・戦争が狙われている中で学生運動をたたき潰すため、これまで以上の徹底的な弾圧が狙われている。
 京大では法大闘争を引き継ぎ、実力の闘いで誰がキャンパスの主人公かを示してきた。全学自治会再建まであと一歩のところに来ている。京大の闘いに勝利するため、12月の京大集会に全国学生は全力で決起しよう。京大に続きすべてのキャンパスで学生権力を打ち立てる闘いに挑戦しよう。
 女子学生が提起した女性解放闘争とそれをめぐる議論の中で、突破する課題が出された。全力で団結して闘いたい。女性の決起に応えられる全学連になろう。いま起こっているすべての社会の矛盾の根底には、中国侵略戦争の切迫があり改憲・戦争がある。処分攻撃をはじめとした大学の攻撃もこれからさらに進む。私たちがどういう運動をつくっていくかに全てがかかっている。
 これだけ改憲・戦争攻撃が進むなか、日本共産党は選挙公約で安保廃棄を投げ捨てた。本当の戦争反対が求められている。2015年に安保関連法が強行採決された時にも、シールズをはじめとした野党共闘勢力は「戦争を許さない」という人民の怒りを選挙に流し込もうとした。戦争を本気で止めるため、労働者民衆の闘いを実力闘争として解き放つことが求められている。階級的労働運動と結びつき、実際の行動で戦争を阻止しよう。
 7・23五輪粉砕闘争のような、多くの労働者に見える闘いをやろう。街頭にもどんどん登場しよう。
 何より全員が11・7労働者集会に決起してほしい。11月集会は約20年間、戦争と新自由主義と対決して闘い抜き、国際連帯を生み出してきた。ここにこそ戦争を止め社会を変える最大の力がある。学生も総力で結集しよう。
 今回は数年に1度の大成功と言える大会だった。この仲間なら闘える。これから1年よろしくお願いします。

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大会の発言から

真の女性解放へ闘いを前進させる
 首都圏大学・長谷川真央

 この間の全学連によるフェミサイド抗議行動で反応が多くあった。全学連大会への結集には至っていなくても、決起しようとしている女性はたくさんいる。全学連の女性解放闘争の取り組みはかなり注目度が高いと同時に、視線が厳しいとも感じる。
 いま全学連に結集している女性は主体性をもって女性解放闘争をやっている。しかしその主体性を、人数比でかき消されてしまうこともある。この会場の状況もそうだし、男ばっかりで女性解放をできるのかという視線であり、「あなたたち本当に女性解放ができるんですか」って目が全学連全体に向けられているのも事実としてある。
 その反面、全学連の出している理論に真に女性解放を達成する展望があることがわかっているからこその視線だと思う。
 最近、首都圏での小田急線刺傷事件(8月に起きた女性を狙った刺傷事件)を受けたいろんな団体の行動に個人で参加した。それを見て思ったのは、みんなフェミサイドが社会構造の問題なのはわかっているけど、それは資本主義の問題で、これを打倒しないと女性解放は達成しないというところまでは言ってない。それを全学連は胸張って言える団体だってことをもっと誇りに思って押し出してほしい。
 全学連に真の女性解放の展望があると同時に、それをより前進させていくため必要と思っている。

戦争反対の立場で大学改革とも闘う
 京都大学・大野千尋

 この前ある学生と話して、その人は「処分撤回とか大学改革とか大きい話をする前に、立て看板とか身近なトピックにしたほうがいいんじゃないか」と言っていた。そこで私が、いろんな学内団体が立て看板運動やってたけど、結局当局の暴力によって諦めムードになってしまったと話したら、その人は学生の実力闘争自体に展望を持っていないことが明らかになった。
 京大だけじゃないが、学祭規制や自治会などいろんな管理強化があって、一つひとつの問題のつながりをみんな意識し、当局の暴力性も感じている。しかし学生が何かやって変わるのか。私も無力感を感じている。
 もっと言うと、資本家の支配する大学を割と肯定しているのかなと思う。経営をやる大学と学術をやる大学とどっちもあってもいいと。そういう意識である以上、大学改革と真っ向から対峙するには戦争反対の立場が必要だと思った。それがないと、「なぜ大学改革に反対なのか?」となってしまう。学術研究がおろそかにされていると言うだけでは闘えない。最後は企業同様、国策に従う機構として大学が戦争協力させられていく。大学が政府の道具になっていること自体を問い直さないといけない。改憲・戦争国家化反対を明示にしないといけない。
 学生たちはブルジョア学問しか知らない。「学問・教育を取り戻す」とはどういうことなのかわからない。それを、学内で集会をやり実践することで一緒に実感していきたい。

当局による処分は改憲・戦争の攻撃
 京都大学・新村光希

 昨年11月に行った時計台占拠闘争で、自分は当局から処分のための呼び出しがされている。これは改憲・戦争攻撃としてある。大学改革=戦争国家づくりで学生運動をできないようにしていこうとしている。
 自分は2月に最初の呼び出しを受けてから、処分に対してしんどいとかあまり感じることなくやれてきた。なぜか。2年前に全学連大会に来て、「処分撤回で闘うぞ」と言われたが、それを焦点化するビジョンは当時の自分にはなかった。その年の12月に処分撤回を求める集会をキャンパスでやって、こんなに人が集まってやれるんだと展望をもったことが大きい。
 全学連や京大のみんなで取り組んで、自分ひとりじゃなくみんなの問題であり、全労働者階級の問題と捉えられたからやれてきた。処分問題をみんなの問題として闘ったから時計台占拠もできた。
 いま9人に呼び出しが来ている。これも全国的問題であり、その背景に改憲・戦争があることをはっきりさせたい。京大だけの問題として捉えると限界がある。既得権益を守る闘いでなく、みんなの問題と見すえて闘えるようにしたい。
 当局はびびりまくっている。ブルジョアジーを蹂躙(じゅうりん)しまくる。泣かせてやる。改憲・戦争を阻止するため、11月と12月の京大集会と11・7労働者集会に向けて、みんなで団結して京大・湊(みなと)総長体制をぶっつぶす、岸田政権をぶっつぶす闘いをつくっていきたい。

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