全労働者の怒りを11・7集会へ 新自由主義を終わらせる合同労組建設の出発点に 全世界で闘いの路線を求め
週刊『前進』04頁(3216号02面01)(2021/10/25)
全労働者の怒りを11・7集会へ
新自由主義を終わらせる合同労組建設の出発点に
全世界で闘いの路線を求め
労働運動の再生が始まった
新型コロナウイルス感染症の拡大は、半世紀におよぶ新自由主義の歴史的展開が蓄積してきた矛盾を全面的に顕在化させている。何より新自由主義の破綻を示しているのは医療崩壊の現実だ。コロナ感染拡大の「第5波」で起きたことは、まさに国民皆保険体制の事実上の瓦解(がかい)だ。多くの人びとが入院も受診もできないまま自宅死を強いられた。
もはや革命が問題になるレベルの事態である。小池都知事は、「第5波」の医療崩壊の現実をショック・ドクトリン的に利用し、「緊急事態だから都立病院の独立行政法人化は必要」として公的医療を破壊しようとしている。人びとの生命を守るために医療・介護職場、保健所・自治体職場などで闘いが今ほど求められている時はない。
医療だけではない。あらゆる産業・業種・職場において同様の事態が起きている。民営化や非正規職化、大合理化が進み、雇用や賃金が破壊され、要員が不足し、安全や責任が放棄され、労働者は誇りや使命感・責任感を持って働くことが困難となっている。資本は無責任を決め込み、労働者に自己犠牲を強いるばかりだ。
〈コロナ×大恐慌〉情勢下、こうした新自由主義の大崩壊にのたうつ日帝・岸田政権は、体制の延命をかけて「労組なき社会」化攻撃を推し進め、改憲・戦争に突進している。現在進行中の陸自大演習も、対中国侵略戦争に民間を総動員する実戦演習そのものだ。
このような状況に総力で立ち向かうことが必要だ!あらゆる産業・職場で新自由主義に立ち向かうこと、同時に戦争動員に絶対反対で闘うこと、労働者が団結して闘うことにこそ展望があることを実際の闘いの中で示そうではないか。その第一歩が11・7労働者集会への大結集だ。
「今、アメリカの労働運動が、近年なかったほどの盛り上がりを見せている。一般企業から教育機関、病院から刑務所まで、社会の隅々で組合を組織する闘いが起きている。新たな組合が発足、従業員たちが組合加入を決めた、既存の組合が経営陣と交渉の末、賃上げや待遇の改善、雇用の保障、労働者に不利な契約条項の撤廃に成功した、といった関連のニュースを目にしない日はないほどだ」(世界10月号 「アメリカ あらたな労働運動の波」より)
全世界に共通しているのは、労働者が闘う路線を求めていることだ。階級的労働運動で新自由主義を終わらせる。これこそ今われわれに問われている課題だ。合同・一般労組こそ、その先頭に立って11・7労働者集会に向かって闘おう。
動労千葉、関生支部、港合同から学び職場闘争の実践を
コロナ感染症が顕在化させた新自由主義の崩壊の中で、いわゆる「労働問題」として雇用・賃金・権利の破壊との闘いが拡大している。それを、新自由主義を終わらせる闘いとして真に爆発させるためには、職場・産別における闘いと組織化の方針として、動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線=職場闘争や、関西生コン支部の産業別労働運動から学び、実践することが何よりも重要だ。外注化攻撃に立ち向かい続けた動労千葉幕張支部の努力は教訓に満ちている。その新たな地平がCTS(千葉鉄道サービス)における闘いだ。非正規職労働者が過半の車両清掃部門などでは、無期転換―就業規則改悪をめぐる闘いで会社を圧倒。さらに2018年来のJR東労組解体―大量脱退の情勢の中で関道利委員長が職場代表になった。
動労千葉は安全衛生委員会などを舞台に職場闘争を進めた。職場丸ごとの組織化の挑戦である。職場では〈職場を回しているのは現場労働者である〉〈モップを絞ったこともない天下りの連中が何を言っているのか〉という怒りが爆発。どれだけ職場に根ざしているかが勝負を決めるのだ。
また、コロナ下で業務が増える局面において夜勤要員を削減する——あらゆる職場で普遍的に起きている矛盾に満ちた攻撃に対し、動労千葉は現場労働者のかつてない怒りの決起で夜勤要員削減の10・1施行を粉砕した。幕張支部のオーソドックスな職場闘争を、われわれは大いに学ぼう。
地域合同労組・ユニオンに引きつけてとらえると、個人の労働紛争解決にとどまるのではなく、新自由主義の矛盾と危機が蔓延(まんえん)する職場生産点において団結を総括軸に最もオーソドックスな職場闘争に着手することが必要だ。
確かに、不当解雇や残業代未払いなど問題が発生して職場で労働組合を立ち上げるケースが多く、争議が解決すると当該がユニオンを去ったり、労働組合がなくなるケースも多い。だからこそ、目的意識的に職場全体をとらえ、労働組合が職場でどれだけ根を張っているのかをバロメーターとして闘いを構築することが求められているのである。
関西生コン支部は、過酷な労働条件であった生コン業界において企業の枠をこえた業種別の統一指令部をめざして1965年に結成された。倒産攻撃や反共攻撃、組合分裂や第二組合、暴力団による襲撃などの一進一退の苦闘の中で「人の痛みを己の痛みとする」作風を生みだし、背景資本との闘い、使用者概念の拡大、さらには日雇い労働者の本採用化や優先雇用協定、集団交渉方式、政策闘争などの産業別労働組合の路線をつくっていった。
港合同は、地域全体を一つの企業と考え、500人の組合員を擁した田中機械支部を拠点に企業の塀をこえた運動を長期にわたって積み上げてきた。地域合同労組を「駆け込み寺」にとどめるのではなく、〈闘いの砦(とりで)〉にすることを強調している。
3労組の闘いには、日本における階級的労働運動の形成、新自由主義との闘いにおける決定的な蓄積・教訓がある。3労組の闘いを自分の闘いに生かす観点から接近し、吸収しよう。
職場―業種―地域貫く闘いで階級的団結をつくりだそう
コロナ感染症の拡大は、雇用や賃金その他労働条件について深刻かつ重大な危機をもたらしたと同時に、労働者階級の意識を激変させている。自治体業務や医療・介護現場などの「エッセンシャル・ワーカー」の多くが非正規雇用であり、非正規職労働者によって新自由主義の現代社会が維持されていることをあらためて明らかにした。こうした中で、合同労組建設に向けた任務は何か。第一に、どんなに小さくとも団結体をつくり、資本との対抗関係をつくり、維持し続けることだ。
あらゆる地域・職場・産別において労働者の怒りと行動力と結合し、闘いの戦端を開き、資本・権力と徹底的に闘いぬく。そして、「労働者は闘う以外に生きる道はない」「闘うことにこそ展望があること」「団結を守って闘えば勝てること」を示す。どんなに小さな勝利であっても、次の闘いの展望を生みだす総括・教訓を導き出す闘い方をするということだ。
第二に、未組織労働者、非正規職労働者の組織化、労働組合のない職場や産別・業界において労働組合の組織化に全面的に着手することだ。この間、地域合同労組・ユニオンに複数で集団的に加入するケースが増えている。また、職場の労働者集団が丸ごと立ち上がる経験もしてきた。
第三に、職場闘争を闘う合同労組・ユニオンを志向し、職種別・産業別労働運動をめざす闘いに挑戦することだ。新自由主義によって破壊された産業・業種・職場において、非正規職労働者も含めた労働者集団を組織化し、職場闘争を展開し、職場支配権をめぐって徹底的に闘おう。
労働者こそが職場の主人公であり、社会変革の主体であることを感じられる闘いが必要だ。また、同じ地域、同じ業種の労働者を組織する主体として位置付けることも大切である。
第四に、全国規模で地域合同労組・ユニオンの担い手たる活動家集団をつくりだすこと、そしてマルクス主義の労働者党を建設していくことだ。地区党の役割は階級的労働運動を組織し、労働組合と党の相互作用で労働者を労働者階級として階級形成することにある。そういう党の目的意識性が求められている。革共同合同・一般労組委員会は断固、その先頭に立つ。
合同労組運動は困難・試行錯誤の連続である。新自由主義の激しい情勢に負けず、労働者・労働組合が主体的・主導的に情勢を切り開く姿勢こそが、職場と社会を変革する。新自由主義を終わらせる労働運動の再生・形成をめざし、改憲・戦争阻止へ11・7労働者集会に大結集しよう!
〔革共同合同・一般労組委員会〕