各地で「棘2」上映会 関生と共に11・7集会へ
各地で「棘2」上映会
関生と共に11・7集会へ
映画「棘(とげ)2」の上映会運動が各地で取り組まれ、関生支部への共感と弾圧への怒りが広がっている。関生支部と共に全ての力を11・7労働者集会に結集しよう。(編集局)
街宣で議論の輪当日飛び入りも
大行進東部 K・S
9月26日、JR錦糸町駅前のすみだ産業会館で「棘2」の上映会が改憲・戦争阻止!大行進東京東部実行委員会主催で行われ、50人が参加した。
上映会の前に行った錦糸町街宣からも2人が参加した。「本日上映会」の看板を掲げた街宣では多くの人が立ち止まり、議論の輪ができた。「そんなひどいことがあるのか」と関生弾圧に驚き、この間のコロナ対応やオリンピック強行と併せて自民党政権に対する怒りがどんどん出てくる。「今日は行けないが見たい」という人も多くいた。いまの組合はダメだと怒る元全逓組合員と意気投合したり、関生を批判する建交労の役員と称する人物と論争になったりもした。
右翼と思われる人物が「ネットで見たけどヤクザみたいな組合だ」と絡んでくるも「関西生コンの組合事務所を襲撃してきた連中がヤクザだ。関西生コンはこういうヤクザと闘っている組合だ」と切り返すと話をそらす。そういう中から2人が参加し、1人は、「今日は馬券を買いに来たがこの映画を見れて良かった。感動した。今日を機会にいろいろ勉強したい」と率直に語ってくれた。関生を支援しているがまだ見ていなかった人も「卑劣な弾圧に『3倍返し』を展開する痛快さと明るく不屈の労働者魂を感じた」と語っている。
上映後に「これはさらに広く呼びかけて、東部の別の場所で上映会を行うべきだ」「前作の『棘』を見ていないので見てみたい。一緒に上映するのはどうか」などの感想・意見が寄せられた。杉浦弘子監督・平林猛プロデューサーの熱意と気迫が映画からにじみ出ていた。それが労働者を引き付けてやまない。
「友愛」こそ労働運動のカナメだ
東京 芦部矢一
9月23日、いのち守る!改憲・戦争阻止!大行進中部・南部の会主催の東京・新橋で行われた「棘2」上映会に参加した。最初から最後までド迫力のインパクトのある映画だった。プロデューサーの平林猛さんのインタビューを受けて語る武建一委員長。釈放から間もない撮影にもかかわらず闘志がみなぎり「老い」や「疲れ」を感じさせない。眼光は鋭いが、語り口は柔らかく表情は優しい。
印象に残るシーンの一つは拘置所の独房の様子。四畳の狭い部屋の中、一畳はトイレと洗面所。個室ではなく「お尻丸出し」の非人間的なトイレ。一日中正座しなくてはならない規則。推定無罪で刑罰的な処遇は許されない拘置所で拷問のような処遇がまかり通っている。そのような処遇にあっても戦前の共産党員や韓国の軍事政権に抵抗した人々のことを思い「こんなことでへこたれないと頑張った」と武委員長は語る。映画には反弾圧の闘いの現場が多く登場する。裁判の傍聴闘争、支援団体の会議、2020年の11・1労働者集会が映し出され、その中にデモや集会で顔なじみの仲間も見える。身近な親しみも感じた。
上映に続いて労働社会学者の木下武男さんの「関生型ユニオンの広げ方」と題するトークも行われた。木下さんは関西生コンのような業種別・職種別ユニオンを作るのは簡単でないと前置きしつつ、「組織化」「ユニオンの種作り」「下層労働者の結集軸」「ユニオンへの接近の契機」といった道すじを示し、それぞれに事例を紹介した。労働組合は歴史的にヨーロッパの友愛協会から生まれた。近代市民社会の基本的理念は「自由(リベルテ)」「平等(エガリテ)」「友愛(フラテルニテ)」。労働運動に最も重要なものは「友愛」であり、「ひとの痛みは己の痛み」という関西生コンの精神そのものと木下さんは言う。とても力づけられた上映会だった。