JR民営化体制は崩壊 延命かけた大合理化粉砕を 破産した外注化の矛盾を突く 組織拡大へ決戦構える動労千葉
週刊『前進』04頁(3214号03面01)(2021/10/11)
JR民営化体制は崩壊 延命かけた大合理化粉砕を
破産した外注化の矛盾を突く
組織拡大へ決戦構える動労千葉
JR体制=国鉄分割・民営化体制の危機は、何よりも外注化の破産として現れている。
国鉄分割・民営化は、公共事業だった国鉄の業務を営利事業にした。資本の利潤獲得がその目的になった。資本がもうけるためには、労働者の賃金を切り下げなければならない。だから国鉄の民営化は、民営化だけには終わらなかった。鉄道の主要な業務を外注化し、賃金の低い非正規職労働者にその業務を担わせる攻撃が、分割・民営化から約20年後には本格的に始まった。
外注化は、資本が労働者を非正規職化するための主要な手段になった。JRがその主軸を担い、労働者の4割弱、約2千万人が非正規職に突き落とされる社会が生まれた。
新世代の執行体制
動労千葉は9月26〜27日に開いた第51回定期大会で、外注化阻止闘争と反合理化・運転保安闘争の再構築を方針の軸に据えた。関道利委員長―渡辺剛史書記長を軸とする新世代の執行体制は、その方針のもと、組織拡大の大決戦に打って出る動労千葉の強固な決意の表れだ。JR千葉支社管内で車両の検査・修繕―構内運転業務の外注先になっているのはCTS(千葉鉄道サービス)だ。動労千葉は外注化や組合員のCTSへの強制出向と闘う中で、幕張事業所で関委員長が職場代表に3選されるなど、着実な勝利を重ねてきた。これを基礎に動労千葉がCTSで組織を拡大すれば、外注化は必ず阻止できる。その条件は、JR体制が危機にあるからこそ煮詰まっている。
CTSでもプロパーの青年労働者の中途退職は後を絶たない。JR千葉支社は検修・構内業務の外注化を強行した2012年10月以来、「10年間でCTSが独自に業務を遂行できる体制をつくる」と豪語してきた。だが、青年労働者は職場に定着せず、技術継承は断ち切られている。実際の業務の軸を担っているのは、国鉄時代に採用されたエルダー社員だ。そのエルダー社員も大量に退職する時期を迎えている。
CTSには65歳以上の労働者を嘱託として再雇用している実例がある。にもかかわらず動労千葉組合員の再雇用は拒んでいる。このままでは業務が現実に回らなくなる。これは鉄道業務の大半を外注化したことによりJRが抱えた矛盾だ。動労千葉は定年延長を求めるとともに、この矛盾を突き、希望者は65歳を超えても再雇用を求める統一対応方針を確認した。
そこには、高齢になっても職場にとどまり、動労千葉の闘いを受け継ぐ次世代を必ずつくるという並々ならぬ決意が込められている。これが実現すれば、外注化は粉砕できる。JR資本の延命をかけた基本戦略を打ち砕けるのだ。
労組過半数代表へ
CTSはもともと車両の清掃を請け負うJRの子会社だ。その清掃労働者の怒りが根底から爆発した。CTS幕張事業所は、これまで17人で行っていた夜間の清掃作業を14人で行えと言ってきた。JRとの契約で、通常清掃を単価の安い簡易清掃に切り替えたことがその口実だ。この間、清掃労働者は手当の支給も全くないまま、車両の消毒作業などの労働強化を強いられてきた。だが今回、労働者の怒りが噴出し、10月からの要員削減を阻んだ。この事態の根底には、外注化と対決してきた動労千葉の長年の闘いがある。動労千葉はCTSで職場過半数代表から労組過半数代表に飛躍する新たな挑戦を開始した。闘いを通して労働者は団結を学び、階級性を取り戻す。その実践を貫く動労千葉に学び、11・7労働者集会を労働運動再生の場として勝ち取ろう。