11・7こそ労働者の政治選択 労組なき社会と改憲・戦争に突き進む岸田新政権打倒へ

週刊『前進』04頁(3214号01面01)(2021/10/11)


11・7こそ労働者の政治選択
 労組なき社会と改憲・戦争に突き進む岸田新政権打倒へ


 10月4日に岸田新政権が発足した。岸田政権は、資本主義・新自由主義の破産と崩壊にのたうちながら、改憲・戦争と新自由主義を破滅的に推し進めようとしている。19日公示―31日投開票の衆議院総選挙の過程で、野党はなんの対抗軸にもなれず、改憲・戦争攻撃への屈服を深めようとしている。この総選挙情勢と対決し、11・7全国労働者総決起集会に労働者階級人民の怒りを総結集させよう。「終わらせよう!新自由主義 とめよう!改憲・戦争」を掲げる11・7集会こそ全労働者の政治選択だ。あと1カ月の組織戦に全力を挙げよう。階級的労働運動を再生させ、労働者階級の団結した力を登場させよう。韓国・民主労総の10・20ゼネストと連帯する11・7集会の歴史的成功をかちとろう。

争闘戦と戦争へ国家総動員

 岸田は首相就任翌日の5日、米バイデン大統領と電話会談で日米安保条約5条の「尖閣諸島」(釣魚島)への適用を早速確認した。閣僚人事でも、反中国の外交・軍事政策を進めてきた茂木敏充外相と岸信夫防衛相を留任させた。さらに党幹事長に甘利明、政調会長に高市早苗、官房長官に松野博一といったように、政権および党の中枢を安倍・麻生直系で固めた。
 だが岸田新政権は安倍・菅両政権の単なる継承・延長ではない。4月日米首脳会議で中国侵略戦争を決断したにもかかわらず、菅政権は打倒され、いまだに改憲もできていない。その日本帝国主義・支配階級のすさまじい焦りを背景に、改憲・戦争に向かってより破滅的に凶暴化するしかないのが岸田政権なのだ。総裁選で岸田と争った河野太郎は、党員票や世論調査では1位だったが、原発・核にあいまいな態度をとり続けたがゆえに引きずり降ろされた。帝国主義としての延命をかけて改憲と核武装・戦争に突き進むというのが、日帝支配階級の決断なのだ。自民党総裁選はそのことをはっきりと示した。
 経済安全保障担当相の新設も決定的な踏み込みだ。経済安保とは、安保戦略上重要とされる産業の育成、軍事転用可能な技術・データの流出阻止、半導体の供給網の確保などを国家戦略として展開することだ。国家による投資規制や企業への統制なども含まれる。9月の日米豪印4カ国(クアッド)首脳会談でも、対中包囲網としての経済安保の重要性が強力に確認された。日米安保同盟の再編・強化とも一体で、戦争に向かって軍事も経済も一体化させた国家総動員体制を構築しようとしているのだ。
 岸田は被爆地・広島選出を押し出し「核兵器のない世界」などと語るが、現実に進めていることは大軍拡であり、原発再稼働・新増設そして核武装だ。沖縄・先島諸島のミサイル基地化の上に、本土を含む中距離ミサイル(核搭載可能!)配備計画も米帝との間で進めている。また岸田は新たな国家安全保障戦略(NSS)の策定と併せて、敵基地攻撃能力の保有を視野に入れた防衛計画の大綱および中期防衛力整備計画(中期防)の前倒し改定も打ち出そうとしている。
 今こそ改憲・戦争絶対阻止の闘いを全国で拡大し、そのうねりを11・7集会に総結集させよう。

国鉄闘争解体の甘利が中枢

 〈コロナ×大恐慌〉情勢の新たな激化・深化と新自由主義の大崩壊こそが改憲・戦争攻撃のエスカレーションをもたらしている。日帝・岸田は労働者人民の怒りに震え上がり、「新自由主義からの転換」とか「新しい資本主義」なるスローガンを掲げているが、その正体はより極端化した新自由主義と「労組なき社会」化攻撃の徹底だ。
 自民党幹事長への甘利の起用はそれを示している。甘利は国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を狙った2000年の「4党合意」の際、これを推進した4党協議の座長であり、「国労本部は闘争団を除名しろ」と公然と要求した人物だ。02年の国労5・27臨時大会闘争弾圧の首謀者でもある。その後、第2次安倍政権下ではTPP担当相となり、また経済財政諮問会議や産業競争力会議を取り仕切る経済再生担当相として「岩盤規制改革」を叫んできた。16年には建設会社から「口利き」の見返りとして違法に金銭を受け取ったことも発覚。その甘利を岸田はあえて起用したのだ。
 岸田政権との対決の核心は、労働組合をめぐる攻防だ。連合が日教組委員長・清水秀行を新たに事務局長に据えたことも重大だ。日教組に改憲・原発推進の連合路線への転向を迫り、産業報国会化の旗振り役を担わせようというのだ。
 こうした情勢だからこそ、国鉄・関生決戦を軸に階級的労働運動をよみがえらせる挑戦を続けてきた勢力が、労働者階級人民の怒りの結集軸として登場しなければならない。そしてそれは圧倒的に可能だ! 確信をもって11・7集会への結集を訴えよう。

今までの「枠」超え組織化を

 岸田新政権の支持率は新政権発足時としては最低レベルの49%(毎日新聞)。安倍・菅を打倒した労働者階級人民は、岸田新政権の腐敗した反動的正体を見抜いている。その怒りは野党や連合の屈服・転向を突き破り、社会の根底的変革と闘いを求めている。労働者階級が選択すべきは岸田・自民党でも野党でもなく、11・7集会だ。「腐り果てた資本主義社会に引導を渡し、新しい歴史を作る、新しい社会を作るのは労働者の団結した力、団結した闘いです」(動労千葉定期大会議案)。渦巻く怒りを労働者階級として一つの力に組織することが時代を動かすのだ。
 11・7集会まで残り1カ月。猛然と組織戦にうって出よう。階級的労働運動の新たなうねりは始まっている。鉄道、港湾、交運など民間を大動員した陸上自衛隊大演習に対し、全国で戦争絶対反対・戦争協力拒否を闘う労働組合をつくりだそう。
 都立病院独立行政法人化阻止の決戦、JR大再編や郵政土曜休配との闘いも職場から火を噴いている。各地の「棘(とげ)2」上映会でも連帯の輪が大きく広がっている。これまでの「枠」を大胆に超え、あらゆる組合・職場に分け入り、11・7集会への賛同と参加を呼びかけよう。

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