職場からの通信

発行日:

週刊『前進』04頁(3213号02面04)(2021/10/04)


職場からの通信

(写真 裁判後に行われた報告集会【9月21日 奈良市】)

誘われる側から誘う側へ
 介護施設職員 東京

 コロナが流行し始めてからのこの1年半、医療・介護・福祉職場は毎日が闘いの連続でした。職場闘争に加えて区や都に対しても行政交渉を行い、先日は厚生労働省にも陳情に行きました。東京では都立病院独立行政法人化の反対闘争も正念場を迎えています。私の職場では3分の2以上の職員が署名に応じてくれました! 闘いが進む中で、これまで誘われる側だった仲間(Aさん)が誘う側に回るという体験をしました。
 コロナは地域全体の問題でもあります。私は地域の組合や住民の方たちとコロナ禍における安全問題を考える住民の会を立ち上げ、昨年5月から活動してきました。そこにはAさんも参加しています。
 先日、住民の会の呼びかけで「都立病院なくすな!講演会」を企画しました。労組交流センター医療福祉部会や改憲・戦争阻止!大行進の仲間とつくった実行委員会に参加された方々の話を、Aさんは感心しながら聞いていました。
 その中で、講演会に向けた街宣をやろうと決めました。Aさんにとっては街宣デビューです。ドキドキでしたが感動の連続でした!! いつもは奥ゆかしいAさんが通行人に対して軽やかにビラを渡し「PCR検査の話の時には受け取りがよかったよ」などと感想を述べてくれたのです。講演会当日は地域の方もたくさん来てくださり、街宣をやってよかったですね!と喜びを分かち合いました。
 総括会議も実行委員会で行いました。私はAさんが実行委員であると自覚している今、「都立病院独法化反対の街頭署名をやりませんか」と提案しました。そして街宣当日は実行委員会から4人が参加しました。2人が交替でマイクを握り、残りの2人が署名を集める展開となり、なんと40分ほどの街宣で23筆も集まったのです!! ものすごい反響にみんなが元気になり、Aさんは「知り合いにも署名をもらってくる」と署名用紙を持ち帰って3筆も集めてくれました。
 今回、「実行委員としての自覚がその人のあり方を大きく変え、運動全体を前進させる」ことを目の当たりにしました。11月集会まであと1カ月。各地に実行委員会をつくり、運動を広げましょう。
(大空茜)

書記解雇撤回裁判始まる
 自治体 奈良

 今年3月末に自治労奈良市従業員労働組合から懲戒解雇された書記の吉谷宏子さんの裁判が始まりました! 9月21日、奈良地裁大法廷には60人もの仲間が集まりました。被告側の奈良市従本部は代理人の自治労顧問弁護士すら欠席するという逃げ腰の追い詰められた姿を露呈しました。
■闘う組合が求められる
 裁判で吉谷さんの意見陳述が堂々と行われました。
 「一日も早く私の解雇と除名が撤回され、書記として組合員として労働組合の先頭で仲間と共に闘いたいです。委員長や書記長とは、奈良市の清掃や下水道の民営化攻撃との方針をめぐって意見が対立するようになりました。その時に清掃職場でセクハラ・パワハラ事件が起きました。私は(被害者の)Aさんと共に闘う決断をしました。労働組合には差別・分断を団結に変えていく無限の力があります。私はそのことを実践したのであり、正当な労働組合活動です。それを除名や懲戒解雇で排除するのは、絶対に間違っています。世界はコロナと戦争でおびただしい数の労働者の命が奪われている中、公的医療を取り戻すため、自治体職場に闘う労働組合が待ったなしに求められており、未来のかかった闘いです」----。傍聴席は感動に包まれ、裁判報告集会も意気高くかちとられました。
 今、奈良市清掃職場は大変な民営化攻撃にさらされています。いよいよ最終決戦です。基準を超えるダイオキシン類が検出されたという口実で、8月23日から清掃工場が全面停止されました。そのゴミを処理するために、大栄環境という全国的に有名な民間企業が入り込み、多額の税金が投入されていることも明らかになりました。ダイオキシンは猛毒です! 命と引き換えの民営化に対して、今こそ労働組合が真実を明らかにするために声をあげる時です。
 10月24日、大阪市で「セクハラ・パワハラ解雇をぶっとばせ!集会」が行われます。民営化のためにセクハラ・パワハラを使って非正規職場を支配してきたことが鮮明になっています。「奈良の仲間のように闘えば勝てる!」ということが具体的に伝わる集会です。みなさん、階級的労働運動で労組権力奪取に向かって共に闘いましょう!
(関西 B)

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