陸自大演習に全国で反対を 中国侵略戦争を準備 労働者人民も総動員

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週刊『前進』04頁(3212号01面02)(2021/09/27)


陸自大演習に全国で反対を
 中国侵略戦争を準備
 労働者人民も総動員

(写真 「中国への侵略戦争を準備する大演習をやめろ」。改憲・戦争阻止!大行進と全学連が防衛省前で抗議【9月15日】)

 陸上自衛隊が9月15日に開始した実動演習は、全国160カ所の駐屯地・演習場から隊員約10万人、車両約2万台、航空機120機を動員する史上最大規模の演習だ。陸自全部隊を対象としたのも1993年以来28年ぶりとなる。93年の演習では北方への部隊移動を主内容としたが、今回は中国との戦争を想定し、北海道、本州、四国の部隊を九州の演習場や駐屯地へと移動させる。海上自衛隊、航空自衛隊、在日米陸軍も支援部隊として出動する。
 陸上幕僚監部は訓練内容として、①出動準備訓練、②機動展開等訓練、③出動整備訓練、④兵站(へいたん)・衛生訓練、⑤システム通信訓練を挙げ、「作戦の準備段階に焦点を当てて五つの訓練を実施し、運用の実効性向上と抑止力・対処力を強化」するとしている。「抑止力」という言葉を取ってつけたように入れているが、本当の目的は戦争を未然に「抑止」することでもなければ、住民の命を守ることでもなく、労働者人民を中国との戦争に総動員するための体制を構築することにある。訓練内容を具体的に見れば明白だ。
 「出動準備訓練」では、作戦の遂行に必要な各種装備品を指定された場所に集積し、「機動展開等訓練」では全国の陸自部隊を移動・展開させる。「兵站・衛生訓練」では、戦争遂行の要をなす後方支援体制の構築のため、武器・弾薬、食糧、燃料、被服などの補給品の輸送訓練を行う。ここで重要なことは、「海上・航空自衛隊及び米軍の輸送支援を受けるとともに、民間の各種輸送力を活用し、全国規模での機動展開や補給品等の輸送を実施」(陸上幕僚監部)するとしていることだ。鉄道や海運などで働く民間労働者を自衛隊の作戦に動員することが演習の最大の眼目なのだ。また「出動整備訓練」では予備自衛官の参加も想定され、「システム通信訓練」では民間の情報通信産業の動員もありうる。
 この自衛隊の演習開始と並行する形で、台湾国防部は13日から5日間、対中国を念頭に大規模軍事演習を実施。一般道路を空軍の滑走路として使用し、米国製のF16戦闘機などを離着陸させる訓練も行った。すでに米インド太平洋軍は、台湾海峡をめぐる中国との戦争において、九州、沖縄、先島諸島や台湾を戦場にすることも辞さない構えで戦争準備を進めており、そのもとで自衛隊は最前線で戦闘を担うことを想定されている。今回の自衛隊の演習は、それ自体が中国への挑発であるとともに、このような血みどろの戦争に労働者民衆をも動員しようとするものだ。
 全国で戦争動員反対の声を上げ、陸自演習を中止に追い込もう。
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