医療崩壊とめる道見えた 練馬での講演集会が大盛況

週刊『前進』04頁(3210号02面02)(2021/09/13)


医療崩壊とめる道見えた
 練馬での講演集会が大盛況

(写真 医療・介護・福祉現場の労働者が結集【9月4日 東京・練馬区】)

 「都立病院をなくすな!」を掲げ、2月から都内各地で集会が行われています。9月4日に練馬で「日本の医療崩壊をくい止める」というテーマで開催された本田宏医師の講演会に参加しました。主に都内の医療・介護現場の労働組合が運営を担った集会です。予想を超える数の参加で、本田先生のだじゃれ満載ノリノリの講演と、医療介護労働者のまさに命がけの職場報告に会場全体が集中し一体となりました。
 講演では、日本では戦争による財政難を理由に公的医療が切り捨てられていったこと、さらに1980年代初頭の新自由主義の出発点で「米・国鉄・健康保険」が国を亡(ほろ)ぼす3Kとして「行政改革」の標的にされたことが指摘されました。医療費(診療報酬)が抑制される一方で、医薬品企業(「財界」!)の利益率や内部留保は増えているという表やグラフに怒り心頭です。コロナ以前から病床数に対し圧倒的に足りない医師と看護師の数、しかも世界では医療費負担は無料か小額が当たり前とのこと。「消防署や警察が赤字だって言われることがありますか?」——確かに! 医療は社会保障のはずなのに、日本ではお金で買うものにされている!
 司会を務めた一陽会労組の委員長は、職場クラスターの発生に際して「検査は任意で」としていた法人に「全職員のPCR検査」を要求し、職場の支持を得たことで、次に売店スタッフの感染が判明した時には職員や協力会社スタッフなど230人以上の検査が実施されたと報告。活動報告では泉陽会労組の委員長から、東京都に「特養の入居者がコロナに感染した場合は夜勤の看護師を配置してほしい」と要求したところ「かかり増し経費(公費)で配置できる」との回答を得たことが話され、闘う労働組合の重要性を感じました。「医療崩壊をくい止めるには、現場の闘いと、それを包む地域の連帯が必要!」「職場で立ち上がり、地域でつながろう」というこの集会の趣旨がしっかり伝わりました。最後には医療労働者から「9~10月都議会での都立病院独法化の『定款』採択を絶対に阻止しよう」という熱い呼びかけがありました。
 コロナ感染症が問題化してから1年半、経験したことのない事態の中で私たちは試行錯誤しつつ闘いを積み上げてきました。1万筆を突破した都立病院独法化反対署名運動や都庁への申し入れ行動、都内各地での「都立病院なくすな」集会とデモ、オリパラ反対の闘いなど、常に職場の闘いと現場の怒りを目に見える形にして行動してきました。
 今回の集会は、これまでの私たちの運動の結実であると同時に、動労千葉など3労組を先頭とした労組交流センターの本格的発展の始まりだと感じました。集会参加者が反対運動の新たな仲間になれば独法化は阻止できます。菅に続き小池を打倒しましょう! 11・7全国労働者集会に集まりましょう!
(東京労組交流センター・M)
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