福島を返せ! 命を返せ! 国と東電は責任をとれ! 福島・農民 柳沢幹男
福島を返せ! 命を返せ!
国と東電は責任をとれ!
福島・農民 柳沢幹男
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「復興」を冠したオリ・パラが強行された。コロナ禍にあって労働者人民の命がいかに軽んじられたかを全世界に示した。それ自体許しがたいことだし徹底弾劾したい。その中で、福島の現実は復興などさらに程遠いものになっている。
日常的に被曝する
8月に飯舘村を訪れた。いったん全村避難したが、除染したところから解除となり今は一部地域だけが帰還困難区域となっている。福島県内には数は減らされているが放射線量を測るモニタリングポストが設置され、除染したところではあるが常時測定されている。飯舘村も生活圏の中に設置されている。その数値は場所によってまちまちだが徹底除染した役場の真ん中で毎時約0・2㍃シーベルトをやや下回る程度だ。
今回撮影した写真①は、民家が点在する地域の果樹畑の片隅に設置されているもので、毎時0・329㍃シーベルトを表示している(7月は毎時0・327㍃シーベルト)。後方には民家がある。畑である以上ここで日常的に作業をするわけだから被曝は避けられない。農民はいくら被曝しようとお構いなしというのか。さらに、子どもたちが遊んだり通行することもまた日常だ。
国が言うところの除染の基準=年間被ばく線量1㍉シーベルト以下は、国の計算方式でも空間線量率毎時0・23㍃シーベルト以下だ。それ自体ごまかしのものだが、この場所はそれすらも上回っているのだ。
もう1枚、写真②は、かつてのバス停なのだが、その表示は、なんと毎時0・47㍃シーベルトだ。これが「安心安全」を口にする知事のいる福島県の現実だ。
さらに民家直近の路上では毎時0・50㍃シーベルトの場所もある(写真③)。東京や大阪などでこのような場所があったら人が住んでいいと言うだろうか。他人事で済まされるだろうか。
生活の保障もろくにせず「自己責任」ばかりが押し付けられる。そんな横暴がまかり通ってしまっている。福島では原発事故による緊急事態宣言が継続中でいつ解除になるか全くわからない。そのうえで新型コロナによる非常事態宣言を県知事がした。福島県民は二重苦の下にある。しかし、津島ふるさと訴訟をはじめとした「福島を返せ」の声はやむことはない。
広島・長崎と連帯
新型コロナワクチンの集団接種でも具合が悪くなり亡くなった人が何人もいるのに、国も自治体も決して因果関係を認めていない。同様に、福島に住んでがんや白血病、その他の障害が出ても因果関係を認めるはずなどない。
実際、知り合いが急性がんになったが、福島医大に行っても因果関係を認めたという話は聞いていない。ご家族の方は「飯舘村ではもう何人もがんで亡くなっている。事故前はこんなことはなかった」と話している。
ましてや、福島第一原発から排出される汚染水の海洋放出となれば、計り知れない放射能汚染と被害の拡大になるのは明らかだ。
結局、国も県も東電も決して責任を取る気などないということだ。だとすれば、残る道は何が何でも責任を取らせるという闘いあるのみだ。
広島、長崎をはじめとした全国の被爆者の闘いが核廃絶の闘いの核心にある。その闘いに学び、続いて立ち上がろう。全国全世界から核も原発も一掃しよう。労働者人民の命とくらしを守る闘いの先頭に立とう。全国の仲間と共にとことん闘いぬく決意だ。