セブン松本オーナー裁判 「暴行」でっち上げを暴く

週刊『前進』04頁(3208号02面03)(2021/08/30)


セブン松本オーナー裁判
 「暴行」でっち上げを暴く


 8月20日、セブンイレブン東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーがセブン本部を訴えた裁判の第6回口頭弁論が行われた。この裁判は、時間短縮営業を行ったことで2019年12月にセブン本部からフランチャイズ契約を解除された松本オーナーが、契約解除は無効だとして大阪地裁に申し立てたものと、本部が店の明け渡しを求めたものとを一緒に審理している裁判だ。
 今回のハイライトは、セブン本部が証拠として提出した「松本オーナーが客に頭突きをした」と言われる録画ビデオの上映だ。このビデオは店舗全景が見える向かい側のマンション3階から常時盗撮されていたものである。公安警察お得意の内偵調査まがいのことを本部は行っていたのだ。年間2億円の役員報酬で元警視庁公安部長の米村敏朗を社外取締役として雇っているだけのことはある。
 19年の松本オーナーに対する契約解除攻撃の際には、松本オーナーとコンビニ関連ユニオンの弁護士とセブン本部側弁護士との「話し合い」が持たれ、本部側弁護士の北浦一朗はユニオン側弁護士にだけ「頭突きをした」と言われる動画を見せて「この松本オーナーの異常な様子の動画を裁判に出す。セブン本部が絶対勝つからからあきらめろ」と脅しをかけていた。松本オーナーが闘いをあきらめるとでも思ったのか!
 北浦は自ら証拠としてビデオを提出したにもかかわらず、法廷で上映することをかたくなに拒んでいた。しかし松本オーナー側弁護士の必死の努力で上映が実現され、約5分の動画がいよいよ法廷で公開された。
 裁判では約2㍍の画面に店舗の全景が映し出され、10㌢くらいの人影が動いているだけでそれが松本オーナーなのかどうかも全然わからない。「暴行」が行われるようなやりとりは全くない。本部側が提出した当該客の陳述書にある「いきなり頭突きを2回された」という事実は全く確認できなかった。そもそもこの客の陳述内容は二転三転していて、セブン本部の誘導で言わされたおよそ信用性のないものだ。この動画上映で、「松本オーナーの暴行」なるものは本部のでっち上げであることが完全に明らかになった。松本オーナーは法廷後の記者会見で「当然にも暴行などしていないことが証明された。うそで塗り固められたセブン本部の体質を変えていく」と決意を語った。
 セブン本部はオーナーを犠牲にして巨額の利益を得てきた。これに対して松本オーナーは「命より大切な契約はない」と訴えて時短営業に踏み切って闘ってきた。その松本オーナーに対して存在しなかったクレームと「暴行事件」をでっち上げて契約解除を強行し、それでも松本オーナーを屈服させることができないとわかると松本オーナーの店舗の駐車場に仮店舗を建設し、その費用3000万円を松本オーナーに請求すると脅して裁判闘争を断念させようとしてきた。絶対に許すことはできない。
 セブン本部は第2、第3の松本オーナーが出てくることに恐怖している。すでに公式発表でも大手3社のコンビニ2千店以上でオーナーが時短営業に決起している。松本オーナーの決起は全国に拡がっている。
 次回公判は10月15日、セブン本部側の証人喚問が行われる。松本オーナーの契約解除撤回をすべてのコンビニで働く仲間の団結した力で必ず勝ち取ろう!
(コンビニ関連ユニオン委員長 河野正史)
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