パラ・学校観戦続々中止に 都内各地で抗議・申し入れ
パラ・学校観戦続々中止に
都内各地で抗議・申し入れ
8月24日のパラリンピック開会式を前に各地で学校連携観戦も含めた中止を求める申し入れなどの行動が取り組まれました。投稿を紹介します。(編集局)
障害者がJPCに抗議
8月23日、関東障害者解放委員会と改憲・戦争阻止!大行進東京北部実行委員会、なんぶユニオンが東京中央区の日本パラリンピック委員会(JPC)へパラ中止を申し入れた。(申入書2面)
視覚障害者の元パラリンピアン河合純一が委員長を務めるJPCは国際オリンピック委員会(IOC)と連携した国際パラリンピック委員会(IPC)が公認するパラ大会責任機関だ。日本障がい者スポーツ協会という財団の内部組織として設置され、会長は元東京ガス社長の鳥原光憲だ。
JPCは16日の4者会談でのパラ大会強行確認を支持し、率先して声明を出している。しかし、パラが戦傷者の復員事業から始まった歴史に加え、障害者を利用した差別とスポーツビジネスへの拡大、地域医療の崩壊促進、学校観戦による能力主義・愛国主義注入は絶対に許せない。
約束した時間に3階の受付を訪れると、1階の出入り口に移動させられ事務局員が応対。申入書の読み上げは他の通行人の邪魔になると何度も妨げられたが仲間は最後まで力をこめて読み上げた。日頃はパラ大会の案内板をビルの正面に飾っているが、よほど抗議の声が怖いのかアポ時間帯だけ奥に隠した。結団式では副団長が学校観戦に触れ「どう判断すべきなのか私にも迷いがある」と述べる始末だ。JPCは申入書を受け取るが「回答はできない」の一点張り。選手団団長でもある河合委員長への要請も「何日も前からバブルの中にいるから手渡せない」と逃げまどうだけだ。
最後にビル前で抗議を込め総括集会を行った。関東障解委の仲間は「一部のエリート障害者を持ち上げ多数の障害者を切り捨てるパラリンピックに多くの障害者は反対している」と語った。板橋区からの参加者は「障がい者を競わせないで!」と書いたボードを用意し、「施設からも出られない多くの障害者がいることに触れない『障害者の理解』はウソだ」と断じた。なんぶユニオンの組合員は「頑張らない障害者にダメだとらく印を押す分断は許せない」と労働組合としての決意を語った。障害者手帳を持つ青年は「障害を乗り越えることの強調に異議あり! 障害者の逆境をますます拡大する」と大会を指弾。練馬区の医療労働者も「30万人の精神科病院収容者を隠した障害者報道は偽りだ!」と弾劾した。
障害者とスポーツの異様な政治利用はまさに新たな戦争の始まりであり、「人の世話になるな、自分で稼げ」と迫る新自由主義が生み出してきた。しかもその破綻は差別・分断の能力主義に暴力と「エセ科学」で愛国心と滅私奉公さえ植えつける観戦教育に走っている。だが障害者は戦争と労働者階級の分断・差別を許さない。共に闘おう。
(関東障害者解放委員会・K)
墨田・江東・江戸川 中止させる
東部
江東区が最初からパラ観戦を小中全校でやると発表し、墨田区と江戸川区が実施を検討していた。8月18日、婦人民主クラブ全国協東部支部が江東区・墨田区に中止を申し入れると、墨田区は即日中止を発表。23日には江東区役所で緊急のビラまきと区教委訪問をしたが姿勢は変わらず。
ここで学校を回った仲間から、江戸川区が全保護者に観戦実施のメールを送ったと報告が入った。
急きょ開会式の24日、江戸川区役所でビラをまき教委を訪問すると、「ビラは朝受け取りました。たくさんの意見をいただいて再検討しているところです」と一変していた。強い手応えを感じて帰ると昼には中止の発表が。やった! 江東区教委に電話して迫ると、これまた大動揺で「再検討しています。今日中に結論出します」と。その直後、NHKが「江東区が観戦中止」を速報。大勝利だ!
五輪観戦プログラム発表以来、各区に働きかけると共に学校現場を回ってきた。必死で反対の声を上げる教組と連帯して働きかけを強めた。校長会が観戦中止を申し入れた区もある。怒りを現場から組織し11・7へ!
(改憲・戦争阻止!大行進・東部 東野陽)
杉並区教委と区長に強く抗議
西部
改憲・戦争阻止!大行進西部実行委は8月18日、杉並区教育委員会と田中良区長への観戦中止の申し入れ、区役所前街宣をやりました。コロナ感染爆発下で強行する無責任さ、「共生社会にむけた教育的意味」とは逆の、差別と分断を教育現場にも拡大するもの、田中区長が一方的に都や国に働きかけ進めたことを示し、強く抗議しました。
22日にはJR阿佐ケ谷駅前で街宣。「『共生社会の実現』は普段の教育の場でやるべきことでは」「膨大な予算は医療や社会福祉、障害者施策につかえ!」と訴えました。中止まで闘います。
(改憲・戦争阻止!大行進西部 齊藤生太)
八王子で市教委と学校回り
三多摩
三多摩労組交流センターは8月23日、八王子市教委への観戦中止申し入れと学校回りを行いました。
学校現場では、あまりに無責任な観戦動員に対する教育労働者の怒りが爆発しています。ある義務制の学校では「子どもたちを観戦に行かせることは学校としての自殺行為だ。現場の苦闘を上の人たちは考えているのか」と。ある特別支援学校では「生徒にパラリンピアンがいて校長も悩んでいたが、この感染状況なので五輪前に中止を決めた」と話してくれました。労働組合の闘いで学徒動員を粉砕しよう!
(三多摩労組交流センター・内田晶理)