タクシー労組の行動が 五輪粉砕情勢つくった 〈投稿〉 自交総連SKさくら交通労働組合執行委員長 河野晃興

週刊『前進』04頁(3207号02面04)(2021/08/23)


タクシー労組の行動が
 五輪粉砕情勢つくった
 〈投稿〉 自交総連SKさくら交通労働組合執行委員長 河野晃興


 7月13日、東京五輪札幌開催の中止を求めて、タクシーの職場で署名を集めて札幌市長あてに署名提出・要請行動を行いました。この行動が翌日の北海道新聞にも掲載され、大きな反響を呼びました。当日の行動に対して札幌市側は、オリンピックの担当部局の局長などが対応し、必ず秋元市長に届けることと要請内容に関係する他の部局にも伝えることを約束してくれました。
 取材に来ていた記者(2社)からは、「職場の声を集めたこのような行動が地元の労働組合としては初めてであることに注目している」と言われました。8日間という短期間で職場の7割の声が集まったことやツイッターでの反響の大きさにも感心していました。記事の中では医療労働者への連帯にも触れてもらえてとてもよかったです。一連の市長への提出・要請行動、記者の取材、さらには組合員が家族に訴えて集めること、さくら交通以外に共同タクシー労組の仲間やSKグループの仲間などにも訴えることなどの行動は全て組合員との会議や日常の議論の中から方針化されたものでした。
 五輪開会式まで3週間を切った直前の段階で「いまさら止められない、もう手遅れ」という意見もある中で、「感染爆発すれば生活が成り立たなくなる」「誰のための五輪なのか」「札幌の医療が崩壊する」「医療労働者と連帯しよう」と訴えました。「自分は五輪大賛成だ」「マラソンのボランティアをやることになっている」「子どもに頼んだら署名は嫌だと言われた」「こういう署名なら百筆でもやりたい」「こんな(コロナの)時になぜ札幌でやるのか」「もっと早くから署名に取り組め」と様々な議論が職場で起こりました。
 北海道新聞の記事が掲載されると、「本当に市長に届けてくれたんですね」と組合員から声をかけられました。一緒に要請を行った組合員も労働組合の行動で札幌市当局やマスコミが動いたことに自信を深めていました。小さな労働組合の社会的行動が一つの情勢をつくったのではと思います。
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