8・9 核戦争と対決し集会 被ばく者手帳を長崎・福島に
週刊『前進』04頁(3207号02面02)(2021/08/23)
8・9 核戦争と対決し集会
被ばく者手帳を長崎・福島に
(写真 核兵器と原発、改憲に反対する長崎反戦反核集会【8月9日】)
「改憲反対! 核戦争阻止!」「菅は帰れ!」。8月9日早朝、NAZENナガサキは全国の仲間とともに長崎の平和祈念式典に参加する菅を徹底弾劾した。デモ隊は出発直後、目の前を通る菅の車列に対して弾劾するシュプレヒコールをあげ、さらに会場近くで式典に参列した菅に再度シュプレヒコールをたたきつけた。(前号に写真速報)
長崎には「被爆体験者」と呼ばれる「黒い雨」による被爆者がいるが、広島の「黒い雨」訴訟の被爆者側勝利判決後も菅は「被爆体験者」への被爆者健康手帳の交付を拒否している。長崎の式典でも菅は「被爆体験者」に一切言及せず。怒りがデモで爆発した。
長崎県勤労福祉会館で開かれた午後の集会では、被爆者の城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんが「被爆76周年の今、想うこと」と題して開会のあいさつを行った。城臺さんは自らの「地獄のような」長崎の被爆体験を想起し、「『清国から朝鮮を守る』として朝鮮侵略は始まったが、今また『台湾を守ろう』『中国に対抗する』として戦争の準備が進んでいる」と、新たな核戦争危機の高まりに危機感を表明。そして「核兵器禁止条約」を拒否する日本政府を弾劾し、「黒い雨」訴訟勝利を長崎と福島の被ばく者運動の勝利につなげようと訴えた。
続いて8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局の保科衣羽さんは、式典中のデモを禁止する「平和推進条例」と対決し6日のデモをかちとったと報告した。
NAZENふくしま代表でふくしま共同診療所運営委員の椎名千恵子さんが福島の現状を報告し、「原発事故をなかったものにする」オリンピックが破産したことを明らかにした。そして「黒い雨」訴訟の勝利を福島での被ばく者健康手帳を獲得する運動にしていこうと提起し、ヒロシマ・ナガサキとの連帯を固く誓った。
さらに長崎で7月に福島の子どもたちを招待した保養のビデオが上映され、「コロナ対策をとってやりぬいた」と報告された。
「戦争と改憲に反対して 現場での闘い」と題して石木ダム建設や放射線副読本をめぐる状況が報告され、改憲・戦争阻止!大行進事務局が今秋の改憲・戦争阻止と九州での対中国の自衛隊大演習との闘いを提起した。7・23五輪開会式粉砕闘争で不当逮捕された仲間は「実力闘争は支持されている」と訴えた。
協賛団体から動労総連合・九州の羽廣憲委員長が発言し、「反戦闘争は労働組合の課題。全力で闘う」と訴え、続けて動労千葉のメッセージが紹介された。
「運動の現場」から玄海原発・川内原発反対の発言、レイバーユニオン福岡のアピールが行われ、NAZENナガサキの橋里耕悟事務局長が、「コロナとオリンピックで日本の権力構造の腐敗があらわになった。弾圧を許さず、現場での闘いを軸に、11月労働者集会に集まろう」とまとめを提起した。最後に「すべての核を廃絶し、戦争につながる憲法改悪に反対する集会決議」を採択した。
前日の8日には原爆資料館見学と城臺さんによる平和講話が行われ、被爆の実相や長崎の被爆遺跡などについて学んだ。