自治労大会に向け訴える 「労組なき社会」化と対決し 絶対反対で闘う労働運動を
週刊『前進』04頁(3206号02面03)(2021/08/16)
自治労大会に向け訴える
「労組なき社会」化と対決し
絶対反対で闘う労働運動を
8月25〜26日、自治労大会が「完全Web」の形で開催される。コロナ下で労働者の命と生活を踏みにじり破滅へ突進する菅政権への怒りが形となって噴出し、階級情勢―自治体労働運動情勢は極めて重大な局面に入った。戦争に向けた「労組なき社会」化と対決し新自由主義を終わらせる階級的労働運動の飛躍へ、11・7労働者集会を当面の最大の結集軸に全国の単組・職場で闘いぬこう。
「台湾有事」参戦阻止・菅打倒へ
何より米日帝国主義による中国侵略戦争=「台湾有事」参戦・戦争国家化絶対阻止、菅政権打倒へ、闘う労働組合の団結をよみがえらせて全力で闘おう。東京五輪開会式を直撃する7・23闘争が全学連を先頭に労働者民衆の実力で闘いぬかれた。さらに8・6広島闘争が地元・自治労広島市の闘いと結合し、反戦・反核闘争の圧殺を狙う「平和推進条例」弾圧態勢をはね返してかちとられた。今やパラリンピック中止を求める声が拡大している。新自由主義・菅政権打倒へ労働者の怒りが解き放たれ階級情勢は一変した。
菅政権はコロナ感染爆発下での五輪強行でますます体制崩壊の危機を深め、帝国主義としての延命をかけて戦争国家化に絶望的に突進しようとしている。今秋「台湾有事」を想定した陸上自衛隊14万人の空前の軍事演習が計画されている。中国侵略戦争は沖縄を核ミサイルが飛び交う戦場とし日本全土、東アジア、全世界を核戦争の惨禍にたたき込むものだ。沖縄・辺野古新基地建設、先島諸島や九州に対する自衛隊配備を許さない闘いと一体で、全国で反基地・軍事演習阻止の闘いに立ち上がろう。
全国の自治体労働者・労働組合は反戦闘争・反基地闘争の中軸となり闘ってきた。極右ジャーナリスト・櫻井よしこが憎しみを込めて解体を叫ぶ通り、国鉄闘争と共に自治労・日教組の闘いが改憲・戦争を阻む大きな力となってきた。それが今や中国侵略戦争準備が進行する中で、自治労本部は今大会議案で「中国覇権主義」「台湾問題」に言及するところにまで転落した。日帝・菅政権と共に改憲国民投票法に賛成した連合と立憲民主党、政権公約から「日米安保廃棄」を投げ捨てた日本共産党の変質を許してはならない。今こそ戦争絶対反対で闘おう。
人員増と非正規職全員を正規に
コロナ感染拡大は爆発的に進行し、全ての矛盾が医療や自治体の現場に押し付けられている。菅政権によるコロナ患者の入院制限の暴挙は保健所を直撃し、限界を超えた過重労働・長時間労働を一層強いている。保健所・保育所などあらゆる職場で、絶対的な人員不足と業務破綻・安全崩壊の危機が迫っている。今こそ労働組合の出番だ。正規職の大幅増員が必要だ。現場に怒りと闘いの機運が満ちている。当局、既成労組幹部の言う「財政危機」や「コスト削減」など口実にもならない。コロナ危機と人員不足を逆手にとり、民間委託の拡大と正規職を会計年度任用職員など非正規職に総入れ替えしようとする攻撃が激化している。これに対し非正規職の仲間が労組に結集し闘いを開始した。正規・非正規職の分断を許さず非正規職撤廃、全員の正規職化へ闘いぬこう。一時金削減の人事院勧告と対決し一律大幅賃上げをかちとろう。
民営・民間委託職場を元に戻せ
自治労本部は2000年代に「攻めの民営化」を掲げて民営化を自ら提案していく。「(国の手で財政破綻させられた)第2の夕張になるな」と叫び賃下げや人員削減・非正規職化、公立病院の独立行政法人化・民営化、保健所の廃止に協力していった。これが今日の医療崩壊の現実をつくり出したのだ。当局はとりわけ現業の民営化・外注化・非正規職化を進めた。自治労本部はこれと闘うのではなく、「職の確立」と称する「働こう」運動、民営化・民間委託、現業業務からの「任用替え」=職種変更を推進してきた。今や自治労都本部は7月都議選で都民ファーストの会を推薦し、民営化を進める「公民連携」を掲げるに至った。彼らは新自由主義の破滅的危機の中で産業報国会へ変質しようとしている。自治労本部は現業民営化・全廃へ全国の単組を屈服させようとしている。しかし現場の闘いを抑え込むことはできない。奈良市従の攻防は自治労内部に階級的労働運動を生み出していく闘いであり、市従本部=自治労本部との全面対決となっている。そして東京でついに民営化された保育園を「元の公立に戻せ!」という声が上がり、自治労本部路線との対決が始まった。小池都政は9月都議会であくまで都立病院の独法化を進めようとしている。職場と地域の怒りを糾合し絶対阻止しよう。