革共同の夏季アピール 破滅する新自由主義打倒へ 日本労働者階級の総反撃を 米日帝の中国侵略戦争を絶対許すな

週刊『前進』04頁(3205号02面01)(2021/08/02)


革共同の夏季アピール
 破滅する新自由主義打倒へ
 日本労働者階級の総反撃を
 米日帝の中国侵略戦争を絶対許すな

(写真 国鉄闘争全国運動が主催した7・4全国集会は、国鉄決戦勝利と関西生コン支部弾圧粉砕を軸に階級的労働運動がよみがえる圧倒的な展望を示した【7月4日 千葉市民会館】)

はじめに

 「五輪粉砕! 菅たおせ!」をスローガンに闘われた7月23日の渋谷デモと、同日深夜まで続いた国立競技場前での抗議闘争は、日本階級闘争の画期をなす歴史的な闘いとして世界にとどろいた。全学連は警察権力の規制を実力で突破し、厳戒態勢を粉砕して国立競技場に迫った。これに労働者民衆が続々と合流し、「オリンピックやめろ!」のデモコールが開会式を直撃。「君が代」斉唱や天皇の登場時にも怒りのコールが会場内に響き渡り、開会式の「厳かな」演出は台無しになった。全国から機動隊6万人と自衛隊8500人を動員して人民を威圧し、一切の抗議の声を封殺しようとした菅政権の狙いは、根本から粉砕された。
 この闘いは何よりも、新自由主義のもとで苦しめられ、抑えつけられてきた青年世代の自己解放闘争としてかちとられた。何度も機動隊に立ち向かう全学連の姿、マイクを握った学生の「私たちは勝てる!」という渾身(こんしん)の訴えは、多くの労働者民衆を奮い立たせている。そしてこの闘いの中から、革命に人生をかけて闘う若きリーダーが次々と生み出されている。
 また改憲・戦争阻止!大行進が呼びかけた7・23渋谷デモの先頭に、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が立ったことは決定的である。安倍と菅は「復興五輪」で福島の圧殺を狙い、関生支部への大弾圧とJRにおける労組解体を通して「労組なき社会」への転換を策動し、さらにコロナ禍をも逆手にとって改憲を狙ったが、そのすべてが労働者の闘いで粉砕された。医療・福祉労働者、教育労働者、自治体労働者は職場から立ち上がり、労働者階級全体の利害を体現して渋谷デモの先頭に立った。
 米日帝国主義の中国侵略戦争への策動が本格的に激化する中、これと真っ向から対決する階級的労働運動と学生運動が両輪となって、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への道が切り開かれている。この革命を全世界の労働者階級人民と共にかちとるために、確信をもって21年後半の闘いへ進もう。

Ⅰ国鉄・関生決戦の前進と五輪粉砕が階級情勢を一変させた

 国鉄闘争全国運動が呼びかけた7・3討論集会―7・4全国集会と7・23五輪粉砕闘争の画期的な成功は、昨年来の〈コロナ×大恐慌〉情勢のもとで、新自由主義を打倒する階級的労働運動が大きく前進し、この社会に渦巻く広範な怒りの結集軸となっていることを証明した。階級的原則を貫いて闘うことこそが、最も多くの労働者民衆を引き付け、団結を拡大する力を持っているということが示されたのである。

⑴動労千葉と関生を両輪に闘いとられた7・4の地平

 まずもって、関生支部と動労千葉が両輪となってかちとられた7・4全国集会の地平と、そこに示された階級的労働運動の巨大な展望について確認しておきたい。
 7・4集会では、関生支部・武建一委員長のビデオ講演を通じて、その闘いの歴史と教訓が全参加者に共有された。関生支部の闘いは、総評解散・連合結成の過程で企業内労働組合が力を失っていく中、関西一円の生コン労働者を組織し、スーパーゼネコンや大手セメント企業が支配する産業構造を揺るがす画期的な産別労働運動をつくりだした。経済闘争、政治闘争、思想闘争を自らの「社会的任務」とし、労働者なら誰でも加入できる大衆性と、組合員だけでなく全世界の労働者階級の利益を体現して闘う階級性を貫く労働組合だ。「ひとりの権利侵害に対して組織の総力を挙げて闘う」「資本に1発やられたら3発やり返す」「不当労働行為には原状回復以上のペナルティを科す」など、資本との日常の闘いの中で、労働者の階級的な団結をつくりだしていることに関生支部の強さがある。2018年以来、逮捕者89人という戦後かつてない労働運動弾圧に立ち向かってきた関生支部の闘いは、今、大きな転機を迎えている。
 大阪地裁は7月13日、武委員長に懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を出した。ストライキを指示したことや、企業に対してコンプライアンスを求めたことを「犯罪」とみなすという許しがたい反動判決だ。しかしながら重要なことは、関生支部の闘いと関生支部支援運動の全国的な広がりが、検察側が求刑した「懲役8年」という極悪の実刑攻撃を粉砕し、武委員長の収監を阻止する大きな勝利をかちとったことである。さらには「恐喝罪」でっち上げについては無罪とさせた。「闘えば勝てる」という実感が労働運動の中に生み出されたことが決定的だ。

動労千葉の新たな挑戦

 また7・4集会では、動労千葉の関道利委員長が「国鉄分割・民営化型の大攻撃に立ち向かう」と題して講演を行った。車両の検査・修繕業務の外注先である千葉鉄道サービス(CTS)での職場代表選で、幕張事業所に続き津田沼事業所でも勝利をもぎ取ったこと、また木更津支部で動労千葉の組織拡大がかちとられたことは、日本労働運動の変革に向けた巨大な一歩である。関委員長の講演はこのことを全参加者に確信させた。
 1987年の国鉄分割・民営化、2000年から本格化する鉄道業務の全面外注化攻撃、そして今、コロナを「千載一遇のチャンス」としてJR資本が仕掛けようとしている分割・民営化以上の大合理化攻撃。動労千葉の闘いは、文字通り資本・国家の総力をあげた新自由主義攻撃との全面対決であった。日本の労働運動の歴史において、民営化・外注化攻撃と真正面から闘えた経験はほとんどない。むしろ多くの労働組合が「闘っても勝てない」と民営化・外注化を積極的に推進し、それが労働運動の後退と膨大な非正規労働者を生み出す構造になっていった。
 だが、動労千葉が開始した「職場代表から過半数労組へ」の断固たる挑戦は、新自由主義攻撃の核心をなす外注化攻撃を根底から粉砕し、分割・民営化以来の国家・資本による一切の攻撃に歴史的大破産を突きつけるものとなる。「新自由主義の崩壊は、社会全体で起きています。敵の矛盾・弱点がどこにあり、味方が団結できる方針・展望がどこにあるのかをつかみ取って具体的な闘いに組織しなければなりません。新自由主義に断を下す労働運動をつくりあげましょう」(関委員長)。
 新自由主義を打倒する階級的労働運動が、広範な労働者民衆の怒りと結合し、大発展していく過程が始まったのだ。その跳躍台は国鉄闘争と関生弾圧粉砕の闘いだ。

7・3討論集会の成功

 「新自由主義を終わらせる労働運動の再生を」と題した7・3討論集会では、動労千葉、関生支部の闘いを教訓化する合同労組の提起と、医療・教育現場の実践が報告された。
 今年の春闘で、ワンマン運転の導入に反対して闘われた動労千葉のストライキは、鉄道の切り捨てによって加速する地方崩壊に怒る住民の運動と広く結びついて発展した。またコロナ禍で闘われた医療・介護労働者のストライキは、「命より金」の経営に労働者が買いたたかれ、資本の利潤と患者の命がはかりにかけられる現実を覆す闘いとして、患者や地域住民からも多くの支持を得た。
 ストライキを通して「この社会は労働者が動かしている」という実感が生まれている。経営や政府にお願いするのではなく、医療や教育を資本の金もうけの手段には絶対にさせないという闘いこそが、労働者を守り、医療を社会保障として、あるいは学校を子どもたちの教育の場として取り戻していく力となる。労働組合が社会に渦巻く怒りの先頭に立って闘うことを通して、労働者が自らの闘いの社会的意味を自覚する。そしてどんな攻撃にも揺るがない団結が生み出される。闘いを通して生まれる団結の拡大こそが新自由主義を終わらせる労働運動の核心だ。
 国鉄・関生決戦を両輪に、新自由主義を打倒する階級的労働運動の大発展へ全力で闘おう。

⑵コロナ危機を労働運動の再生に転化する必死の格闘

 こうした現場の闘いと深く結びつくなかで、革命的共産主義者同盟は今年2月、第27回全国委員会総会(27全総)を開催し、「資本主義の終わり」というべき革命的情勢の到来に際して、階級的労働運動を通して日本革命と反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への道を切り開くという基本路線を確定することができた。
 医療の崩壊、極端に拡大した格差や貧困など、新型コロナウイルスの感染拡大が明らかにしたものは、40年におよぶ新自由主義攻撃がもたらした社会崩壊の現実であった。怒りが渦巻き、社会を変えようと世界中で大反乱が始まっている。階級的労働運動とは、自らの労働条件の改善や改良だけでなく、資本家階級の権力を打ち倒して労働者が人間らしく生きられる社会をつくるための労働運動だ。コロナ禍のもとでの1年半に及ぶ職場・地域での実践は、階級的労働運動を建前にせず、労働者自身の力で現実の運動として切り開こうとする必死の格闘であった。
 「労働者は社会の主人公だ」という立場をかけ声だけにせず、一つひとつの具体的な闘いの中に貫くことは、コロナ禍のもとでの闘いにおいて最も大切なことだった。新自由主義攻撃の核心は労働組合破壊、労働者の団結破壊にある。これに対し、階級的労働運動を基本路線とする党の最も重要な任務は、資本によって生み出されるあきらめや絶望を打ち破り、日々労働者の階級的な団結をつくり出すこと、そして労働組合運動の中にプロレタリア革命の実現をめざして闘う党の意識性を貫くことで階級的労働運動の前進をかちとることにある。
 医療・福祉現場の同志たちは、コロナ以前から始まっていた病院の民営化に絶対反対で闘ってきた。職場では、経営者と一体化した既存の労働組合が闘う者を徹底排除し、「声を上げても変わらない」という絶望が組織されてきた。労働組合を変える闘いとは、この意識を日々の闘いを通じて打ち破ることだった。
 郵政の同志は、2007年に強行された郵政民営化に絶対反対で闘ってきた。当時、労働組合の役員を占めていた社会主義協会派は「国会で決まったことだから仕方ない」と民営化との闘いを放棄した。民営化との闘いは、資本・当局との闘いであると同時に、労働者の中に生み出される「闘っても勝てない」という思想との闘争でもあった。
 また、ある教組では一人の非正規教員の解雇をめぐる闘いが、階級的な労働組合への飛躍をかちとる転換点となった。「解雇された本人にも問題があったのではないか」という組合内での意見と粘り強く討論する中で、この問題は一人の非正規労働者の問題ではなく、すべての非正規労働者が置かれている現実だととらえたことで、闘いを通して組合の団結が強化されていった。
 コロナによって新自由主義の破綻が明らかとなった今、階級的労働運動の旗のもとに組合の違いや正規・非正規の分断を越えて労働者の支持と信頼が集まり始めている。「党の革命」以来の格闘が、資本・国家権力に屈服した労組幹部との力関係を確実に転換させている。この階級的労働運動路線に確信をもってさらに進もう。

⑶改憲・戦争の菅政権に怒り闘う全民衆との結合深める

 さらにわれわれは、4月日米首脳会談をもって一気に全面化・本格化した米日帝国主義の中国侵略戦争への動きに対し、改憲・戦争阻止!大行進運動とともに菅政権打倒の闘いに全力で立ち上がった。
 労働者民衆の行動がかつてなく活性化する中で、新自由主義への怒りと改憲・戦争絶対反対の声を一つに束ね、革命情勢を現実の革命へと転化していく闘いが求められた。それは同時に、日本共産党スターリン主義や立憲民主党の屈服・転向が一線を超えて進む中で、これを乗り越えて反戦政治闘争を具体的につくり出していく意識的な挑戦でもあった。
 改憲国民投票法、デジタル独裁法、重要土地調査規制法など改憲=戦争国家化のための立法を次々と強行した超反動国会に対し、怒りと危機感を募らせて国会前に駆け付けた多くの人々と共に、連日の国会闘争を闘い抜いたことも決定的だった。そして安保・沖縄闘争の重要性をあらためてはっきりさせ、青年・学生を先頭に5月沖縄闘争の高揚を切り開いた。さらに辺野古新基地建設阻止の闘い、横須賀、横田、木更津をはじめ全国で反戦反基地闘争への取り組みを強化しよう。
 そして韓国・民主労総との連帯、ミャンマー民衆との連帯、滞日・在日外国人との連帯を日帝・菅打倒の闘いとして意識的に取り組み、今国会で入管法改悪を粉砕したことは決定的だった。日帝のアジア侵略と闘い、外国人労働者を管理・抑圧する入管体制を粉砕する闘いは、階級的労働運動の再生にとってこれからますます重要な闘いとなる。

Ⅱ米日帝による中国侵略戦争の切迫に一大反戦闘争の爆発をv

⑴「台湾有事」と対中国政策の歴史的転換のもつ重大性

 今日の情勢の核心は、〈コロナ×大恐慌〉のもとでの新自由主義的延命策の破産と国内階級支配の崩壊=「内乱」的危機に直面したアメリカ帝国主義が、世界支配の巻き返しもかけて対中国の対決政策をエスカレートさせたこと、しかもそれを経済面での保護主義や制裁にとどまらず軍事力を行使することも辞さないところまで大転換したことにある。
 この米帝支配階級としての転換を強烈に自覚するバイデン政権は、中国を「専制国家」と規定し、これまであえて触れてこなかった「台湾問題」という中国の「核心的利益」を真正面から突き、戦争の具体的発動に向けて激しく動き出している。それは中国の分裂・解体と現在のスターリン主義体制の転覆を狙う全面的な侵略戦争となる。4・16日米首脳会談はその画期をなした。
 続く6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)も露骨な対中国「戦争会議」となった。首脳宣言には日米共同声明と同じく「台湾海峡の平和と安定の重要性」が盛り込まれた。さらに東・南中国海について「現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みに強く反対」とし、ウイグルや香港での中国の人権問題を列挙し、中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するための新たな途上国インフラ整備支援構想まで明記した。あらゆる問題で徹底的に「対中国」を貫く異例の内容となった。またサミット直前の米英首脳会談では、第2次世界大戦中の1941年に当時の米英首脳がナチス・ドイツへの対抗と戦後処理の基本理念に合意した「大西洋憲章」になぞらえ、「専制国家=中国」を念頭にした「新大西洋憲章」を採択。その後のNATO(北大西洋条約機構)首脳宣言でも、「安全保障上の利益を守るため、中国に関与していく」と、初めて安保上の課題として中国に直接言及した。
 一連の過程が中国へのすさまじい戦争挑発である。日英・独仏の各国帝国主義も独自の利害をもってこれに対応し、対中国政策をめぐって帝国主義間の争闘戦も激化している。だからこそ米帝は他の帝国主義国を圧倒するその軍事力をフルに行使し、中国侵略戦争にそれらの国々を動員していくことを通じて、米帝による世界支配を維持し、その利害を押し貫こうとしているのだ。
 米軍はこの8月、アフガニスタンから撤退し、イラクでも戦闘任務を終了すると発表した。だが、20年もかけてアフガニスタンやイラクも制圧できなかった米帝に中国との戦争はできない、などと考えるのはまったくの誤りであり、帝国主義に対する「平和主義的」な幻想以外のなにものでもない。1930年代のナチス・ドイツや日帝をみても明らかなように、存亡のふちにまで追いつめられた帝国主義はどこまでも凶暴化し、どんな戦争でもやる。今はそれを基軸国・米帝がやろうとしているのだ。実際米帝は中国を「最大の脅威」と定め、米軍の世界的配置を対中国の侵略戦争遂行のために全面的に再編しようとしている。それが今夏に米国防総省がまとめる「グローバル・ポスチャー・レビュー」(GPR=地球規模の米軍態勢の見直し)だ。これにより海外駐留の米軍の圧倒的多数が日本、韓国、東アジアに集中することになる。

⑵没落米帝が延命をかけて軍事経済化と戦争に突進

 この米帝の対中対決の激化―侵略戦争策動の背景にあるものは何か。
 いま米帝経済は、グーグル、アップル、マイクロソフトなど、ハイテク・情報通信産業を中心として空前の利益をあげ、NYダウ平均株価は3万5千㌦台に乗せて最高値を更新し、コロナ危機からいち早く脱しているかのように報じられている。だが、それはほんの一握りの「繁栄」にすぎない。
 米帝は昨年来、世界戦争級の財政出動と連邦準備制度理事会(FRB)による巨額の国債購入、金融市場への空前の資金供給を展開してきた。さらにバイデン政権は3月に成立させた1兆9千億㌦の経済対策に続き、インフラ投資や製造業の基盤強化などに8年間で2兆2500億㌦、育児・教育支援などに10年間で1兆8千億㌦の巨額を投じる経済政策を発表した。22会計年度の予算教書の歳出要求額は6兆110億㌦で過去最大となった。公的債務総額は5月20日時点で28兆2千億㌦に達し、9月末には国内総生産(GDP)比で128%と、それまでのピークだった1946年の118%を大きく上回った。議会予算局(CBO)は26年までに債務総額は34兆㌦に達すると試算し、法定債務上限の猶予期限も迫っている。だが米帝経済は、「空前の利益」と株高の中にあってもこの08年リーマン・ショック以来の超金融緩和をやめられず、巨額財政出動も縮小できなくなっている。もはや米帝をはじめ帝国主義世界経済は「自律的に」回復・成長することなどできなくなったのだ。
 米帝バイデンは、自らの経済政策をルーズベルトのニューディール政策になぞらえているが、それは結局はニューディールがそうだったように、巨大な軍需経済・戦争経済への大転換に向かって財政的・金融的弁を開くことになる(すでにそうなっている)。軍事予算はトランプ政権下で増え続けてきたが、バイデンはさらに22会計年度で史上最高額の7150億㌦(約79兆円)を計上。際限のない金融緩和と財政拡張は必ず軍需経済のさらなる肥大化をもたらす。そして、今度はそれが戦争を求めていくことにもなる。これからもっと巨大な体制的危機を大爆発させていくことになる米帝は、そのような過程に必ず突っ込んでいく。
 他方で〈コロナ×大恐慌〉は労働者階級人民をますます生きていけない状態に追い込んでいる。コロナ感染による死者は全世界で400万人、米国では南北戦争戦死者数に匹敵する61万人を超えた。「ワクチン頼み」の限界は明らかだ。労働者階級、とりわけ黒人などの貧困層に犠牲が集中している。「3月に米で家賃を滞納している人々は約1千万世帯と借り手の約2割に上った。3月までの推計滞納額は約9兆8千億円とコロナ前の数十倍。年収2万5千㌦以下の低所得層の延滞率は27%と7万5千㌦以上(9%)と比べ3倍だ」「20年3月〜21年1月で、米国内の所得上位20%は貯蓄を約2兆㌦増やす一方、下位20%の貯蓄は1800億㌦超減少した」(5月17日付日本経済新聞)。こうした〈コロナ×大恐慌〉の現実こそ昨年のBLM運動など労働者階級の歴史的反乱、その対極でのトランプ派極右勢力による今年1月の連邦議事堂襲撃という「内乱」的危機の根源である。
 まさに米帝支配階級の国内統治は崩壊のふちにあり、プロレタリア革命以外に決着のつかない階級的激突の時代が到来している。この現実こそが、バイデン政権をしてトランプ以上の本格的・全面的な対中国の保護主義、排外主義、そして侵略戦争へと向かわせているのだ。

⑶存亡の危機に立つ日帝の安保発動・対中戦争阻止を

 こうした中で日帝・菅政権は、独自の帝国主義的・侵略的なアジア・太平洋戦略に基づき、米帝の中国侵略戦争に参戦しようとしている。これは本質的に言って、「日米安保同盟があるから仕方なく参戦する」というようなものではない。むしろ日帝は、コロナ感染爆発下での五輪強行でますます体制崩壊的危機を深める中、そこからの「唯一の」活路として積極的・主体的に中国侵略戦争を決断しているのだ。そのために、憲法9条に象徴される敗戦帝国主義としての戦後的制約をかなぐり捨てようとしているのである。五輪警備への自衛隊動員も、日帝が憲法9条的枠組みを踏み破り、戦争国家の論理で動き始めたことを示している。
 菅は4月日米会談で、「台湾有事が起きれば、安全保障関連法に定めた存立危機事態や重要影響事態に当たる可能性がある。その場合は米国を支援する用意がある」と米側に伝えたと報じられており、すでに自民党内では「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」の見直し論も噴出している。防衛相・岸信夫は、核兵器の運用を担う米戦略軍のリチャード司令官が7月12日に来日した際に会談し、「米戦略軍と連携して同盟の抑止力と対処力をさらに強化したい」と話し、中国の軍備強化に対して「さらに強固な日米同盟が不可欠だ。とりわけ核抑止やミサイル防衛作戦は極めて重視している」と伝えた。日米安保の対中国核戦争同盟への本格的転換が具体的に議論されているのだ。
 加えて重大なのが7月13日に防衛省が公表した「21年版防衛白書」だ。「台湾をめぐる情勢の安定は、わが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要」と初めて台湾問題に言及したばかりでなく、「バイデン政権が軍事面において台湾を支援する姿勢を鮮明にしていくなか......中国が、米国の姿勢に妥協する可能性は低い」として、米中戦争の勃発と日本の参戦は不可避との認識を公然と示した。防衛省や自衛隊幹部が、ここまではっきりした形で戦争衝動をあらわにするのはかつてない事態だ。
 これに先立ち、副首相兼財務相・麻生太郎は7月5日に行った講演で、「台湾海峡は石油に限らず日本の多くの輸出入物資が通る。台湾で大きな問題が起きれば(集団的自衛権行使の要件となる)存立危機事態に関係する。日米で台湾を防衛しなければならない」と発言。日帝の帝国主義としての「存立」をかけて台湾海峡への軍事介入=戦争に踏み切る意図をむき出しにした。そして沖縄について「地理的、地政学的に最も重要なキーストーン(要石)」と述べた。米日帝の中国侵略戦争の発動は、沖縄を核ミサイルが飛び交う戦場とし、日本全土、東アジア、全世界を恐るべき核戦争の惨禍にたたき込むことになるのだ。絶対に阻止しなければならない。

⑷中国スタとの対決を貫き国際連帯の力で戦争阻もう

 この米日帝国主義の経済的・軍事的・戦争的重圧を受けながら、中国スターリン主義・習近平政権は、深刻なスターリン主義体制の歴史的・全面的破産の重圧にあえいでいる。08年リーマン・ショック以降、国家・地方債務を拡大し、不動産やインフラへの膨大な投資で成り立ってきた中国経済は、今や完全に行き詰まっている。企業・会計・政府の債務残高のGDP比は昨年末に290%に上昇した。格差は拡大し、若者の失業も増大している。この危機と国内の不満と怒りを抑えこむために、習近平政権は大国主義的・愛国主義的・排外主義的なイデオロギーを押し出しつつ、対外的「発展」の様相をつくりだすことに全力をあげ、治安弾圧体制を徹底的に強めている。中国共産党創設100周年式典では「中華民族の偉大な復興」や「強軍」「強国」を叫び、米帝の戦争重圧に必死で対抗しようとしている。中国が一貫して「国内問題」と主張する台湾問題に米日帝国主義が介入することは、習近平政権にとって支配体制の根幹に関わることである。
 世界1位と3位の経済力を持つ米帝と日帝が同盟し、「台湾有事」「尖閣有事」をめぐって軍事演習を繰り返し、ミサイル網を築き、沖縄・先島諸島をはじめ日本全土を出撃基地として対中国の戦争を構えている。世界中で戦争を繰り返してきた米日帝国主義の戦争は、全世界の労働者階級人民の利益とは1ミリも相いれない100%の侵略戦争である。これに対し中国は、スターリン主義ゆえにインターナショナルな反戦闘争を呼びかけるのではなく、逆に国際階級闘争に敵対し、軍事的対抗にひた走っている。これを餌食にして米帝はさらに侵略戦争政策を強めているのである。

野党は屈服し総転向へ

 こうした戦争の切迫を背景として、今年の通常国会は改憲国民投票法、デジタル独裁法、重要土地調査規制法といった戦争立法が次々と強行される歴史的反動国会となった。この超重大局面で、立憲民主党は国民投票法に賛成するという大裏切りに手を染めた。日本共産党はこれを何一つ批判せずに「野党共闘」を叫び続け、次期衆院選で「日米安保廃棄」を政権公約から除外することまで発表した。これは日共自身が安保発動・対中戦争に賛成・協力する大転向だ。
 しかし、この対極で階級的怒りは沸き上がっている。それは五輪強行に対する激しい怒りと一つになり、菅政権を追いつめている。コロナ感染の恐るべき拡大のもと、日帝・菅の危機と破産は五輪開催中も一層深まり、労働者階級人民の怒りと行動への欲求も高まっていく。今秋の総選挙過程は改憲・戦争をめぐる本格的決戦だ。今夏8・6広島―8・9長崎闘争、8・15集会を成功させ、11月労働者集会を最大の集約点とする今秋決戦に打って出よう。

Ⅲ3労組先頭に11・7日比谷に階級的労働運動の大隊列を

⑴資本・権力と絶対非和解で闘う労働運動の組織化を

 階級的労働運動の当面する最大の闘いは、関生支部、港合同、動労千葉の3労組が呼びかける11・7全国労働者総決起集会を、日比谷野外音楽堂を埋め尽くす大結集で成功させることである。昨年の11月労働者集会において「3労組の旗のもとに、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりだそう」との呼びかけが発せられ、今年2月の全国労働組合交流センター定期総会において3労組の共同代表体制が確立した。新自由主義を終わらせる労働運動の展望は、この3労組共闘の発展の中にある。
 関生支部、港合同、動労千葉の三つの労働組合に共通するのは、1974〜75年恐慌を転機として日帝支配階級が新自由主義攻撃に踏み出し、総評労働運動がこれに立ち向かえなくなっていく中で、逆にその真価を発揮して意気軒昂(けんこう)と闘い抜いてきた労働組合だということである。
 3労組が新自由主義に立ち向かい、これを打ち破る階級的労働運動を展開できた核心は何か。動労千葉の中野洋元委員長は「資本主義の危機がここまで深くあらわれているのに、労働運動の側が資本主義にNOと言えない。問われているのはこういう次元の問題だ」と語り、関生支部・武建一委員長は「資本主義のピンチは労働者階級にとって弱まった敵を打ち倒す最大のチャンス到来である」と語っている。つまり、それまでの労働運動とは労働者観、労働組合観が決定的に違った、労働者階級が本来持っているエネルギーを徹底的に引き出す労働運動なのである。中野委員長は国鉄分割・民営化にストで立ち上がった組合員を見て「この中に革命の現実性がある」と言った。港合同の大和田幸治前委員長は、田中機械の倒産攻撃に立ち向かうにあたって、「資本を蚕食(さんしょく)する労働者の自覚的団結の形成」が必要だと言い、「やられたら、やり返せ」という資本の支配下に置かれている労働者の思想を越えて、「社会の主人公は労働者だ」という主体的な思想を確立することが一番大事だと訴えた。
 新自由主義とは、帝国主義の最末期の絶望的延命形態である。資本主義が労働者を食わせていけず、戦争をする以外に延命ができなくなり、何より全世界で労働者の反乱が燎原(りょうげん)の火のように燃え広がっている。今こそ「資本家の権力を打倒して労働者の社会をつくろう」という労働者の階級的利害を真に貫く労働運動の登場が求められている。全国から闘う労働者、労働組合を11・7集会に総結集させよう。
 何より、武委員長に対する実刑判決を阻止した関生支部の闘いを守り抜き、弾圧粉砕の運動を広げることである。7・13判決公判闘争は、関生弾圧粉砕闘争の新たな可能性を開いた。武委員長を追った映画『棘2 独白』の上映会などを開催し、関生弾圧粉砕の闘いをさらに広く組織しよう。今ひとつは、国鉄1047名解雇撤回の闘いである。動労千葉―動労総連合の闘いは、国鉄分割・民営化における不採用基準の策定は不当労働行為であることを最高裁に認めさせ、新たな裁判闘争と署名運動が始まった。国鉄分割・民営化との闘いは、いまなお日本の労働運動全体の力関係を規定している。全党がオルグ団となって、労働者、労働組合の組織化に猛然と踏み出そう。

⑵「労組なき社会」化攻撃を全労働者の総反撃の火点に

 さらに、労働組合での組織決定、職場からの組織化を通して11月労働者集会への結集運動をつくり出すことである。11月集会への組織化と闘う労働組合の組織拡大、少数から多数への飛躍をひとつにして闘おう。
 コロナによる支配の崩壊、オリンピックの破産を資本と菅政権はより極端化した新自由主義政策で乗り切る以外にない。それを象徴的に示したのがJR東日本が打ち出した「現業機関における柔軟な働き方の実現について」だ。提案は、乗務、輸送、営業といった鉄道の現業部門の職名をすべて廃止し、駅や運輸というそれぞれ異なる現業機関を融合するとしている。これまでの仕事の専門性や経験、労働の誇りなど何の価値もないものとして、労働者を無限の競争に駆り立てようとするものだ。攻撃の核心は、運転士・車掌も含む現業機関の全面外注化、労働者の総非正規職化である。JRはこれを「ポストコロナ時代に対応する構造改革だ」と位置づけ、これからの大合理化のモデルとして全社会に広げようとしている。郵政でも郵便事業の切り捨てを狙う3・5万人削減の合理化提案が出された。
 しかし、生産性の向上や付加価値の創造を掲げて労働者をさらなる競争に駆り立てる攻撃は絶対に破綻する。それは安全の崩壊、雇用の崩壊となって破綻し、何より、自らの労働の誇りを一片残らず奪い去られることに対する労働者の怒りの決起によって必ず破綻する。動労千葉の組織拡大は、労働組合が団結を崩さずに闘い続ければ、どんなに激しい攻撃も労働運動の再生に転化することができることを示してくれた。
 動労千葉には「反合理化・運転保安闘争なくして組織拡大なし」という言葉がある。合理化によって多発する鉄道事故に対して、「事故を労働者の責任に転嫁するな」という訴えが現場で働く労働者の気持ちを深くとらえた。反合・運転保安闘争は、それまで「仕方のない現実」として処理されていた合理化攻撃に労働組合が攻勢的に立ち向かう闘いとなった。いくら自動化だとかAI(人工知能)化だと言っても、鉄道の安全を守るのは最後は人間の力だ。反合・運転保安闘争は、労働のその誇りに徹底的に依拠した闘いである。この闘いは単なる職場労働条件の改善といった水準を超えて、自らの労働の社会的意義や、闘争の社会的意味を組合員自身が深く問い直すものとなったことで、労働組合を根本的に変革する力を生み出した。闘いを通して労働者の階級的団結が形成されることが合理化攻撃を打ち砕く最大の力となる。
 労働者が団結を崩さず闘えば敵の攻撃は必ず破綻する。医療・福祉労働者の怒りはこれからますます燃え広がる。オリンピック強行がさらに生み出す命の切り捨てを医療労働者は絶対に許さない。都立病院独立行政法人化を絶対に阻止しよう。郵政職場はJRと並ぶ新自由主義の矛盾の集中点だ。JP労組の屈服を許さず、土曜休配、3・5万人削減合理化にあきらめずに闘おうというオルグが実を結び始めている。また、日々、住民や子どもたちと密接にかかわる教育労働者、自治体労働者こそ、社会の怒りを自らの怒りとして最も体現して闘う労働者だ。コロナとオリンピックの破綻で生み出される財政破綻の一切を学校の民営化、自治体丸ごと民営化のテコになどさせてはならない。動労千葉のように、職場の闘いは必ず地域の丸ごとの闘いへと結びつくはずだ。その力は改憲・戦争を阻止する最大の力となる。さらに合同労組の仲間は今、職場に労働組合をつくりだす挑戦に踏み出している。「辞めるという選択肢ではなく、労働組合をつくって職場を変えよう」という意識的な働きかけは、これまでの「一人の労働相談」から非正規職労働者の団結形成へと質的な転換を生み出している。
 コロナ下における新自由主義の崩壊と凶暴化は、労働者階級の意識を明らかに変え始めている。もはやあきらめてなどいられない、闘わなければ生きられないと、連合支配の裂け目から労働者が決起を始めている。これを団結した力に転化するために、具体的な闘いをいかにつくり出すかが問われている。闘う労働組合の全国ネットワークの形成へ、全国労組交流センターの組織拡大を3労組と共にかちとろう。

⑶排外主義への転落許さず菅政権打倒の大政治闘争へ

 11月労働者集会に向かって今一つの闘いは、改憲・戦争阻止、菅政権打倒の一大政治闘争を組織することである。
 五輪開催の破滅的な強行は日本帝国主義の政治支配の危機をますます激化させている。この危機を菅政権は、対中国の侵略戦争、改憲・戦争攻撃のエスカレーションによって突破する以外にない。そしてまさに改憲や戦争が現実のものになろうとしているときに、立憲民主党はこれに賛成し、日本共産党スターリン主義は歴史的転向を開始し、社民党の崩壊はより一層進行しており、「第2インターナショナルの崩壊」情勢も激しく進んでいく。
 「五輪粉砕!菅打倒!」の7・23渋谷大闘争を引き継ぎ、今夏・今秋の反戦政治闘争を力強く発展させよう。9月から11月にかけて「台湾有事」を想定した陸自14万人を総動員する大規模軍事演習が計画されている。沖縄・辺野古新基地建設阻止、先島諸島や九州に対する自衛隊配備、新基地建設を許さない闘いと一体で、全国で反基地、軍事演習阻止の闘いに立ち上がろう。
 結成から3年を迎えた改憲・戦争阻止!大行進運動は、改憲・戦争を絶対に許さないことを核心に置きながら、新自由主義による貧困、差別、地方崩壊など地域で巻き起こる怒りと結びつき、一つに組織していく運動体としての展望を開いている。労組交流センターと改憲・戦争阻止!大行進運動の発展を具体的な二つの組織化の柱として階級的運動の再生をかちとろう。
 米日の中国侵略戦争を阻止する闘いは、新たな核戦争を絶対に許さない闘いだ。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争の成功をかちとろう。8・15集会を成功させよう。

⑷三里塚、福島、全戦線でのあらゆる怒りを一つの力に

 三里塚闘争が重大な局面を迎えている。最高裁による反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判での上告棄却は絶対に許せない。革共同は反対同盟とともに強制執行実力阻止の闘いに立ち上がる。三里塚闘争は日帝の改憲・戦争を押しとどめてきた反戦の砦(とりで)だ。また、日本における新自由主義は、国鉄と並んでコメ(食管制度)の赤字解消を突破口に進められてきた。農業にまで競争原理を導入し、多くの農民が生きられない状況にたたき込まれている。三里塚の「空港廃港・農地死守」の闘いは、新自由主義を終わらせる闘いそのものであり、階級的労働運動再生の重大な闘いである。
 2011年3・11以降10年に及ぶ反原発の闘いは「復興五輪」を粉砕し、福島圧殺を許さなかった。汚染水海洋放出絶対反対を軸に全原発廃炉に向かう新たな闘いを始めよう。
 新自由主義下で激化する差別=分断攻撃との闘いも、階級的労働運動と一体で大きく前進してきた。部落解放闘争、入管法・入管体制を打ち破る闘い、女性解放闘争、障害者解放闘争を地区党の正面課題に据えて闘おう。

Ⅳ党の綱領的立脚点を明確にし革命勝利への飛躍かちとろう

⑴綱領草案で明らかにした労働者自己解放の党の建設

 革共同は、19年9月の26全総とそれを深化させた今年2月の27全総において、「党と労働組合の関係」について明確化した。それは、09年25全総で採択した「綱領草案」における党建設と労働組合の存在と役割についての基本的な考え方を、党としてあらためて再確認することを意味した。
 綱領草案の最も重要な意義は、「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」という、スターリン主義によって踏みにじられてきたプロレタリア革命の根本的原理を冒頭に掲げ、「革命的共産主義者同盟の目的はただひとつ、この労働者階級自己解放の闘いの全面的貫徹とその勝利にある」ということをはっきりさせたことだ。そこから、党を「現実の労働者階級の外部に、階級の上に立つ特別な集団」とするスターリン主義とは根本的に異なる党組織論・建設論を次のように確定した。
 「党とは、労働者階級の権力樹立とそれをとおした共産主義の実現を直接に目指す共産主義者の政治的結集体である。したがって党は、労働者階級の一部であり、その階級意識を最も鋭く体現する最高の団結形態であり、最も鍛え抜かれた階級の前衛である。この党建設は、資本との絶対非和解を貫く労働者階級の階級的団結の形成を一切の軸にすえて闘う中でこそかちとられる。現代においては、何よりも、闘う労働組合をよみがえらせることと一体で形成・確立されるものである」「こうした党を建設し、労働者階級の革命的な階級形成をかちとっていく上で最も重要なことは、労働組合の存在と役割である。労働組合の革命的役割を復権することこそ、マルクス主義をよみがえらせる闘いの核心である」(前進社刊『綱領草案』)
 これがそもそもの「党と労働組合の一体的建設」論であった。それは「革共同の労働組合をつくる」という、党が労働組合を上から・外から「操作」できるかのように考えた7回大会的な誤った「党絶対化」の思想とは根本的に異なる。問われていたことは、新自由主義が崩壊し革命的情勢が切迫しているにもかかわらず、労働運動が大きく後退し労働者階級の側が主体的危機にある中で、この矛盾を階級的労働運動を現実につくりだす格闘の中で突破することだった。7回大会の「革共同の労働組合をつくってゼネスト―革命へ」という空論主義は、この困難な実践からの逃亡であった。26―27全総はこのことを厳しく総括し、革共同を綱領的立脚点に引き戻したのだ。

⑵共産主義的政治の全体を階級に提起する任務貫こう

 労働者の階級への形成、組織化に向かって闘われる労働運動こそ階級的労働運動だ。階級対立を自覚し、資本の搾取にゲリラ戦的に抵抗する賃金闘争、経済闘争のみならず、「階級と搾取そのものの廃止」「労働者階級の完全解放」をめざす階級的労働運動(マルクスが「労働組合、その過去・現在・未来」で述べた「労働者階級全体の前衛、代表としての自覚をもって行動」する労働組合によって担われる労働運動)は、現実的にはマルクス主義的意識性をもった一定の指導部集団の形成と、プロレタリア独裁と共産主義に向かって意識的に闘う党を媒介として真に発展する。
 本紙新年号アピールでも確認したように、階級的労働運動には、①階級全体の利益を考え、②資本との非和解性を明確にし、③常に団結の強化で総括し、④時代認識と路線を鮮明化させ、⑤かつ大衆の意識や感情とかみあい(「義理人情」)、⑥組織的指導責任を果たす、これらを意識的に貫くことが必要だ。こうした意識性は、個人的な努力とか能力によって確保されるものではない。それは「階級意識を最も鋭く体現する最高の団結形態」としての党の組織的実践によってのみ実現される。その党建設の基軸こそ、職場における労働者細胞建設であり、それを土台とする地区党建設である。
 労働者細胞を軸に党・地区党を建設するために何よりも必要なことは、労働者階級のなかに共産主義的政治の全体を提起し物質化していくことである。レーニンが『なにをなすべきか?』で確認しているように、「社会民主党(共産主義者の党)は、労働力販売の有利な条件を獲得するための闘争を指導するだけでなく、また無産者が金持ちに身売りしなければならないような社会制度をなくすための彼らの闘争をも指導する。社会民主党は、ひとりその当該の企業家集団にたいしてではなしに、現代社会のすべての階級にたいして、組織された政治的暴力としての国家にたいして、労働者階級を代表する」のだ。したがって、共産主義者の党は「経済闘争にとどまることができないばかりか、経済的暴露の組織が彼らの主要な活動であるような状態を許すこともできないということである。われわれは、労働者階級の政治的教育、その政治的意識を発達させることに積極的にとりかからなければならない」。このような共産主義的政治の全体を労働者階級に提起し、党に組織していく闘いの軸こそ機関紙活動である。機関紙「前進」を買って読む、機関紙を軸にした細胞での政治討議を組織する、機関紙を拡大し、読者会をつくり、新たな同志を細胞に獲得する。こうした活動をねばり強くかちとっていこう。そのためにも党中央と編集局が一体となり、全党で進めてきた機関紙変革をさらに進める。とくに機関紙を革命の最大の担い手である青年労働者と学生の中に広げるために一層努力しなければならない。

⑶青年・学生が中心に立ち国家権力と闘う党の建設を

 「権力獲得のために闘うにあたって、プロレタリアートには、組織のほかにどんな武器もない」(レーニン『一歩前進、二歩後退』)。新自由主義の崩壊とブルジョア支配の破綻、そして戦争の危機と「第2インター崩壊」的情勢がますます加速する中、われわれは革命的共産主義のプロレタリア党組織を一層強固に打ち鍛えなければならない。「プロレタリア前衛の階級意識」「広範な大衆と結びつく能力」「大衆の経験を通じて検証される前衛の政治指導、その戦略・戦術の正しさ」、これらによって支えられる「プロレタリアートの勝利に必要な鉄の規律」が今こそ必要だ。それはレーニンの『なにをなすべきか?』に沿って言えば、①マルクス主義の革命的理論、②共産主義者の目的意識性、③組合主義的政治に対する共産主義的政治、④革命家の組織であること、⑤闘争と組織戦術の計画性、これらを断固として堅持し抜くということだ。機関紙、会議、財政の党生活3原則の貫徹はその一切の土台だ。

反弾圧闘争強化しよう

 国家権力と闘って勝利する党、完全黙秘・非転向を貫く党へ、反弾圧闘争を強化しよう。星野精神はわが党の革命的背骨である。中国侵略戦争情勢と沖縄の最前線基地化の現実は、米軍基地撤去=沖縄奪還をかけた71年渋谷闘争の正義性をますます明らかにしている。星野文昭同志虐殺の国家責任を追及し抜く国賠闘争、再審闘争を貫徹し、絵画展などを通して、沖縄闘争―反戦反基地闘争と一体の星野闘争の発展をかちとろう。
 星野同志とともに渋谷闘争を闘った大坂正明同志へのでっち上げ逮捕から4年以上におよぶ不当勾留・健康破壊を断じて許すことはできない。「半世紀前の事件」での「証拠隠滅のおそれ」を理由に接見禁止を続けるなど言語道断だ。完全なでっち上げ起訴を粉砕し、大坂同志奪還を絶対にかちとろう。
 須賀武敏同志は、でっち上げ爆取弾圧による下獄攻撃にたいし76歳を超えて不屈の革命家魂を燃やし闘い続け、全党の同志を鼓舞している。前代未聞の16年の未決勾留を含め、超長期にわたる獄中生活は、同志の健康と命を脅かしている。そもそもでっち上げであり、同志の健康と命を守るために、即時釈放を断固要求し闘わなければならない。

9・12革共同政治集会へ

 五輪粉砕闘争は、階級闘争の戦闘的・実力闘争的発展に向かって決定的一歩を踏み出した。警察権力の暴力や弾圧を恐れず断固として闘う学生、青年の活動家集団が登場している。中央学生組織委員会―マルクス主義学生同盟と、マルクス主義青年労働者同盟の建設と強化に圧倒的な重心を置いて党を建設しよう。
 清水丈夫議長の公然化から1年。革共同は革命に勝利する党として、さらなる飛躍と挑戦を求められている。階級的労働運動、学生運動をはじめ革命的大衆運動の巨大な発展をかちとろう。その中にこそ本格的な非合法・非公然党の建設という、ゼネスト、蜂起、権力奪取を実現するための必須課題の解決もある。9・12革共同政治集会を今秋決戦―11月集会の大成功に向けての党と人民の総決起集会としてかちとり、8回大会に向かって党建設を進めよう。

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