全学連、五輪を直撃 7・23渋谷―国立競技場前 全世界に実力デモとどろく
全学連、五輪を直撃
7・23渋谷―国立競技場前
全世界に実力デモとどろく
オリンピック開会式は蹂躙(じゅうりん)しつくされた! 全学連を先頭に闘い抜かれた7・23五輪開会式粉砕闘争は、あらゆる人々の怒りを解き放つ歴史的な闘いとなった。改憲・戦争阻止!大行進主催の午後3時からの集会と渋谷デモ、ハチ公前でのリレーアピールに続き、夜には全学連の主催で開会式粉砕の実力闘争が打ち抜かれた。会場に肉薄する闘いは日本の労働者・学生の怒りを全国・全世界に伝えた。
人民が権力を圧倒会場内に抗議の声
23日夜、五輪開会式強行への抗議闘争が会場の新国立競技場前で全学連を先頭に猛然と闘われた。「オリンピック今すぐやめろ!」の怒りのコールがこだまし、国家の威信をかけたセレモニーを直撃、徹底的に蹂躙した。
「極悪人どもにわれわれの怒りをたたきつけよう」
会場前に登場した全学連が全学連旗を翻らせマイクアピールを開始した。目の前に立ちはだかる警察の阻止線の向こう側には、菅や国際オリンピック委員会(IOC)会長バッハ、天皇どもが勢ぞろいしている。「こんな腐りきった五輪を絶対に許さない!」。会場付近の見物ムードが一掃され、辺りはたちまち怒りのるつぼと化した。
「何が平和の祭典だ!」。式典開始の午後8時、コールは一層激しさを増した。別ルートで会場に進撃していた全学連のもう一つの部隊も、警察の違法な阻止線をかいくぐり続々と合流。医療・介護・福祉労働者も「コロナの最前線で、私たちがどんな思いで五輪を見ているのか分かっているのか! 菅!」と声を上げた。会場では「君が代」独唱に合わせて自衛隊が「日の丸」を掲揚。だが、静寂が訪れるたびに場内には抗議の声が響いていた。
たまらず警察が抗議行動をやめさせようと襲い掛かる。「この警察の姿こそ私たちを恐れている証拠だ。絶対に勝てる!」。デモ隊はスクラムを固め警察の暴力に立ち向かった。学生が次々と声をからして訴える。「抑圧と犠牲の上に成り立つ五輪はまやかしだ」「コロナ下の全学生の無念の思いを代弁してコールします」
その時、1人の仲間が「公務執行妨害」のでっち上げで不当逮捕された。
参加者は「仲間を返せ!警察は帰れ!」と徹底弾劾。「反対派を暴力で黙らせなければ成り立たないのが五輪であり、これが国家の本質だ」と怒りを爆発させた。青年労働者も、「社会を動かしているのは私たちだ。労働者は闘うぞ!」とコールを続けた。
警察は不当逮捕を重ねようとデモ隊をなぎ倒し殴りこんできた。圧死させても構わないとする殺人的弾圧だ。「仲間を守れ!」。衣服を引きちぎられ、眼鏡を破壊され、負傷しながらもデモ隊はひるまず体を張って敵を圧倒。新たに2人が警察に引き抜かれたが、抗議の声で直ちに奪還した。
激闘は午後10時30分まで繰り広げられた。乳児を抱えた母親など多くの労働者人民も駆け付け、学生と共に闘い抜いた。五輪の反動的正体は完全に暴き出され、社会を変革する力が人民の団結と実力行動にあることが示された。全学連の鮮烈な登場は階級闘争に新たな1ページを刻んだ。
渋谷 渦巻く怒りと合流
昼の渋谷デモ、ハチ公前リレーアピールは、街頭の怒りとの合流を実現した。
代々木公園西門近くの公園で開催されたデモ出発前の集会では、動労千葉の中村仁さんが「こんな社会は間違っていると声を上げよう」と呼びかけ、大行進呼びかけ人の森川文人弁護士が「私たちの背後には人々の怒りがある」と確信に満ちて訴えた。
7・15―16バッハ広島訪問反対闘争の先頭に立った広島大生は、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争への結集を呼びかけた。東京の学生も連日都内での聖火リレーのセレブレーションに抗議したことを報告し、意気高くデモに出発した。
「オリンピックは中止だ中止!」「何が平和の祭典だ!」「オリンピックは戦争そのもの」----渋谷のスクランブル交差点に向かって進むデモは、警察の規制で張り詰めた空気を切り裂いた。数千人の視線が一斉に阻止線を越えてデモ隊に注がれる。怒りを込めた自作のボードを沿道で掲げる人、「がんばって!」と叫ぶ人、笑顔でガッツポーズをする人、バスの中から手を振る人。自転車から降りてデモに加わる人もいた。
デモ隊はどんどん膨れ上がり、最終的には800人もの大隊列に。終了後は直ちにハチ公前に移動し、膨大な数の聴衆と合流してリレーアピールが始まった。
初めに五輪動員と闘う現場の労働者がマイクを握った。三浦半島教組の組合員は、各地で教育委員会に学校連携観戦中止を申し入れたことを報告。都内の介護施設で働く看護師は「私たちは目の前で苦しんでいる人の治療や介護をやめることなどできない。これ以上病院や介護施設で働く労働者に負担を強いるな!」と怒りを爆発させた。
福島の椎名千恵子さんは「聖火なんかフクシマの怒りで吹き消したい!」と弾劾し、大行進呼びかけ人の高山俊吉弁護士は「五輪強行は腐敗と悪政、戦争準備を隠すためだ」「菅政権に終止符を」と呼びかけた。
最後に登場した全学連の学生が「自衛隊8500人動員など、暴力装置を動員しないとできない『平和の祭典』とは何なのか!」と喝破。「私たち全学連は開会式を実力で粉砕するために国立競技場に突っ込みます!」とアピールし、熱い共感の拍手を浴びた。
弾圧を許さず即時奪還へ!
許せないことに裁判所は26日、「公務執行妨害」のでっち上げで逮捕されたAさんの10日間勾留を決定した。原宿警察署前では青年労働者や学生を先頭に連日の抗議行動が続いている。完全黙秘・非転向で闘うAさんを即時奪還しよう!
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海外でも熱い報道
●ロイター通信 国立競技場の前に大会開催に反対するデモ隊が集結。「五輪より命」などと訴え現場は一時騒然となった。
●米NYタイムズ紙 数百人が競技場前に集合。式典最中も彼らの声が十分聞こえた。
●同紙記者のツイート プログラムが中断するたび、外の抗議デモの声がスタジアムに響いた。
●米ABCニュース 開会式最中、「五輪中止」の表示を手にした多くの人が路上を埋めた。
●英ガーディアン紙 国民8割が反対の中で強行開催は暴挙。怒りは期間中も収まらないだろう。