「中国共産党100周年」の危機と破産 香港民衆が不屈の決起

週刊『前進』04頁(3204号03面03)(2021/07/26)


「中国共産党100周年」の危機と破産
 香港民衆が不屈の決起

(写真 全逮捕者の釈放を訴えデモに立つ社民連【7月1日 香港】)

 中国スターリン主義・習近平政権は7月1日、北京を厳戒態勢に置き、活動家や民主派弁護士を北京から追放して中国共産党建党100周年の式典を大々的に開催した。

「中華民族の復興」を叫ぶ習近平演説

 式典で習近平国家主席が行った演説は、「中華民族」という虚偽の民族概念を44回も繰り返してスターリン主義的な民族主義をあおり、「中華民族の復興」をうたって中国共産党の独裁統治の正当性と100年間の中国の「発展」を自画自賛したものであった。そして、米帝の戦争重圧に対して「強国強軍」を対置し、中国経済圏の創出である「一帯一路」政策を推進すると述べた。さらに、「香港の安定」と「台湾統一」を主張し、中国の次の100年は「中華民族の大復興の不可避な歴史的過程」であるとした。
 この習近平演説は、中国スターリン主義が米帝の対中国重圧政策の中で危機にのたうちまわっている姿を示すと同時に、帝国主義の侵略戦争に対して大国化と軍事で対抗していくことを表したものである。中国スターリン主義の「もう一方の世界戦争の推進者」としての反人民的な姿を露骨に示したのだ。

重大事故の続発で相次ぐ労働者の死

 だが、この100周年式典は、決して円満には終わらなかった。
 急激な経済発展の矛盾が中国で激しく噴き出しており、式典を目前にした6月、鉄道や鉱山、工場や工事現場などで重大事故が相次いで起きた。4日には、甘粛省蘭州と新疆ウイグル自治区ウルムチを結ぶ鉄道の蘭新線で、作業員が列車にはねられ9人が死亡。河南省鶴壁煤電株式有限公司の炭鉱でもガス噴出事故で8人が死亡した。中国の急激な経済発展が労働者民衆の犠牲の上に進んでいることが次々と明らかになっている。
 29日には、1人の男性が「社会主義は素晴らしいと言っていたじゃないか」と叫んで、外務省前で放火して抗議した。スターリン主義の「エセ共産主義」とその破産、独裁体制への弾劾の声である。習近平政権が達成したとする「小康(ややゆとりある)社会」とは逆の現実に、多くの労働者民衆はあえいでいる。

職工会連盟先頭に弾圧突き破る闘い

 7月1日は、24年前に香港が中国に返還された記念日でもあり、香港では返還式展も開催された。
 例年この日、香港の労働者民衆は大規模デモを闘ってきた。今年も香港の民主派団体はデモを申請したが、香港政府はコロナ規制を口実にしてデモを認めなかった。活動家などを次々と逮捕・起訴・有罪とし、民主派の新聞である「リンゴ日報」を廃刊に追い込み、「政府への忠誠」の宣誓を義務化して民主派区議会議員に辞職を強いている。さらに、香港政府は6月4日の天安門事件集会の開催を禁止したが、この件で逮捕された主催団体の代表である鄒幸彤氏を、30日に再勾留した。
 だが、このような大弾圧も、香港の労働者民衆の決起を止めることはできなかった。この日、香港職工会連盟などの民主派団体はデモに代えて各地で街頭宣伝に立ち上がり、逮捕者の救援を訴えた。社会民主連線(社民連)は早朝、コロナ規制にかからない4人で「初心を忘れるな」「すべての逮捕者の釈放」と訴えてデモを貫徹した。さらに夜には、銅鑼湾で1人の労働者が警備中の警官を刺し、その場で自殺する事件が起きた。この労働者は香港国家安全維持法など警察の弾圧に不満を持っていたとされており、多くの香港市民が自殺した労働者に黙禱(もくとう)を捧げた。攻撃性武器所有、扇動的出版物配布などの容疑でこの日19人以上が逮捕されたが、香港の労働者民衆は不屈に決起したのだ。
 7月1日の中国共産党100周年式典は中国スターリン主義の破産と危機を示した。香港、中国の労働者民衆は不屈に決起している。国際連帯を貫き、戦争阻止、世界革命へ前進しよう!
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