独法化阻止へ区議会に陳情 東京東部 「都立病院つぶすな」

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週刊『前進』04頁(3200号04面04)(2021/06/28)


独法化阻止へ区議会に陳情
 東京東部 「都立病院つぶすな」


 都立墨東病院に近接する東京東部の地域住民が5月25日〜6月3日、江東区、墨田区、葛飾区、江戸川区でそれぞれ自前の陳情書を作成し、都立病院・公社病院一括の独法化反対決議の区議会採択および小池都知事への独法化中止要請の送付を求めて陳情行動を行いました。都が15施設で来年実施を予定している都立・公社病院の一括独法化を何としても止めたいという、昨年来の署名運動で出会った多くの支援・激励の言葉の実現をかけて取り組みました。とりわけ最大の力になったのは3月24日に国立市議会で独法化反対の議会採択が行われたことです。
 各区議会の6月議会に間に合う形で陳情は行われましたが、審議にはかけず参考付託にとどめた葛飾区、議決審査を行ったものの継続になった江東区・江戸川区、事前に陳情者の委員会説明会を開いた墨田区と、対応はまちまちでした。
 墨田区の説明会では陳情者の意見表明が10分、陳情者への質疑と合わせて30分が設けられました。質問の多くは公明党の委員会委員長で、「国立市議会ではどうやって議決されたのか」とか「署名運動の絵図とか写真は残っているのか」など、核心をついた質問攻めでした。やはり国立市議会の決議や1万筆を超えた署名運動の威力は抜群でした。共産党も一応エールを送ってくれましたが、自民党は「独法化のメリットはありますか」と聞いてくるものの、「全くない」と答えると「そうですね」と一蹴されました。
 立憲民主党は、「都立独法化は反対だが、公社は独法化で条件が良くなるから何とかならないか」と聞いてきました。これについては「都の方針は一括独法化にこそ目的がある」と答え了解してもらいました。
 その後、6月10日の区民福祉委員会で陳情が審議され、残念ながら3(共産・立憲)対4(自民・公明)で否決となりました。
 この委員会では、説明会とは一転して公明が「都立と全く同じで、変わるのは職員の身分だけ」と公務員攻撃を行い、自民も「万が一間違っても都議を変えればいい。国立市の議決には間違いがある」などと悪宣伝を行ってきました。都から墨田区に派遣された保健所長も審議冒頭で「大阪でも独法化がうまくいっている例もある」と無責任な対応に終始しました。
 こうした反動の大きさは逆に独法化反対運動の手応えを感じさせるものです。さらに自信を深めて闘います。
(東京東部・K)
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