団結ひろば 投稿コーナー
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首都圏京大連帯集会が成功
首都圏・学生 柏原俊輔
5月29日、全学連主催の首都圏京大連帯集会が行われました。
昨年11月27日の京大時計台占拠に対して新たに9人の学生に呼び出しがかかる中、処分当該を含む2学生からの提起と新たに処分が狙われている学生からのメッセージが代読され、処分当該自身の闘いとその総括、京大闘争を取り巻く情勢認識などが熱く、ウイットに富んで語られました。
集会後半での議論の時間には、京大闘争のエッセンスをどのように自分の大学での闘いに生かしていくのかなど、さまざまな質問・意見がかわされ、集会は大成功しました。
コロナをきっかけに社会のあらゆる場所から怒りが噴き出す中、大学当局も学生が立ち上がることを死ぬほど恐れ、様々な手段でこれを潰そうとしています。京都大学で今行われている学生に対する呼び出しはその現れです。
しかし今、これらの弾圧は、団結と創意工夫の力をもって跳ね返され、この弾圧をバネにして京大だけでなく、全国で新しい団結が形づくられています。
法大闘争から引き継いだ「一人の仲間も見捨てない」闘いは、新自由主義のもと団結を破壊されたすべての青年・学生を必ず獲得することができます。全国から京大闘争に結集し、京大の怒りを自らの学園・職場に持ち帰りましょう。
すべての学生・労働者の皆さん、ぜひ7・7京都大学処分撤回集会へ結集してください。
学生の行動が必要だと実感
首都圏・学生 福士直樹
大学の同級生からの誘いを受けて5月29日の首都圏京大連帯集会に参加した。私はこのたぐいの集会に参加すること自体が初めてであったから、新鮮な体験になった。
京大の不当処分については、インターネットでの話題性が高かったので、部分的に存在を知っていた。しかし、実際に、SNSで目にしたことのあるキャッチーな部分から、処分に対して何をしたか、どうして処分に反抗すべきであるかといった部分まで、当事者の方からお話をいただいたのは、純粋に面白かったし、同時に勉強にもなった。
当局の脅しに屈服せずに主張を続けることで、学生が対等に大学と対話できる土壌をつくり上げようという精神は重要である。だが本当にそれを体現するのは困難であると思う。自身の処遇を握られている以上、不満があっても声をあげられないという学生は多いだろう。
京大の方々は、不当処分にあった人々の立場がそれぞれであったとしても、最終的に全員が処分に反対したということだった。こうした行動は、学生をはじめとした人々に勇気を与えるものだと感じる。
国による大学の新自由主義的な改革によって、大学は「社会人養成企業」になろうとしている。これを放置していては、教育や研究は、教師や研究者ではなく、企業や国のご機嫌次第となり、大学の研究理念は失われ、日本の研究力は衰退の一途を辿(たど)ることになってしまうかもしれない。
我々学生の、そして社会の行動が必要なのだと、再確認させられた。
BLM運動の教訓を学ぼう
東京 村雨省吾
昨年5月のジョージ・フロイド氏殺害事件から1年。ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が再び注目を集めている。アリシア・ガーザ著『世界を動かす変革の力』(明石書店、21年1月刊)は、BLM運動の発起人・共同代表であるガーザが、自身の運動構築に携わった葛藤と試練を一人称で語っている。BLM運動の内容が豊かに展開され、「運動とは何か」を読者に問いかける貴重な書だと言える。
「運動は何もないところから突然、降って湧いたように生まれると考えているがそうではない」(ガーザ)。BLM運動は、コロナ下の激動と事件の衝撃性で、「ハッシュタグ」、つまりネットで動画が拡散されて「突然」生まれたと理解されがちだ。しかし、BLM運動が高揚した背景には、緻密(ちみつ)に意識化された「草の根」の活動がある。
これまで公民権運動をはじめ黒人解放運動自身が、男性がリーダーであり、女性の地位が軽んじられてきた。またレーガン以降、黒人政策も国によって周到にコントロールされ、ゆがめられてきた。だからこそ、13年以来のBLM運動では「自分たちの世代が克服せねば」という問題意識が貫かれたとガーザは強調する。
さらに、オーガナイザーは支援する立場に徹することが大切だと訴えている。どうしたら勝てるかを徹底的に分析し、戦略を立て、勝利するために、地道に粘り強く活動を展開することだと。カンパニア主義(動員主義)では勝てないし、ダメだということだ。
これらBLM運動の教訓は、ストレートに日本の社会運動に適用できない部分もあるかもしれない。だが、膨大な労働者民衆が一つに団結し、連帯していく道筋を具体的に証明した点において、学ぶべきところはたくさんあるだろう。