土地規制法=戦争立法の制定弾劾! 五輪粉砕、菅打倒へ怒りの総決起を 7・3―4国鉄闘争全国集会へ

週刊『前進』04頁(3199号01面01)(2021/06/21)


土地規制法=戦争立法の制定弾劾!
 五輪粉砕、菅打倒へ怒りの総決起を
 7・3―4国鉄闘争全国集会へ


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 歴史の歯車が大きく動き出し、日本と世界の階級闘争は新段階に突入した。6月11〜13日にイギリス・コーンウォールで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、4月の日米首脳会談に続く「対中国戦争会議」となり、首脳宣言には米日の要求で初めて「台湾海峡」が明記された。この情勢下で6月11日には、3年8会期にわたって成立が見送られてきた改悪改憲国民投票法が野党の全面屈服のもとで成立し、会期末の16日未明には夜を徹して抗議する人々の声を踏みにじって土地調査規制法の制定が強行された。菅政権への怒りは日本中に渦巻いている。五輪粉砕、改憲阻止・菅打倒へ怒りの総反撃に立とう!

G7が対中国戦争会議に

 4月日米会談以来の米日帝国主義の中国侵略戦争策動は、6・11〜13G7サミットをもってさらにエスカレートしている。菅政権は、今回のサミット首脳宣言を「国際公約」として振りかざしながら、国家の存亡をかけて東京五輪を強行し、改憲=戦争国家化へ突き進もうとしている。だがそれは、日本と世界の労働者民衆の怒りに満ちた決起を呼び起こし、改憲・戦争阻止の大闘争と階級的労働運動を力強く登場させる好機を日本中のあらゆる職場・地域で生み出さずにはおかない。怒りの声を結集し五輪粉砕、菅打倒へ! そして7・3―4国鉄集会の大成功をかちとろう。
 今回のG7首脳宣言で初めて「台湾」に言及し、日米共同声明と同じく「台湾海峡の平和と安定の重要性」を盛り込んだことは極めて重大だ。中国側は「台湾問題は中国の核心的利益であり、いかなる外部勢力の干渉も容認しない」との立場を繰り返し主張しており、これまで「一つの中国(=台湾は中国の一部)」の原則は当然G7各国も承認してきた。だが米バイデン政権は今回、これを一方的に覆す内容を首脳宣言に明記させたのだ。
 すでにアメリカ帝国主義は、台湾への武器輸出や中台経済取引に対する制裁を強化しており、これに対する中国の軍事的対抗は台湾―南・東中国海をめぐる米中の軍事的緊張をエスカレートさせている。さらには「台湾有事」への軍事介入を想定して日米安保の再編・強化、中距離ミサイル配備計画などを急ぎ、実戦さながらの大規模軍事演習を繰り返している。
 またバイデンはサミット開幕に先立つ10日、英ジョンソン首相と首脳会談を行い、第2次大戦中の1941年に当時の米英首脳がナチス・ドイツへの対抗と戦後処理の基本理念に合意した「大西洋憲章」になぞらえ、中国を念頭にした「新大西洋憲章」を打ち出した。かつて帝国主義の2大陣営による世界の覇権をかけた戦争(第2次大戦)を「民主主義とファシズムの戦争」と粉飾したように、中国に対する侵略戦争を「民主主義対専制主義」の戦いと描いて正当化しようとしているのだ。
 だがコロナ下で暴かれたのは、米欧日帝国主義か中国スターリン主義かを問わず、労働者民衆に対する新自由主義資本と国家権力の専制、独裁、抑圧があらゆる国ではびこり、人々の命と生活を踏みにじっているという現実だ。G7が語る「民主主義」「人権」などまったくの虚構であり、こんな体制を延命させるための戦争など労働者階級は絶対に許してはならない。

戦時体制づくり打ち砕け

 G7首脳宣言は、東・南中国海について「現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みに強く反対」と明記し、中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する新たな途上国インフラ整備支援構想も盛り込んだ。また中国が先行して繰り広げた「ワクチン外交」を巻き返すため、世界各国にワクチン10億回分を1年以内に供給するとし、WHO(世界保健機関)によるコロナウイルスの発生源の再調査を求めることも明記。そして中国が最も反発する新疆ウイグル自治区や香港にも言及し、「人権の尊重を求める」とした。あらゆる問題で徹底的に「対中国」を貫いていることが特徴だ。
 だが、バイデンの狙い通りに「中国包囲網」構築が進んでいるわけではない。日本のマスコミなどは、今回のサミットでG7が「結束を取り戻した」かのようにしきりに報じているが、実際にはG7に名を連ねる帝国主義諸国の矛盾と対立が露呈した。中国への強硬策を要求するバイデンに対し、中国との経済関係を重視する欧州諸国が強く反発し紛糾したため、会議を中継していたインターネットが一時遮断される一幕もあったほどだ。仏マクロンはサミット閉幕後にわざわざ「G7は中国に敵対するクラブではない」と記者会見でコメントした。
 没落を深める米帝はもはや世界を束ねる指導力も求心力も失い、軍事力に依拠する以外に中国を抑え込むこともできない。だからこそバイデンは、日本や他の同盟国を動員した中国侵略戦争策動にますますのめり込むしかないのだ。
 こうした中国侵略戦争の切迫を背景として、日帝・菅政権はなりふり構わず改憲・戦争策動を急ぎ、改悪国民投票法と土地調査規制法の制定を強行したのだ。

階級的労働運動の拡大を

 今もってなお深刻化するコロナ禍のもとで圧倒的多数の労働者民衆が命と生活を奪われている中、菅政権はそれを平然と見殺しにし、五輪強行と改憲攻撃に全力を挙げている。戦争立法のためなら午前2時すぎまで国会を開く。自民党を始めとする極右改憲勢力は、国会閉会中も憲法審査会を開催するよう要求している。立憲民主党や日本共産党など既成の野党勢力の屈服・転向が、この策動に拍車をかけている。
 だが、労働者民衆の闘いはけっして圧殺されていないばかりか、菅政権への怒りと新たな闘いへの決起はますます広がっている。改憲・戦争阻止の闘いはいよいよ正念場だ。東京五輪を労働者民衆の実力決起で粉砕しよう。医療や教育現場をはじめ、五輪動員拒否の闘いをあらゆる職場から巻き起こそう。労組絶滅攻撃を打ち破り、国家・資本と非和解で闘う労働組合を守り抜こう。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・武建一委員長への「懲役8年」求刑攻撃を許さず、7月13日の判決公判に結集しよう。
 一切の闘いを7・3―4国鉄集会の成功へと結実させ、新自由主義を打倒する階級的労働運動をあらゆる職場につくりだそう!

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