土地規制法案の衆院採決弾劾 参院段階で廃案に追い込め

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週刊『前進』04頁(3197号01面03)(2021/06/07)


土地規制法案の衆院採決弾劾
 参院段階で廃案に追い込め

(写真 衆議院本会議での採決強行に「改憲・戦争阻止!大行進」が怒りの抗議【6月1日 衆議院第二議員会館前】)

衆議院委員会で強行採決の暴挙

 6月1日午後1時過ぎ、衆議院本会議で「重要土地調査規制法案」がわずか3分ほどの審議で可決され、参議院に送られた。満身の怒りをもって弾劾する。
 この日、衆議院第二議員会館前には「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」が呼びかけた抗議のスタンディングに多くの労働者人民が詰めかけ、怒りの声をあげた。「改憲・戦争阻止!大行進」も、全学連を先頭に結集し、ともに闘った。
 この法案は、戦争及び戦時下を想定し、国境・離島や防衛施設周辺の住民をスパイ視して、国民の間に相互監視と相互不信を持ち込んで戦時体制づくりを狙うものであり、戦前の「要塞地帯法」の再来だと言われている。(前号2面参照)
 こんな憲法違反の重大法案を、5月28日の衆議院内閣委員会でわずか2日間、計10時間ほどで質疑を打ち切ろうとした。審議継続を求める声を自民党の木原誠二・内閣委員長が無視し職権で採決に踏み切った。この強行採決の暴挙にもかかわらず、国民民主党と日本維新の会は賛成に回った。
 戦争法案の委員会での強行採決という暴挙に対して内閣委員長の不信任案すら提出せず、本会議での採決に粛々と応じた立憲民主党および日本共産党は、まったく許しがたい。

沖縄県民の基地反対の圧殺狙う

 この法案は、国土面積のわずか0・6%に全国の米軍専用施設面積の約70・6%が集中する沖縄の県民を狙い撃ちにしたものだと、沖縄を中心に怒りが爆発している。
 普天間基地が中心に位置する宜野湾市や、嘉手納飛行場が存在する嘉手納町などは基地周辺1㌔メートルの「注視区域」にほぼすっぽり入ってしまう。国境・離島の与那国島、石垣島、宮古島にはミサイル基地などの建設が進んでいる。辺野古では新基地建設が進行中だ。これらの基地周辺も「注視区域」に入る。
 本土でも広大な米軍基地の存在する神奈川県や東京都の住民にとって死活問題だ。原発反対闘争でも青森県大間原発直近に反対派の拠点住居が存在する。この法案は反戦・反基地・反原発闘争つぶしの法案だ。
 しかも政府参考人の答弁で「内閣府に新設する部局が一元的に対応する」と述べている。まさにデジタル独裁法に記載された内閣府や内閣官房のもとでの首相独裁の戦時体制が構築されようとしている。この背景には、日帝・菅政権が日米同盟を根本的に転換し、米帝と共に中国への戦争準備を進めている現実がある。

軍用目的による土地収用が可能

 この法案は第11条で総理大臣が土地の買い取りを求めることができるとしており、その命令に反すれば2年以下の懲役等に処するという。これは戦後認めてこなかった軍事目的の土地収用を事実上行うことだ。
 こんな戦争法案を絶対に許してはならない。労働者人民の怒りを爆発させ、絶対に廃案をかちとろう。
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