関生支部弾圧うち破ろう 武委員長への8年求刑許すな
週刊『前進』04頁(3196号01面03)(2021/05/31)
関生支部弾圧うち破ろう
武委員長への8年求刑許すな
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧を必ず粉砕しなければならない。2018年7月から始まった関西生コン支部への弾圧では、組合員など延べ89人が不当に逮捕され、71人が起訴された。3月30日に大阪地裁で行われた裁判で、検察は同支部の武建一委員長に懲役8年を求刑した。労働運動をめぐる弾圧で、殺人罪や強盗罪に適用されるような長期刑を課そうとしているのだ。
国家権力は、労働運動が禁圧されていた戦前と同じ、あるいはそれをも超える凶暴な攻撃を関西生コン支部に加えている。武委員長への判決は7月13日に出される。有罪判決を絶対に阻止しよう。
関西生コン支部への弾圧は、JRでの「労組なき社会」づくりの攻撃と共に戦時型統治形態への転換を狙って行われている。菅政権は、労働組合をつぶして人民の抵抗力を奪い、改憲を強行して中国との戦争に突進しようとしているのだ。
労働基本権否定の実質的な改憲攻撃
関西生コン支部への弾圧の口実とされたのは、いずれも正当な労働組合活動だ。ストライキの際、スト破りをしないように労働者を説得したことが「威力業務妨害」にされ、労働協約の履行を経営者に求めたことが「強要罪」にされた。子どもを保育園に入れるための就労証明書を会社に求めたことも「強要未遂罪」に仕立て上げられている。労働者に団結権・団体交渉権・団体行動権(ストライキ権)を保障した憲法28条や、労働組合の活動は刑事弾圧の対象にしないと定めた労働組合法は、この弾圧ではすでにないものにされている。実質的な改憲が進んでいるのだ。
新自由主義は雇用も賃金も労働条件も徹底的に破壊した。この中で、関西生コン支部の闘いは、労働者がどのように生き、闘うべきかを示すモデルになる。
労働運動再生への恐怖が弾圧の動機
国家権力や資本をこの弾圧に突き動かしているのは、関西生コン支部のような労働運動が、労働者の心をつかみ拡大しようとしていることへの恐怖だ。関西生コン支部は1960年代以来、大手セメントメーカーとゼネコンのはざまにある生コン産業で、労働者の労働条件を向上させるために奮闘してきた。生コン業者はセメントメーカーによって高いセメント価格を強いられ、納入先のゼネコンからは低い生コン価格を押し付けられる。その矛盾は労働者に転嫁されてきた。年に数日しかない休日、賃金はミキサー車の運転回数に応じた完全歩合制、労働者はタコ部屋同然の寮に押し込められて私生活まで管理され、暴力団と一体化した経営者による暴力支配が横行した。この状態を労働者の団結に依拠し、実力で覆してきたのが関西生コン支部の歴史だ。
だから同支部は、企業を超えた労働者の組織化に徹底的にこだわった。業界全体を相手にした集団交渉で労働条件を引き上げ、さらに中小業者を協同組合に結集させて、セメントメーカーやゼネコンによる収奪に対抗する産業政策運動を展開した。これは、団結の拡大に向けた執念の中から生まれた。企業の中では少数でも、資本の不当労働行為が行われれば、組合員が総結集して直ちに弾劾闘争に立つ。「他人の痛みは自分の痛み」というスローガンはこの実践の象徴だ。
組合員のいない企業も含め、産業全体を組織する関西生コン支部の運動は、国家権力や資本によって「労働組合運動の範囲を超えたもの」とされ、運動が発展するたびに激しい弾圧を受けてきた。これに立ち向かう団結を形成するためにも、同支部は経済闘争・政治闘争・思想闘争の一体性を強調し、労働者階級全体の利益を守るために闘ってきた。
だから、今回の弾圧を根本から打ち砕けば、労働運動全体が再生するきっかけとなることは間違いない。
7月国鉄集会から大反撃の道開こう
コロナ感染の拡大は、AI(人工知能)や機械では絶対に置き換えることのできない「エッセンシャルワーカー」の重要性を認識させた。しかし、その労働条件は低位に置かれたままだ。いや、コロナ下で真っ先に解雇され、賃金補償のない休業に追い込まれているのが「エッセンシャルワーカー」だ。労働者が労働組合に団結し、資本と闘うことによってのみ、この現実は覆せる。関西生コン支部と全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組は、新自由主義に立ち向かう実践を通してその道を労働者に指し示してきた。この3労組を軸につくられた国鉄闘争全国運動が主催する7月3〜4日の集会は、国鉄闘争を軸に労働運動を階級的に再生させるために開かれる。関西生コン支部への弾圧を打ち破ることも、この集会の重大な課題だ。
この集会への結集を第一歩に、武委員長への有罪判決を絶対に阻止する闘いに打って出よう。