外国人労働者を使い捨てるな ジェコー門前で集会とデモ
週刊『前進』04頁(3194号02面03)(2021/05/17)
外国人労働者を使い捨てるな
ジェコー門前で集会とデモ
(写真 人間らしい待遇を要求して堂々とデモ【4月29日 埼玉・行田】)
4月29日、JAM神奈川ジェコー労組主催・埼玉労組交流センター協力で「ジェコー門前集会&デモ」が25人の参加で闘いとられました。リーマンショックを口実に2009年に強行された2人の組合員不当解雇に対する門前での闘いは、今回で12回目になります。
埼玉県行田市にあるトヨタ系列のジェコー(本年4月からデンソーの完全子会社)は、エアコンパネルなどの自動車部品を製造しています。現在、ジェコーは外国人を2カ月更新の派遣労働者として日勤・夜勤の2交代勤務に投入しており、その数はここ数年で数人から100人以上に激増しています。
毎月のビラまきでわかってきたのは、ジェコーが外国人労働者に「仕事中トイレに行くな、水を飲むな」「(外国人同士でも)スペイン語やポルトガル語ではなく日本語を使え」などと指示していること、鼻水をタオルでぬぐっただけでどなられたなど、まさに植民地支配、奴隷工場というしかない現実です。組合はポルトガル語ビラも作成し、その一つ一つを弾劾してきました。
この中で立ち上がったのがEさんです。日系外国人で派遣労働者の一人であったEさんは、小学校就学前の子どもを一人で育てながら2交代勤務に就きました。しかし、夜勤による睡眠不足で11カ月目の18年10月、夜勤中に倒れ救急搬送されました。翌年1月に職場復帰しますが2月に再び職場で倒れます。その直後、派遣会社に呼び出され「まともに仕事ができない」からと、「4月末で終了、契約更新しない」という雇用契約書にサインさせられます。文字通り「使い捨て」です。
さらに4月、ジェコーの管理職がEさんを工場内で尾行、トイレから出てきたところを待ち伏せ「トイレに行くなと言っただろ」など、歩きながら100㍍以上にわたってどなり続けるパワハラ事件が起きました。「使えなくなった」Eさんを見せしめに、労働者全体を恫喝したのです。
心身ともにズタズタにされたEさんはしかし、同僚から「残る私たちのために、あなたが声を上げて」と組合のビラを渡され、「外国人を人間らしくあつかえ!」と、4月末に組合に加盟します。ここから「新たな闘い」が始まりました。ジェコーも派遣会社も責任を一切認めず厳しい闘いですが、あきらめず闘っていきます。
この日、Eさんは職場の同僚に向かって「私たちの尊厳、真実、平等、そして権利を守るために、一緒に不正や抑圧と闘いましょう」と訴えました。続いて同じJAMの日本機械工業労組や動労連帯高崎、さいたまユニオン、群馬合同労組、とちのきユニオンなど地域の闘う労組の連帯発言が続きました。デモではEさんの「NOパワハラ! NOセクハラ!」のコールが響き渡りました。
デモ後の交流会では入管体制とも闘い、地域をこえて外国人労働者を組織する展望を共有しました。婦人民主クラブ全国協議会埼玉支部からは、女性が先頭に立っていることへの感動が語られました。闘争には広島連帯ユニオンやス労自主などから熱いメッセージが寄せられました。
改憲・戦争阻止!大行進神奈川と埼玉労組交流センターが一体となって議論し、さらに組合でも繰り返しの議論でつくり出した門前闘争でした。外国人労働者の組織化も水路に組合員の獲得へ、ジェコー労組は全力で闘っていきます。
(JAM神奈川ジェコー労働組合特別執行委員・竹内悟)