入管法改悪は阻止できる! 〝採決するな〟 国会前で座り込み

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週刊『前進』04頁(3194号02面01)(2021/05/17)


入管法改悪は阻止できる!
 〝採決するな〟 国会前で座り込み

(写真 衆院法務委員会での採決を阻止しようと連日続く国会前でのシットイン【5月12日】)


 極悪の入管法改悪案は、ゼッタイ廃案あるのみ!
 衆議院法務委員会の審議に対し国会前で続くシットイン(座り込み)には、続々人々が集まっている。3月6日に名古屋入管でスリランカ人女性が殺されたことを知って来た若い女性は「こんなことが日本で起きているなんて、知らなかったではすまない。できることをしたい」と語る。
 移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)主催で昼時に行われるリレーアピールでは、多くの参加者が怒りの声を上げている。
 在日朝鮮人の社会学者は「(長崎の)大村収容所は在日コリアンが収容される場所でした。子どもの頃から悪いことをすると大村に送るぞと言われ、外国人は煮て食おうと焼いて食おうと構わないという入管参事官の言葉も有名でした。戦前の植民地主義が清算されないまま、国籍で線を引いて、敵と見なしたら何をしても構わない。在日コリアンに対して行われてきたことは、いま起きていることの原型です」と訴える。
 長年、在日外国人問題などに取り組んできた田中宏さんは、「1969年から74年まで4回、入管法案が国会に提出されたが、激しい反対運動で入管法は廃案になった。その時『生身の人間を管理するとは何事か!』と言われ、4回目に出された法案は『出入国法案』となり、『管理』がなくなった」と闘いの歴史を語る。
 70年安保・沖縄決戦と入管法阻止決戦は一体で闘われた。その後、アメリカのベトナム侵略戦争が生み出した「ボートピープル」の受け入れを機に日本は難民条約に加入した。その国内法整備に乗じて、それまで法制化できなかった「出入国管理法」と、難民保護のための「難民認定法」を一つにした「出入国管理及び難民認定法」(1982年)を作った。外国人の保護と管理という相反する業務を一つの省庁が行う。外国人の収容施設への拘禁は、期間の上限もない無期限の長期収容だ。身体を拘束する自由権の侵害が司法審査もなく行われている。
 さらに今回の改悪案では難民申請が3回以上の場合、強制送還も可能とし、それを拒否すれば刑事罰を科すというのだ。法務省によれば2020年末時点の「送還忌避者」は3103人、そのうち難民認定申請中は1938人で3回以上の申請者は504人だ。
 19年の各国の難民認定数は、ドイツが5万3973人、トランプ政権下のアメリカで4万4614人、フランス3万51人となっている。これに比して日本は44人(認定率0・4%)! コロナ下で申請者が激減した昨年、難民申請3936人に対し認定47人(ようやく認定率1%超)であり、そのうち、ミャンマー出身の難民申請者602人に難民認定者はゼロ!
 退去強制令書を発付された人の90%以上は母国に帰っている。命の危険がある、家族との生活拠点が日本にしかないなど、帰るに帰れない事情を抱えた3103人には、日本で生まれ育った子どもたちもいる。
 この人々を法を改悪してまで追放しようという菅政権はいったい何を恐れているのか。侵略戦争責任も放棄し「戦前の植民地主義」を続ける菅政権の狙いは国内治安管理強化と改憲・戦争だ。痛みを怒りに変え、団結して廃案まで闘おう。

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全国実が東京入管行動
 収容者全員の即時解放を!

(写真 高層階の収容者たちに大きく手を振り、連帯の声を届けた【5月3日 東京都港区】)

 入管法改悪案をめぐる攻防が続く中、非常事態宣言下の長期連休。4月27日には横浜入管で職員がコロナに感染し、即日、被収容者との面会は禁止に! 30日に面会は再開されたが連休に突入した。連休は被収容者にとっては家族・友人との面会もできず、医療からも切り離される毎日だ。
 5月3日、全国実(外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会)が呼びかけた東京入管行動が17人の参加で取り組まれた。マイクで呼びかけると即、東京入管ビルの高層階から収容されている外国人たちの歓声が聞こえた。不思議なほどの大きな声が空から降り注ぐ。「入管法の改悪はゼッタイ許さない!」「生き抜いて闘おう!」「東京入管は今すぐ全員を解放しろ!」などと一人一人がマイクで呼びかける。最後は、中から外から「ありがとう!」の声を掛け合う感動的な行動となった。

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