改憲・戦争絶対阻止を 労働者の命と生活を犠牲に戦争に突き進む菅を許すな オリンピックは直ちにやめろ

週刊『前進』04頁(3194号01面01)(2021/05/17)


改憲・戦争絶対阻止を
 労働者の命と生活を犠牲に戦争に突き進む菅を許すな
 オリンピックは直ちにやめろ


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 コロナ危機がますます激化し、国内死者数が1万1千人を超える中で、菅政権は改憲・戦争攻撃に突進している。5月11日には改憲のための国民投票法改定案の衆議院採決を強行。翌12日にはデジタル監視6法案を参議院本会議で可決・成立させた。さらに入管法改悪、土地利用規制法案をはじめ、戦後憲法の基本的人権条項の撤廃に直結する反動的諸法案の成立が狙われている。命と生活の危機にあえぐ労働者民衆を犠牲にして東京オリンピック開催に突き進み、これと一体で戦後的統治形態を転覆する改憲攻撃を一気に強行しようとしているのだ。絶対に許すことはできない! 菅を打倒し、社会の根底的な変革へ立ち上がろう。

コロナに便乗し反動立法

 5月に入り、改憲・戦争への動きが一気に加速されている。連休明けの6日には衆院憲法審査会で改憲国民投票法改定案の採決が強行され、11日に衆院本会議を通過した。立憲民主党が与党の修正案に合意したことで、2018年以来3年にわたってめどが立たなかった同法案が成立へ一気に動き出したのだ。これに対し日本共産党は、崖っぷちの菅政権に助け舟を出した立憲民主党の重大な「裏切り」に一言の抗議もせず、来る衆院選を前に「野党共闘」を維持することだけに汲々としている。野党勢力の雪崩を打つ屈服と国会の総翼賛化が、かつての第2インターナショナルの崩壊にも匹敵する歴史的事態として進行しているのだ。
 また12日にはデジタル関連6法案の可決・成立が強行された。地方自治体などが持つ膨大な個人情報を、首相を長とするデジタル庁が一手に集中し、人民の生活や思想信条を隅々まで日常的に調査・監視し、そのデータを本人の同意なく国家権力が「利活用」することを可能とする。まさに戦前の内務省の復活を狙う治安立法であり、反戦・反基地運動への監視・弾圧を狙う土地利用規制法案もこれと一体だ。さらに外国人への治安管理と差別・分断を極限的に強める入管法改悪をめぐっても攻防が激化しており、国会前には連日、若者をはじめ多くの人々が駆けつけ抗議している。(記事2面)
 他方で菅は、5月7日に4都府県への緊急事態宣言を5月末まで延長し、愛知と福岡を加えた6都府県に拡大した。まん延防止措置も計8道県に拡大・延長した。だが肝心の医療現場への支援は何もなく、医療崩壊の現実は放置されたままだ。休業補償もほとんどなく、人々の生活はますます困窮している。
 各都道府県で新規感染者数・重症者数が連日過去最多を更新し、感染者が入院できず必要な治療を受けられないまま自宅や施設で死亡する例が急増している。コロナ倒産は4月末までに1400件を超え、解雇者が公式統計だけで11万千人となった。母子家庭の子どもの1割が、十分な食事をとれず体重が減少したとの調査結果が報じられている(5月4日付朝日新聞)。
 このコロナ第4波の恐るべき現実を「さざ波」とみなし(内閣参与・高橋洋一のツイート)、大資本のためのオリンピック強行と改憲・戦争攻撃に全体重をかけているのが菅政権なのだ。この卑劣で腐り切った政権に、労働者階級の満身の怒りをたたきつけよう! 国会闘争を闘い抜き、改憲・戦争阻止!大行進運動が呼びかける菅政権打倒の6・6一斉行動に、首都東京と全国で立ち上がろう。

米日の中国侵略戦争阻め

 菅政権による改憲攻撃最大の眼目は、「戦争放棄」を規定した現憲法を廃止して日本を「戦争のできる国」にすることにある。
 日米首脳会談を経て、菅は米バイデン政権とともに中国との戦争を構えた日米安保同盟の原理的転換に踏み出した。中国を「世界秩序の破壊者」と断定し、米日の軍事力・経済力を総動員して封じ込めることを確認した。さらに「台湾海峡の平和と安定」なる文言を共同声明に明記し、米日が共同して台湾海峡に軍事介入することも辞さないことを公言した。
 それは帝国主義の延命をかけて中国スターリン主義体制の転覆を狙う、米日帝国主義の中国侵略戦争宣言にほかならない。同時にそれは、韓国、香港、ミャンマー人民の決起として始まった、帝国主義とスターリン主義の世界支配を根底から揺るがす世界革命への新たなうねりに恐怖する米帝と日帝が、朝鮮半島からアジア全域に至る帝国主義支配の再確立を狙って仕掛ける戦争だ。
 〈コロナ×大恐慌〉下で没落を深める米帝が、ついに1930年代的な世界経済の分裂・ブロック化、世界市場の再分割戦と世界戦争への道に率先してかじを切ったのだ。そして日帝・菅政権は、米帝が仕掛ける中国侵略戦争への参戦をてこに改憲と戦争国家化をなしとげ、日帝独自の利害をかけた朝鮮・中国・アジアへの全面的な侵略戦争に突入しようとしている。それは帝国主義が行う全ての戦争の例に漏れず、資源や領土の略奪のための、他民族への抑圧と支配のための、人民大虐殺の戦争だ。
 米帝の容認のもとで5月10日に始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆(12日までに子ども16人を含む民間人65人を虐殺)に対し、世界中の人々が弾劾の声を上げる中、防衛副大臣・中山泰秀は自身のツイッターでイスラエル軍の声明をリツイートし、「私達の心はイスラエルと共にあります」などと全面的に賛意を表明した。圧倒的な軍事力による侵略戦争と人民虐殺を賛美して恥じない輩が、菅政権下で安保・軍事政策を所管しているのだ。この連中がやろうとしているのがどういう戦争かは明白だ。

職場と地域で闘い6・6新宿大行動へ

 緊迫する戦争の危機に対し、これを内乱=革命に転化する闘いが世界中で始まっている。国軍による大虐殺にも屈せず、国軍支配の打倒へ不屈に闘うミャンマー人民の決起がその先頭に立っている。この闘いと連帯し、日本の労働者階級が今こそ自国帝国主義の侵略戦争を絶対に阻止し、労働者自身の手で日帝支配階級を打倒していく闘いに立ち上がらなくてはならない。
 全日建運輸連帯労組関西生コン支部への大弾圧やJR資本を先頭とした「労組なき社会」化攻撃など、労働現場で直面している事態も、この改憲・戦争攻撃の中で起きていることだ。逆に、資本と非和解で闘う労働組合と労働運動の登場こそが全人民の怒りを一つに束ね、日帝権力を実際に打ち倒す巨大な力となることを、菅らは心底から恐れている。追いつめられているのは敵階級の側なのだ。
 労働者階級の団結した闘いを、あらゆる職場と地域によみがえらせよう。既成野党の屈服と無力化が進む中、膨大な労働者民衆が今や歯がみする思いで菅政権打倒へ闘う新たな勢力の登場を求めている。立川市内の病院では、「医療は限界/五輪やめて!」の切実な声が窓文字として貼り出された。医療福祉労働者を先頭に、コロナ下で生きぬくための団結を全力で組織し、沸き上がる怒りを声に、行動に変えよう! 職場から改憲・戦争阻止のデモに立ち、国会を包囲し、さらに7・4国鉄全国集会に向かって攻めのぼろう。

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いのち守れ! 菅たおせ!
6・6新宿大行動
 6月6日(日)午後1時~ 新宿駅東口(アルタ前)
        リレーアピール
        午後2時~
        オリンピックやめろ! 都庁へ向けてデモ
 主催/改憲・戦争阻止!大行進

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