国鉄訴訟で新展開 JRを法廷に出せ
週刊『前進』04頁(3192号04面03)(2021/04/26)
国鉄訴訟で新展開
JRを法廷に出せ
国鉄分割・民営化に際して首を切られた組合員の解雇撤回と、それに向けての団体交渉の開催をJR東日本に求めた動労総連合の申し立てを、中央労働委員会は一切の審理を拒んで退けた。その不当きわまる中労委命令の取り消しを求める訴訟の第3回口頭弁論が4月16日、東京地裁民事第11部(前沢達朗裁判長)で行われた。
前回期日の2月3日、原告の動労総連合はこの訴訟にJR東日本を参加させることを求める申立書を裁判所に提出した。労働委員会命令をめぐる行政訴訟では、関係する労働組合や使用者が訴訟に参加するのは通常のことだ。しかしこの裁判にJR東日本は参加せず、中労委はJRに参加を促すことさえしていない。
今回の裁判を前に、中労委は原告の申し立てに対する意見書を裁判所に出したが、その内容を原告には知らせない態度をとった。裁判所に文書を出した側が、その内容を相手に通知するのは当然のルールだ。だが中労委は、原告が書面の提示を求めてもそれを拒み、事態を知った裁判長にたしなめられて、裁判前日にようやく文書を示してきた。
しかも、その中身は「JR東日本の訴訟参加は必要ない」というものだった。JRが裁判に引き入れられたら「解雇の主犯はJRだった」という不当労働行為の核心が問題になり、裁判は事実をめぐる審理に入らざるを得なくなる。だから中労委はJRを訴訟に関わらせたくないのだ。
法廷で動労総連合の代理人弁護団は、今回の中労委の不当な対応を弾劾し、中労委命令についても「団結権擁護のための労働委の裁量権を逸脱した違法なもの」と徹底的に批判した。
裁判長は中労委の意見書への反論を原告に求め、次回を7月2日に指定した。
裁判後、動労千葉争議団の高石正博さん、中村仁さん、動労総連合1047協議会の小玉忠憲さんは「裁判にJRを引きずり出す手がかりを得た。必ず勝利する」と闘志を示した。