汚染水の海洋放出許すな 福島―全国で怒りが沸騰 ミャンマー人民と連帯し菅倒せ

週刊『前進』04頁(3191号01面01)(2021/04/19)


汚染水の海洋放出許すな
 福島―全国で怒りが沸騰
 ミャンマー人民と連帯し菅倒せ


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(写真 福島県庁前では県内各地から駆けつけた人々が次々と怒りの叫びを発し、希望の牧場の吉沢正巳さんも「原発一揆」の旗を掲げて牛のオブジェと共に合流し闘い抜いた【4月13日】)

(写真 多くの横断幕やのぼりが掲げられ、首相官邸前は憤激のるつぼと化した【4月13日】)


 4月13日、菅政権は絶対反対の声を押し切って福島第一原発の汚染水を海洋に放出することを決定。福島現地と首相官邸前で直ちに怒りの反撃がたたきつけられた。その前日には、新型コロナ感染症「第4波」を受けて東京など3都県での「まん延防止等重点措置」の発動を強行した。一方、東京オリンピックなど問題にもならない状況にもかかわらず、巨大な感染拡大リスクを伴う聖火リレーは平然と強行されている。これ以上の暴挙があるだろうか! 労働者民衆の命と生活を顧みない日本帝国主義・菅政権の凶暴さは日々拡大する闘いへの恐怖の表れだ。社会に渦巻くあらゆる怒りの声を一つに集め、今こそ菅政権を倒そう。

菅は虐殺に加担するな!

 ミャンマーでは、国軍による人民虐殺という戦争犯罪がエスカレートしている。9日には中部バゴーで治安部隊が機関銃や迫撃砲などの戦闘用の武器でデモ隊を攻撃し、一挙に80人以上が殺された。犠牲者は少なくとも700人を超えたとされる。しかし、青年を先頭とした人民は不屈に闘いを継続している。
 日本の労働者階級が今こそ声を上げ、決死の覚悟で闘うミャンマー人民と連帯して立ち上がろう。国軍を育成し一貫して支え続けてきた日本帝国主義・菅打倒こそが最大の連帯だ。
 ミャンマー国軍のルーツは、第2次大戦中にイギリス領ビルマへ侵略した旧日本軍が軍事訓練を行って結成を支援した「ビルマ独立義勇軍」だ。旧日本軍の目的はビルマの解放ではなく、アジア支配をめぐる英帝国主義との強盗同士の戦争のために義勇軍を利用することだった。ビルマは1942〜45年まで日本帝国主義の支配下におかれる。
 さらに日本政府は敗戦後、東南アジアを「戦後賠償」の対象から「経済協力」の名による新たな侵略、勢力圏化の対象へと転換していく上でミャンマーを重要な足がかりとした。日帝による侵略は形を変えて今も続いているのだ。国軍の資金源は、最大の支援国日本をはじめ帝国主義諸国による政府開発援助(ODA)などを通じた「資金援助」だ。日本政府のODAを水路に日本企業がミャンマーに入り込み、その利権を通じて巨額の資金が軍に流入してきた。その金で購入した銃が今まさに闘う人民に向けられている。
 菅政権は対ミャンマーの新規ODA事業をしばらく見合わせる方針を打ち出したが、あくまで国軍との対話は継続するとしている。闘う在日ミャンマー人は「国軍と国民どちらの立場に立つのか?」と日本政府を追及し、資金援助の中止を求めている。
 菅は虐殺への加担を今すぐやめろ! 街頭、職場での連帯行動に立とう。この国際連帯闘争を同時に、日本における階級的労働運動の復権を切り開く水路とすることが求められている。

事実上の憲法改悪が狙い

 新型コロナの感染拡大は勢いを増し、とりわけ重症化するスピードが早い変異株が急速に広がっている。これは政府の意図的な対策放棄が引き起こした人災だ。今や世界保健機関(WHO)さえもが、各国の「混乱や自己満足を招き、整合の取れない公衆衛生対策」が感染の引き金となり、パンデミックが「終息に程遠い」と認めざるを得ない事態になっている。
 こんな状況で100日後に東京五輪を開催すれば、さらなる感染拡大を引き起こすことは明らかだ。にもかかわらず大阪では、一日の新規感染者が過去最多を更新し、重症病床がほぼ満床となるなか13日から聖火リレーが強行された。閉鎖された無観客の万博公園内を周回するという異様なものだ。「不急の手術や入院」の延期まで要請されるなかで強行される聖火リレーとは何なのか!
 菅政権は、五輪を強行するためだけに「緊急事態宣言」を打ち切り、感染対策も補償も放棄し、労働者民衆に対しては「まん延防止」を掲げて罰則付きの規制を押し付けているのだ。さらに今国会では反基地運動の監視・弾圧を狙う土地利用規制法(前号既報)、デジタル監視法など基本的人権を踏みにじる法案の可決が狙われている。これ自体が個人情報保護という概念を破壊して国家の監視・統制下におく実質的な改憲攻撃であり、入管法改悪とともに絶対に阻止しなければならない。
 放射能による内部被曝の危険性を否定し汚染水の海洋放出を決定した日本政府は全世界の怒りの声に包囲されている。12日には、複数の国際環境団体が海洋放出中止・撤回を求める計数十万の書簡や請願書を経済産業省に提出した。日本における闘いのもつ位置は決定的だ。

命守る5・1メーデーへ

 厚生労働省は8日、新型コロナの影響で解雇・雇い止めされた人が見込みを含めて10万人を超えたと発表した。中でも女性に矛盾が集中し、2月の労働力調査では非正規職の女性労働者数が過去最大の前年同月比89万人減になった。しかし実際の数はこんなものではない。この現実に対して、労働者が団結して闘ってこそ命と生活を守ることができる。「生き抜くために闘おう」を掲げて闘われる今年の5・1メーデー(要項4面)を、あらゆる職場に闘う労働組合をよみがえらせる出発点としてかちとろう。連合、全労連などのコロナ禍を口実とした「自粛」を打ち破り、全国で怒りのデモに立とう。
 菅政権が何よりも恐れているのが労働組合の闘いだ。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・武建一委員長へのでっち上げ弾圧裁判では、「懲役8年」の求刑が行われた。7月の判決での実刑を絶対に阻止しよう。最大の反撃は、全国各地で関生支部のような闘いに打って出ることだ。
 労組復権の闘いは全世界共通だ。アメリカではこの間、アラバマ州にあるアマゾン・ドット・コムの倉庫での労組結成をめぐり投票が行われた。今回は結成には至らなかったが、資本の激しい妨害工作と対決し、約5900人中738人もの労働者が賛成票を投じたことは歴史的地平だ。活動家は「闘いは始まったばかりだ」と、直ちにさらなる組織化に乗り出している。

労組先頭に全国で5・15沖縄闘争を

 訪米した菅は16日、米大統領バイデンと初の首脳会談を行い、日米同盟の強化を確認した。米日帝国主義は今や、台湾における中国との軍事衝突もリアルに想定して戦争準備を進め、その一環として日本全土を軍事基地化しようとしている。戦争絶対反対を原点として闘われてきた日本労働運動をこの時代に力強くよみがえらせることが、帝国主義としての延命をかけて改憲・戦争に突き進む菅政権を打倒する道だ。
 1996年4月12日の「米軍普天間基地返還日米合意」から25年。しかし、沖縄人民の負担は軽減されるどころか、米中対立の激化に伴って逆に増加している。これに対して、名護市の辺野古や土砂の搬出作業が行われる同市安和、本部町の塩川地区では住民たちが新たな基地建設を阻止するために体を張った闘争を連日続けている。訓練増加への怒りが高まる基地周辺をはじめ、本土各地で沖縄と連帯して5・15闘争に立ち上がろう。労働組合がその先頭に立とう。

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