大阪市教委弾劾し集会 「指導力不足」の名で首切るな パワハラ研修やめろ

週刊『前進』04頁(3190号02面03)(2021/04/12)


大阪市教委弾劾し集会
 「指導力不足」の名で首切るな
 パワハラ研修やめろ

(写真 集会では市教委によるパワハラ研修が改憲―道州制のための攻撃であることが鮮明になった【3月29日 大阪市】)

 3月29日、改憲・戦争阻止!大行進・大阪市の主催で、「大阪市教委は解雇のためのパワハラ研修を今すぐ中止しろ3・29集会」を行いました。
 集会前に市教育委員会に署名と申し入れ書を手渡し、その後、市役所前で市教委弾劾の街宣と署名活動を行いました。
 3月26日に広域行政一元化条例が強行成立させられる中、大阪維新の会の悪事に対する現場からの反撃は、ものすごい反響を生みました。街宣では「このビラに書いてあることは本当か」などの声が寄せられ、現場労働者が次々と署名しました。
 夕方から市役所隣の中央公会堂で集会を行いました。大行進・大阪市代表の自治体労働者が基調を提起し、維新の狙いが改憲―道州制と教育の全面的な民営化にあること、そのために現場の団結を破壊するのが「指導力不足教員」研修の本当の狙いであることを暴きました。
 大阪市では2004年から「ステップアップ研修」を57人が受講させられ、職場復帰したのはたったの9人。組合本部の沈黙・合意の下、現場の仲間から遮断された密室の中で「研修」とは名ばかりの人格破壊・人権侵害の日々を強制され、ほとんどの人が自主退職か分限免職に追い込まれ、悔しい思いで職場を奪われてきました。まさに国鉄分割・民営化での「人材活用センター」の攻撃と手法も目的も一緒です。
 この研修こそ道州制の正体です。道州制では「国防・皇室・教育」を政府が独占するとされているように、軍事と天皇制強化のために教育を再び位置づけようとしています。市教委の攻撃は一地方・一個人にかけられたものではなく、「教え子を戦場に送るな」という教育労働者の団結の心棒をたたき潰そうとするものです。
 続く発言では、大阪市の教育労働者が研修の内容を明らかにしました。朝から夕方まで密室に隔離し、「研修の内容を口外するな。他の研修生との会話は禁止」と強要し、孤立させ、解雇の恐怖を与え続けていることを暴露した上で、「被研修者だけの問題ではない。おかしいことをおかしいと言えない職場を変える闘いを」と提起しました。
 日教組奈良市をはじめ様々な職場から、労働組合の力で被研修者の仲間とともに闘う決意が語られました。民間労働者も「うちの職場でも同じことが行われてきた。パワハラは経営者が解雇不安をあおり労働者を支配するための武器。これは戦争への道だ」と発言し、パワハラ研修との闘いは全労働者の闘いであることがはっきりしました。
 大阪市教委との本格的な攻防はこれからです。維新による団結破壊の攻撃が、労働組合再建のテコになり始めたことが決定的です。大阪都構想阻止の闘いを引き継ぎ、いよいよ首相の菅、大阪市長の松井、大阪府知事の吉村にトドメを刺す闘いが始まります。一人の解雇も許さず、仲間の職場復帰を勝ち取り、制度撤回まで全力で闘います。
(大阪 赤田由行)
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