ワクチン使って職場を分断するな! 政府主導の大宣伝を許さない
週刊『前進』04頁(3189号03面04)(2021/04/05)
ワクチン使って職場を分断するな!
政府主導の大宣伝を許さない
現在、厚生労働省を先頭に、ワクチンがさも特効薬であるかのように宣伝され、連日報道されている。しかし、これは全くのペテンだ。ワクチン接種キャンペーンは新自由主義政策が生み出したコロナ危機を免罪するものであり、現場で必死にコロナと格闘し、命を守ってきた医療・介護・福祉労働者を分断するものだ。今求められているのは「命よりも金もうけ」の新自由主義医療の根底的変革だ。その力は現場で働く労働者の団結にこそある。
本当に命守るために開発されたのか
3月15日、ドイツ保健省は、英製薬会社アストラゼネカ製の新型コロナワクチンについて、接種後に血栓ができるおそれがあるとして使用の一時中止を決めた。通常数十年かかるワクチン開発(副反応が問題になった子宮頸〔けい〕がん予防ワクチンで25年、チフスなどは100年近くかかっている)を、たった1年で生成するのは明らかに無理な話だ。世界中でワクチン開発のために製薬会社への規制緩和が一斉に進められており、安全が軽視されていることは明らかだ。特に、現在主流とされている新型コロナワクチンは人間の遺伝子を組み換えて体内で抗原を生成させるという方法をとっている。従来の方法(無毒化したウイルスの接種や発生した毒素の接種など)とは別次元の生成過程で作られたものだ。
これは、いわば人類という種族を人工的に「進化」させるということであり、生命倫理的にも従来の法論理的にも激しい踏み込みとなる。だからこそ、これまで前例がなかったにもかかわらず、パンデミックを口実として世界中でタガが外れたかのように一挙に承認されているのである。まさに戦時医療ともいうべき事態であり、後の世代にもたらす影響は計り知れない。
ジャーナリストの天笠啓祐氏は、相次ぐ薬品の特許切れの中で危機に陥った製薬会社が、生き残りをかけてワクチン製造に血道をあげている現実を指摘している。まさに「命よりも金もうけ」で作られたワクチンという他ない。
しかし、新型コロナの感染拡大が医療崩壊を引き起こしている中、すがる思いでワクチン接種を待ち望んでいる人がいることも事実だ。だからこそ改めて、コロナ危機は公的医療を破壊してきた新自由主義がもたらしたものであることを見据えなければならない。
新自由主義の失敗を覆い隠すため
3月8日には米疾病対策センター(CDC)が、ワクチン接種を終了した人へのマスク着用義務を緩和するという方針を公表した。ワクチンが接種されれば「通常の生活に戻れる」というが、全くのペテンである。すでにワクチンの効果がない変異株が次々と発見されており、ワクチン接種が「特効薬」となることなどあり得ない。それでもなおワクチン接種にこだわり続けるのは、新自由主義の「失敗」を覆い隠すために、ワクチン接種をキャンペーン化しているに過ぎないのだ。最も許しがたいことは、ワクチンを使って医療や介護現場を分断し、規制緩和を進めようとしていることだ。世界中で、医療労働者のワクチン接種を義務化し接種しない労働者を解雇する動きが始まっている。ワクチン接種拒否者の解雇など、絶対にさせてはならない。労働組合が全力を発揮して闘う時だ。
台湾や和歌山県などでの取り組みを見れば、十分な検査と公的医療の確保が最大のコロナ対策であることは明らかだ。コロナ対策をワクチン問題に切り縮め、「打つリスク・打たないリスク」などの暴論で「自己責任」の名の下にワクチン接種が強制されていることに怒りを燃やそう。
必要なのは職場の団結だ。3月8日には、高槻医療福祉労組が感動的な「命を守る」ストライキに決起し、その報道は瞬く間に全国に広がった。こうした闘いこそが新自由主義を打ち倒し、医療を社会保障として確保させ、新型コロナと対決する唯一の道だ。
コロナ危機を革命へ! 今こそ職場に階級的な団結をよみがえらせ、「命よりも金もうけ」の社会を変えよう!
(小宮岳人)