AGCは全員の正規雇用を 株主総会に日韓で同時行動
週刊『前進』04頁(3189号03面01)(2021/04/05)
AGCは全員の正規雇用を
株主総会に日韓で同時行動
(写真 韓国の旭支会の決起に応えAGC株主総会の会場前で闘う支援共闘会議【3月30日 東京・千代田区】)
3月30日、東京・千代田区の東京會舘でAGC(旧旭硝子)の第96回定時株主総会が開かれた。午前8時半から旭非正規職支会支援共闘会議が、「AGC韓国工場で不当解雇された22人全員を正規職雇用せよ」の黄色ののぼりを林立させて宣伝活動を行った。
今年1月1日をもってAGCの代表取締役社長が島村琢哉氏から平井良典氏に代わった。AGCはこの交代を「ガバナンス体制の刷新」と言っているが、旭非正規職支会の解雇争議も無関係ではないだろう。それが証拠に昨年12月、AGC本社が和解協議に乗り出したのだ。
「2015年5月29日、労働組合結成後ひと月で解雇され、6年経過した旭硝子非正規職労働者たちの復職問題が労使協議で解決の糸口が見つけられるか注目される」(2月25日付「プレシアン」)と韓国の大手ネットニュースが報じた。すでに19年8月、組合員22人の勤労者地位確認訴訟(一審)で勝訴。AGC韓国法人「AGCファインテクノ韓国(AFK)」が不法派遣で起訴された刑事裁判も進行中だ。
しかし2月の和解協議でAGCは、正規職雇用を基本とする和解案を提示しながら、チャホノ支会長の「復職は負担になる」と支会長のみ雇用しないと言ってきた。この卑劣な労組破壊・分断策に対し、旭支会は「組合員22人全員の雇用が前提であり、協議案は受け入れることができない」と表明し、最後まで闘う決意を明らかにした。
この旭支会の決意に応え動労千葉をはじめ34人が株主総会闘争に決起した。
韓国・クミ(亀尾)では旭支会が、日本の株主総会闘争に呼応し、朝からAFK正門前で出勤闘争を展開、さらに正門前の籠城(ろうじょう)場で日本の闘いに注目を続けた。
株主総会開会の午前10時前、リモートでクミからチャホノ支会長の声が日本に届いた。
「韓国AGCが行う不法行為は、日本のAGC本社にすべて責任があります。正規職として雇用すべき労働者を非正規職として雇用し利潤を得ました。労働組合をつくったという理由で労働者を解雇しました。AGCは労組破壊企業であり、不法企業です」
「株主の皆さん、AGCは不法企業です。処罰を受けなければなりません。労働者を搾取し、弾圧して、利益を得てはいけません。私たち旭非正規職支会労働者は、AGCが不法行為を謝罪し、民主労組を認める日まで闘います」
株主に向かって力強くアピールしたチャホノ支会長は、日本の労働者に「国際連帯の力で私たちは必ず勝利します。同志の皆さんに勝利で報います。最後まで明るく笑いながら共に闘いましょう。トゥジェン(闘争)!」と呼びかけた。
旭非正規職支会支援共闘会議は同日午後、厚生労働省で記者会見を開き、労組破壊を続けるAGC本社を弾劾し、日本で闘いを進める決意を明らかにした。