「機能強化反対」訴え芝山デモ 相川町長の集会妨害を弾劾

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週刊『前進』04頁(3189号01面02)(2021/04/05)


「機能強化反対」訴え芝山デモ
 相川町長の集会妨害を弾劾

(写真 市東さんの農地を守りぬく 天神峰の市東さん宅中庭で開かれた集会。この場所も強制執行の対象地だ【3月28日 成田市】)

(写真 反対同盟を先頭に雨を突いて芝山町縦断デモに出発。「空港機能強化白紙撤回を」の訴えが一帯に響いた。前列右が市東さん)


 3月28日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で、成田空港の機能強化に反対する芝山現地闘争が闘われた。全国から280人が集まり、悪天候を突いて芝山町縦断デモを貫徹した。
 午後1時、成田市天神峰の市東孝雄さん宅中庭で、伊藤信晴さんの司会で集会が始まった。
 東峰の萩原富夫さんが、「集会のため芝山町文化センターを借りようと町に申請したが、『住民が不安に思う』などという理由で却下された。相川勝重町長の言論弾圧を許さない」と怒りをあらわにし、行政不服審査法にもとづく不服申し立てを行ったことを報告した。そしてコロナ危機下での空港労働者、航空労働者の苦境に言及しながら、この空港が住民の生活を破壊している現実を労働者にも伝え、住民とともに廃港に向けて闘うことを訴えた。
 続いて動労千葉の関道利委員長が連帯のあいさつを述べた。3・13JRダイヤ改定でのワンマン運転導入に対し、動労千葉が48時間ストを打ちぬいたことを誇り高く報告し、反対同盟とともに車の両輪として闘う決意を明らかにした。
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、「行政による集会禁圧は弾圧の始まり」と断じ、2014年のXバンドレーダー(米軍の通信施設)反対集会へのでっち上げ弾圧に対する国賠訴訟での勝利を報告した。その上で「しかし裁判に委ねる運動をするわけではない」と強調し、現場からの反撃の重要さを訴えた。
 反対同盟顧問弁護団が発言に立った。事務局長の葉山岳夫弁護士は、市東さんの農地明け渡しの執行停止決定(千葉地裁)の効力が3月31日で切れること、最高裁にあらためて停止決定を出させるために奮闘中であることを報告した。そして現地の実力闘争と一体で、請求異議上告審をはじめすべての裁判に勝利することを誓った。
 婦人行動隊・宮本麻子さんのカンパアピールに続き、連帯発言が続いた。
 全国農民会議の小川浩共同代表は、政府の「米余り」宣伝と減反強要を批判し、「命の糧をないがしろにする政治を変えなくてはならない。市東さんの農地を守ろう」と訴えた。
 斎藤郁真前全学連委員長は、空港の完成を阻み続ける三里塚闘争の勝利の地平を確認し、2021年学生運動の飛躍を誓った。
 最後に市東さんが発言に立った。「私たちは負けてはいません。沖縄・福島・三里塚は一つの闘いであり、動労千葉、関西生コン支部などの労働者、そして市民、学生とともに歩んだ三里塚55年でした。元反対同盟の相川町長が、会場を貸さないなどと言う。ふざけるんじゃない! 今日のデモを出発点に、闘いを明日へつなげましょう」
 太郎良陽一さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、参加者は車両で芝山町の中心に移動して約2㌔のデモに出発。宣伝カーからは宮本さんが、空港機能強化白紙撤回を強く呼びかけた。
 第3滑走路が造られれば、目の前の田園風景も無残に押しつぶされる。デモ隊は闘志を倍加させて力強く進んだ。芝山町役場の入口は、居並ぶ機動隊によって阻止線が張られていた。住民の声を踏みにじり、町を空港に売り渡す相川町長に怒りを高め、役場に向けシュプレヒコールを何度もたたきつけた。

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