都立病院独法化阻止の展望と課題 コロナ下の新自由主義攻撃を 打ち破る労働運動の力を確信
週刊『前進』04頁(3187号02面04)(2021/03/22)
都立病院独法化阻止の展望と課題
コロナ下の新自由主義攻撃を
打ち破る労働運動の力を確信
「都立病院なくすな2・21集会」後のデモでは、医療・介護・福祉労働者を先頭に、青年・学生が「都立病院つぶすな」のぼりを林立させて登場し、都立墨東病院を中心とした東部地域一帯の空気を一変させた。コロナ下での新自由主義攻撃は打ち破れる! 階級的労働運動の力で都立病院独立行政法人化は阻止できる! その確信が、「もっとこういう集会をやりたい」「各地域の都立病院前でデモをやろう」などの参加者の声となって新たな闘いに進んでいる。
署名運動を水路に地域丸ごとが決起する展望を開いた
「コロナ感染が拡大しているのに都立病院をなくすなんてありえない」。この集会に至る過程、街頭での「都立病院をつぶすな!署名」行動でたびたび聞かれた声だ。労働者階級は、コロナが暴き出した新自由主義の悪らつさに怒り、闘いを求めている。そのことが2・21集会への地域の自治会役員の参加など、予想を超える陣形の広がりとなって表れた。また、都立小児病院つぶし反対運動、障害児教育などの実践を踏まえた小児科医・山田真さんの講演は、労働運動と連携した地域運動のもつ豊かさを開示した。「医療を社会保障として取り戻す」——医療など労働現場の闘いと大衆的な署名運動が結合し、地域が丸ごと決起していく展望が開かれた。1年にわたる都立病院独法化阻止闘争の中で私たちがつかんだものは大きい。この闘いは、コロナ下で階級的労働運動を復権する格闘と一体だった。
昨年4月の緊急事態宣言と「自粛」攻撃に対し、医療労働者を先頭に厚生労働省を包囲する実力闘争として5・1メーデーを打ち抜いたことが出発点となった。そして「医療は社会保障だ」の病院スト決起が始まった。「命を救う当たり前の医療をさせろ」という闘いには誰もが共感する説得力があり、新自由主義に対する実力闘争の思想の復権、そして動労千葉の反合理化・運転保安闘争の路線が貫かれている。
東京の医療・介護・福祉現場での「防護服を配れ」「感染対策の人員を入れろ」などと要求する闘い、保健所など自治体産別での民営化・合理化反対の闘いはこのストと呼応して進み、それを土台に医療・介護・自治体労働者を呼びかけ人とする「都立病院をつぶすな!署名」運動が発展していった。同時にこの過程で、コロナ下の医療と社会の崩壊は新自由主義とその歴史的破産によって引き起こされたものであり、だからこそ階級的労働運動によって打ち破れるという確信をつかんだのだ。
「昨日のように激しい支持を受けるデモってのはなかなかなかった! 一緒にこぶしをあげ、コールする人たちの数、その勢いが半端じゃない。一帯は『都立病院なくすな』の空気におおわれた。むしろ、ぼくたちデモ隊の方の本気さが問われるほど。そのくらい『医療は社会保障だ!』はみんなの願いなのですね」(2・21集会参加者の感想)。都立病院はじめ医療、自治体などの労働現場、地域には積もりに積もった新自由主義への怒りがあり、闘いが始まっている。だからこそ民営化絶対反対を鮮明に掲げ、自分たちの現場の闘いで勝負し路線を貫くことが、運動の階級的発展をつくり出す。
階級的労働運動を軸に全人民の新たな闘い切り開こう
昨年3月末に小池都知事が決定した都立・公社14病院独法化方針は、コロナ情勢下で民営化と新自由主義医療を推し進めるという「命より金」の絶望的な階級意思の表れであり、公立・公的440病院の再編・統合の要としてある。その狙いの核心は、国鉄分割・民営化と同様に、都庁職病院支部・衛生局支部など都労連の解体、「労組なき社会」化だ。小池らは都立病院7千人の公務員枠をなくして公社病院2600人と合体させ、非正規職・派遣看護師、外注化された業務委託の労働者も加えて数万人の「病院機構」職員を生み出そうとしている。また、外国の富裕層をターゲットとした「医療ツーリズム」など「もうける医療」を進める狙いがあるとも言われている。
コロナ「第4波」到来が叫ばれ、人民の怒りは利権と腐敗にまみれた東京オリンピックの破産を引き寄せている。新自由主義を打倒する階級的労働運動の中に労働者人民の未来があることが、今春過程で一層鮮明になっていく。
1年間の闘いは、都立病院決戦を全労働者人民の生死がかかった焦点に押し上げた。日本共産党などの影響下にある医療・福祉現場も含めて激しく揺さぶり、労働者の団結で新自由主義を打倒する新たな労働運動が広がっている。鮮明な時代認識と路線をもって階級的獲得の闘いを展開していこう。医療・自治体などの労働運動を軸に、都立病院独法化阻止を住民・障害者など全都民の運動として発展させる新たな挑戦を開始しよう。3月春闘を闘い、都立病院独法化阻止闘争をさらに前進させよう。その力で5・1メーデー闘争を爆発させよう。
〔革共同東京都委員会〕